31日後場の日経平均株価は前週末比5円72銭高の9768円70銭と小幅ながら4日続伸。東証1部の出来高は17億5754万株と4月23日以来の20億株割れとなった。売買代金も1兆2559億円と低水準。薄商いで方向感の定まらない展開となった。一時9800円台を回復したが、主要な海外市場が休場ということもあって、海外勢からの売りが細ったとの見方があった一方で、手控え気分の高まりから上値も重かった。騰落銘柄数は値上がり1244銘柄、値下がり335銘柄、変わらず95銘柄。
中堅証券のマーケットアナリストは「ユーロに対する不安はぬぐえていないが、さすがに業績面からみて買いとみる向きも目立ってきた。2月9日の安値を下回ったときから相場が大きく崩れていることから、この水準を上回れるか否かが焦点となりそうだ」と指摘している。また、しんきんアセットマネジメント投信・投信グループ長の藤原直樹氏は「週内は9500円-1万円のレンジで動意は乏しく、値固めの様相となりそうだ。週末発表の雇用統計次第では、1万円台の回復はあり得る」とみている。
業種別では、JX など石油株が堅調。レンゴー 、王子紙 などパルプ・紙株も引き締まった。新日鉄 など鉄鋼株や、ツガミ など機械株も高い。SONYFH など保険株が買われ、東和薬品 など医薬品株も高値圏で推移した。JR東日本 など電鉄株にも高い銘柄が目立った。レナウン がストップ高となるなど繊維株も上昇した。個別では、巴工業 、内田洋行 などが継続物色され、メリル日本証が投資判断を引き上げた花王 も買われた。
半面、商船三井 など海運株の上値は重かった。三井物産 など商社株も軟調。三菱地所 など不動産株もさえない。プロミス 、アイフル など消費者金融株の一角は値下がり率上位。東芝 などハイテク株や、トヨタ など自動車株も下落した。三菱UFJ など銀行株も下押した。なお、東証業種別株価指数は、全33業種中、23業種が上昇した。
提供:モーニングスター社
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