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借り物 マネーの行き場失う

上場企業の手元資金、過去最高 震災で安全志向に
3月末52兆円、売り上げ減などに備え









 



 上場企業の手元資金が一段と膨らんでいる。2011年3月期末の手元資金はこれまでの発表分で約52兆円と1年前より4%増え、過去最高の水準となった。東日本大震災の発生を受け、企業は投資を抑える一方、売り上げ減や金融市場の混乱に備え、手元資金の積み増しに動いたためだ。震災を契機に安全志向を強めた企業は多い。豊富な資金力で戦略投資に踏み切れるかどうかが今後の競争力を左右する。



 これまでに決算を発表した3月期企業のうち、連続比較ができる1076社(金融、新興市場企業は除く)を対象に日本経済新聞社が集計した。



 現預金と短期保有の有価証券/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EAE7EAE0E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXなどを合算した手元資金は3月末で51兆7474億円と10年3月末より4%増え、過去最高だった。企業は金融危機以降、手元資金の積み増しを優先してきた。昨年後半に投資再開の動きも出て12月末の手元資金はいったん減少したが、3月末に向け再び増加に転じた。



 






新規借り入れや社債発行


3月末までに積み増し

住友金属工業
600億円強を借り入れなどで調達

東  芝
3月末までの負債削減計画延期

ニチレイ
CPで80億円調達し高水準を維持

今後積み増す

ホンダ
減産の長期化に備えCP枠2000億円設定

三菱自動車
借り入れや融資枠設定を検討

全日本空輸
需要減に備え借り入れや社債発行を検討

川崎汽船
船舶投資や震災影響に備え借り入れ検討


 背景にあるのが、震災の余波だ。東芝は震災による代金回収の減少などに備え、3月末までの負債/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EAE5E3EAE2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXの圧縮計画を延期して現預金を確保。ニチレイや旭化成もCP(コマーシャルペーパー/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EBE0EBE0E2E3E5E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX)などで資金を調達し手元資金を3カ月前より5~8割増やした。旭化成では成長資金を確保しつつ、取引先からの代金回収が滞るなど「万が一に備えた」(同社)。



 日銀によると3月の全国銀行の貸出残高(月中平均)は393兆7074億円と1カ月で約1兆5千億円拡大しており、企業の資金確保の動きが鮮明だ。



 投資圧縮の影響も大きい。11年1~3月期に企業が設備投資や企業買収などに使った純投資額(投資キャッシュフロー)は前年同期比で約1兆2000億円減少した。震災を受け、ソニーが不要不急の投資を絞るほか、セイコーエプソンは内外の工場の増産投資見直しを検討している。



 手元積み増しの動きは4月からの新年度入り後も一段と強まっている。部品不足に直面する自動車業界ではホンダがCP発行枠を2000億円設定。三菱自動車も銀行借り入れや融資枠の検討に入った。両社とも手元資金は潤沢だが、「想定を上回る減産の長期化などのリスクに備える」(三菱自幹部)。全日本空輸も借り入れや社債発行を検討している。



 M&A(合併・買収)など攻めの投資の動きは企業全体でみれば震災以降、減少傾向にある。だが、足元でみれば東芝が欧州の次世代電力計メーカーの買収に動くなど戦略投資に踏み切る事例も出ている。強固な財務を武器に震災への有事対応も進めつつ、成長に向けた布石を打てるかどうかで企業の中長期的な成長力に差も出てきそうだ。

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