地球猛獣群さんのブログ
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日経225採用銘柄 9205【日本航空】株(+ほか)について
何かにつけて話題になっている、日本航空株。だいぶ値段が
落ちてきました。
そこで、特に小口投資家は、青写真を描いてちょっと買ってみたくなる。これは人情であり、人間の性だからしょうがない。
しかし、日本航空株に飛び乗って無事に墜落もせずに快適な株式投資フライトを楽しんで帰ってこられるのか?
そこが一番の問題ばう。
そのためには、日本航空株の業績の傾向を把握しておく必要がある。
日本航空は、昭和28年10月に設立された航空会社である。
設立当初の業績は、昭和29年3月期決算において、
営業収入 9億7242万円
純利益 赤字2億9325万円
となっている。当時大卒の事務の初任給が1万円の時代であるから、要するに多大な赤字であったということだ。
そのため、当初より、政府へ補助金(みんなの税金)を請うていた前途多難な企業であったバウ。
上場後の業績については、面倒なので【純利益】のみとさせていただく。
≪単体決算推移≫
昭和35年 2億3300万円
36 3億7200万円
37 1億1900万円
38 赤字28億3900万円
39 15億2600万円
40 14億1700万円
41 11億6400万円
42 4億7300万円
43 7億4400万円
44 12億0300万円
45 20億6600万円
46 18億3800万円
47 16億4400万円
48 19億2300万円
昭和49年 22億9300万円
・・・昭和39年の航空ブームあたりから昭和49年までの
黄金の10年間は快適なフライトであったといえるバウな。
10年間の純利益の合計はしめて162億9100万円。
誠にばんばんざいとも思えるしかし、ここからが、日本航空株の要点と言える年代に入ってくる。
昭和50年 赤字177億1600万円
・・・なんと、十年間の儲けがたった1年間で水泡に帰してしまいました。むじょうですバウ。
昭和51年 11億0400万円
52年 110億2500万円
53年 81億4000万円
54年 29億0600万円
55年 19億6600万円
56年 34億0600万円
57年 55億4400万円
58年 赤字 38億1500万円
59年 赤字 64億2400万円
60年 71億8200万円
61年 赤字 67億4300万円
昭和62年 赤字 63億1800万円
(3月期)
・・・昭和62年11月、日本航空は完全民営化されたバウ
その直前までのモーレツな連続赤字。これはすなわち、露骨な民営化前の赤字前倒し計上に見えるのは猛獣だけでしょうか?
では、完全民営化後はどうなったのでしょうか?
昭和63年 167億3900万円
1989年 173億3000万円
1990年 165億7200万円
1991年 137億1200万円
・・・民営化から、わずか4年で643億5300万円を稼ぎだす集金マシーン一大企業に成長。政府の縛りから解放された経営の自由度向上、バブルの好景気も手伝っての大成果
と誰もが驚嘆し、民営化は大成功だと思った。だが、しかし
※以下からは、総て【連結決算】の利益推移となりますバウ。
1992年 赤字 133億0000万円
1993年 赤字 478億7300万円
1994年 赤字 374億6300万円
1995年 赤字 146億2000万円
1996年 赤字 90億9800万円
1997年 赤字 144億7800万円
1998年 赤字 629億1800万円
・・・バブルの付けとでも申しましょうか?はたまた民営化失敗を国民に叱責されまいとして、民営化後に利益追求第一に走って虚栄を張りすぎた無理がたったったためで御座いましょうか?はたまた政府のしがらみから離れてタガが緩んでしまったためでありましょうか?当然当時安かった燃料コストのせいに責任転嫁できるはずもありません。唯一弁解の余地があるとすればそれは為替くらいでしょうバウねェ。
92~98年の6年間の赤字総額は連結赤字1997億5千万円。悲惨の一言に尽きます。バブル時の4年間の儲けの
約3倍が飛んでいってしまいましたバウ。
1999年 267億7300万円
2000年 197億4000万円
2001年 410億2100万円
2002年 赤字 367億2500万円
・・・2002年10月、【9201】日本航空 は、JASと統合し、【9205】日本航空システム と商号変更しました。
2003年 116億4500万円
改名で運が開けたのか?黒字転換となりました。だが、その翌年
2004年 赤字 886億1900万円
もはや、改名しても運は開けないと悟ったのか?巨大赤字を出してしまったこの年、2004年6月には、元の商号である9205【日本航空】に社名を戻してしまいましたバウ
2005年 300億9600万円
2006年 赤字 472億4300万円
2007年 赤字 162億6700万円
2008年 169億2100万円
2009年 赤字 631億9400万円
2010年予赤字2700億円
2011年予赤字1200億円
※上記業績予想は会社四季報記載のもの。日本航空自体は、
業績予想を非開示しているバウ。225銘柄なのに・・・
・・・これまでの業績の累計をざっくばらんに言ってみると、2009年までの合計純利益は、マイナスが濃厚ばうな
では、どうして今まで、日本航空が存続して来れたのかといえば、それは、政府補助金(みんなの税金)と、市場から調達した資金のおかげで延命できてきたといえるバウ。
【株主割り当て・資本移動記録】(簡易版)
昭和36、 5 1:0、045
36、10 1:0、1
37、12 1:0、1
38、10 合併
38、11 政府割当
39、11 1:0、1
他政府割当
41、 3 1:0、15
42、 2 115:15
43、12 1:0、2
45、 3 1:0、2
47、 9 転換社債
47、12 1:0、2
54、12 1:0、15
無償 1:0、05
公募423万株(2310円)
63、11 無償 1:0、07
1989、12 公募800万株(17081円)
90、 3 無償 1:0、03
90、 8 株式分割1→10
91、11 分1→1、05
2001、 3 株式交換
02、10 株式移転 完全子会社
04、 4 株式交換
05、 2 消却
06、 7 売出5000万株(211円)
08、 3 優先株6億1400万株(250円)
・・・しかし、ただでさえ赤字と縁がある会社だというのに、ここにきて4ケタ億の超絶赤字を出す(予定)にまでに
なってしまってきているバウ。
もはや、中長期で持っていたら確実に赤字が待っている株から、赤字アリ地獄株のような展開にまで進んだといっても、言い過ぎではない株にまでになってしまったバウ。
こうなってしまうと、(良くてしばらく)延々と今まで以上に日経平均の足を引っ張る、日本株上昇の足かせお荷物採用銘柄と世間から、そしりを受けても仕方がないでしょう。
空運業種の上場銘柄なんて指の数しかないのだから、この際、日本航空は225採用銘柄から除外していただいたほうが、良いのかも知れないバウ。ほかに、【9205】全日本空輸(旧 日本ヘリコプター輸送)という日経225採用銘柄もいることバウし・・・
さもないと、日経平均が上がらなくなるおそれ大ばうし、
悪くいけば下がる可能性だって格段に上がるバウ。
日本株の元気のバロメーターである日経平均がそういうことになれば、ますます日本人が萎えて、景気悪化にもつながり、自殺者が増加する懸念もでてくるバウ。そうなれば、
人殺し?も同然かも知れないばうよ。
日経平均の採用基準は、日本株が右肩上がり時代には、何らの支障もなく良かったのかもしれないバウが、現状にはそぐわなくなってきているのかもしれないバウ。もはや。
赤字慢性垂れ流し企業さんが、225採用銘柄にいる時点で
ある意味日本株の未来は暗いばう。
・・・さんざん毒舌を吐いたばうが、航空会社(空運業)は誰が経営しても、どんなに優れた経営者が経営しても赤字はつきものの業種ばう。全業種中1、2を争うほど非常に経営が難しい業種ばう。だから、どうしようもないと言えばそれまでばう。
実際のところ、誰も非難はできないばう。航空会社さんは、為替、原油、ライバル航空会社(外国勢含む)などの巨大な悪魔たちとの24時間、死闘の連続ばう。最悪ばう。
航空会社で20年や30年連続で黒字だせと言われたらみんな逃げます。普通に。神様くらいしか、もはや、そういうマンガ的な事は成しえないでしょう。
※(例外的に、昔=昭和56年第4集のほか昭和60年より以前、四季報に連結決算が載っておらず、単体決算のみ記載されていた時代は、上場(大)企業が本丸のみ黒字にして、損失は連結の関連会社に損失飛ばしして、バンバン景気良く株価を上げまくって日本全体の景気を良くしていたらしい?話の上では、あるいは可能だったかもしれませんがね・・・・)
※↑の連結決算うんぬんについては補足説明のため、枠外に詳しくして置くばうよ。ばう、ばう~~~
航空業はこれまでに、上場企業で、唯一、電気瓦斯業種と並んで倒産企業が出ていない業種ではあるものの、ここに来て、航空業に赤信号が灯ったばう。
日本航空のリバウンド狙いもいいばうが、もし奇跡的に、また日本航空が黒字転換したならば、すぐに売ることをすすめる。慣習にしたがえば、そのあとすぐに数年内に赤字転落する可能(危険)性が極めて高いからだ。
危険性は、【8913】ゼクス と 五十歩百歩といったところだろうが、運が良ければ、ゼクスのほうが儲けは、或いは多いかも知れないバウ。
もちろん、損をするかしないかという話は
さておくばうがね・・・・
ばう、ばう~~~
-
関連銘柄:
ゼクス(8913) 日本航空(9205) ANAHD(9202)
※< 会社四季報誌面の記載項目の充実推移 >
昭和25年 株価追加
昭和31年 従業員数情報追加
昭和32年 東証銘柄全記載開始
昭和37年 東証2部、大証2部、名証2部銘柄全部追加
昭和49年 外国日本上場企業記載開始
昭和50年 借入金情報掲載開始(それまでは、どこの企業が突然潰れるか分からない、借入金情報の記載が無い、闇なべ?四季報のようなものだった)
昭和54年 全役員名情報記載開始
昭和56年第4集 店頭企業の一部(143社分)記載開始
同 株価チャートとりあえず3年分記載開始
同 一時的な試みとして連結決算情報おまけ
昭和58年 業績2期分予想記載開始
※昭和60年 それまでの単体決算のほか、連結決算予想正式記載開始。これにより決算暗黒時代は幕を閉じた。簿外以外はね・・・
2000年第4集 利益剰余金情報の追加記載開始
2002年第1集 株主優待+配当金利回りランキング開始
2005年 時価総額及び株の指標情報記載開始
ばう、ばう~~~~
【9202】全日本空輸 の業績も下記に一部出しておくバウ。
ばう、ばう~~~~
≪ 全日空 純利益推移(面倒ばうから連結分のみ)≫
1993年 赤字 11億6700万円
1994年 赤字 93億6400万円
1995年 赤字 74億7100万円
1996年 赤字 85億7200万円
1997年 42億9800万円
1998年 赤字 53億9800万円
1999年 赤字 47億3200万円
2000年 赤字 152億0100万円
2001年 402億8600万円
2002年 赤字 94億5600万円
2003年 赤字 282億5600万円
2004年 247億5600万円
2005年 269億7000万円
2006年 267億2200万円
2007年 326億5800万円
2008年 641億4300万円
2009年 赤字 42億6000万円
2010年(会社側予測)
赤字 280億円
2010年(四季報予測)
赤字 330億円
2011年(四季報予測)
50億円
・・・赤字とは切っても切れない仲ばうな。どちらの航空会社にしてみても。ある意味宿命ばう。
もちろん、外国の航空会社も、赤字と一蓮托生なトコが多いですばう。
ばう、ばう~~~~
少し違う視点で見てますが。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20100102AT1G3000T31122009.html
毎年、小さい市くらいの人口が減っている、こうなっているとインフラに関連する事業は今後も厳しい感じがしてます。
運ぶ人の数が減ると物資も必然的に減ってしまうので、貨物便も貢献出来なそうな気が・・・。
>※上記業績予想は会社四季報記載のもの。日本航空自体は、 業績予想を非開示しているバウ。225銘柄なのに・・・
これは知らなかったですね、色々注意しておかなければ。
今年も地球猛獣群さんに頼るところがありそうです。(^^;
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