8日後場の日経平均株価は前日比17円14銭高の9537円94銭と小幅ながら3営業日ぶりに反発。一方、TOPIXは同0.88ポイント安い858.33ポイントと3日続落した。円相場がこう着感を強めたため、手掛かり材料も乏しく、動意薄の展開となった。引けにかけてマイナス圏に押し戻され、日経平均は底堅く推移して持ち直したが、TOPIXは停滞した。東証1部の出来高は18億501万株。売買代金は1兆2679億円。騰落銘柄数は値上がり769銘柄、値下がり748銘柄、変わらず155銘柄。
大和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所・投資戦略部部長の高橋和宏氏は「いったん割り込んだ9500円を維持できたため、この水準に対する意識は強いのだろう。SQ(特別清算指数)を前後して埋め切れていない1万円までの『マド』埋めが期待される。新財務相に野田佳彦氏が副大臣から格上げされ、会見では恐らく現状の金融市場について質問が飛ぶだろう。安心感を与えるとの期待もある。一方、EU(欧州連合)財務相理事会はユーロ相場に対して口先介入程度はあるだろうが、基本的には日本市場への好材料は期待できない」と指摘している。
業種別では、NTTデータ など情報・通信に高い銘柄が目立った。ヤフー 、ソフトバンク なども上昇。東電 、東ガス など電力・ガス株もしっかり。ファーストリテ など小売株も買いが優勢となった。自社株買いを発表した牧野フライス など機械株も堅調。TDK などハイテク株が継続物色され、日産自 など自動車株も底堅い。個別では、三菱UFJモルガン証がレーティングを引き上げたFCC 、ゴールドマン証が投資判断を引き上げた松田産業 なども高い。第1四半期で純利益5倍の見通しが明らかになった丹青社 も買われた。
半面、三菱UFJ など銀行株の下げがきつく、NKSJHD など保険株もさえない。野村不HD など不動産株も下押した。旭硝子 などガラス株も軟調。JFE など鉄鋼株や、住友鉱 など非鉄金属株も停滞し、川崎汽 など海運株の戻りも鈍かった。個別では、公募増資などで最大492億円を調達するSBI や、センコー が急落した。野村証が投資判断を引き下げた森永乳 も安い。なお、東証業種別株価指数は、全33業種中、13業種が上昇した。
提供:モーニングスター社