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【コラム】夏場はディフェンシブ銘柄のヘルスケアに注目
マーケットウオッチ
そろそろいつもの「5月に売って市場から去れ」という格言を聞くころだろうか。夏の数ヶ月間は利益が出にくい傾向があり、投資家の多くはキャッシュを手元に置いて過ごすことを考える。
取引を休む代わりに、ポートフォリオをディフェンシブ銘柄に移行するのを選好する投資家には、ヘルスケアがもってこいだろう。ディフェンシブであるだけでなく、今年はおまけさえ付いてくる。ここ3カ月、ヘルスケア・セクターは市場全体をアウトパフォームしており、今後市場が下落しようがしまいがその傾向は続くと予想される。
投資のベテラン、チャールズ・カークパトリック氏などが行った調査では、相対パフォーマンスの良い銘柄やセクターは、上昇・下落の両局面で市場を上回ることが報告されている。投資家は好調な株に引き寄せられるという市場の慣性があるのが理由だ。
元々それがトレンドが出来る理由でもあり、トレンドが終わる理由でもある。いつかはすべての投資家が同じ事を考え、誰も買い手が残らない。そして、価格と相対パフォーマンスが崩れ始める。
医薬品株などが対象の上場投信(ETF)ヘルスケア・セレクト・セクターSPDRは、昨夏から上昇基調にあるが、最近になってようやくS&P500指数をアウトパフォームし始めた。相対パフォーマンスの図表では、低迷していたこのETFが2月から他をけん引しているのが明確に示されている。
ヘルスケア・セクターも市場と同様に東日本大震災の後に急反発した。しかし、4月に入ってS&P500指数が以前の高値付近でやや押しも戻された一方、前述のヘルスケアETFは下落せず、4月15日には高値を更新している。投資家が売り材料を模索したときに、ヘルスケアがそのリストに載らなかったというのは、需要が強いことを裏付けている。
今のヘルスケア・セクターように、高値を更新しているときに買いを入れるのを敬遠する投資家も多い。
その点、癌やその他の疾患の治療用医療機器とソフトウエアを販売するバリアン・メディカル・システムズ は、4カ月以上横ばいで推移しているため、投資リスクがやや低いと言えるだろう。
もみ合いを続けていた同社株は3月に支持線を下抜いたが、すぐに反発。テクニカル分析の世界では、これはブレイクダウンの「だまし」と呼ばれ、株価が割安になったことで買い手が流入したことを表している。
それ以来、同社株はレンジの上値抵抗線付近まで戻しており、72ドルを超えるとブレイクアウトすることになる。
セクター全体の好調の追い風を期待できるため、今まさにブレイクアウトしている株を買うのも1つの手である。
英医薬品大手のアストラゼネガもその一例だ。新抗血栓薬ブリリンタの承認見送りを受けて同社株は12月に急落し、その後は広いレンジ内で保ち合いを続けていた。しかし、4月中旬になって上値を試し、最終的には抵抗線を上抜いてブレイクアウト。現在は2010年の高値である50ドル台半ばで推移している。
さらに、この株には5%の配当利回りという特典さえ付いてくる。
ヘルスケア・セクターにはどのリスク・プロファイルにも見合った銘柄が必ずある。セクター全体が市場をけん引している間は、出遅れている多くの銘柄が追い上げる可能性が高いと言えるだろう。
(筆者のマイケル・カーン氏は、バロンズ紙にセクターや市場に関する分析記事を寄稿するコラムニスト)