坂本彰さんのブログ
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粗鋼生産 これからどうなる?
需要を図る統計の一つに粗鋼生産があります。
かなりマイナーですが、鋼材に加工される
前の鋼の半製品で、鉄くずやスクラップを
鋼材に加工した生産量のことです。
建設や自動車の材料など主要産業に使われるため
この生産量の増減が、売上高の増減予想に役立ちます。
だいたい3か月先が目安だそうです。
ですがJFEHD社長は今年度下期の粗鋼生産
見通しについて「1300万トンで変えていない」
日本鉄鋼連盟の宗岡正二会長は10年1~3月期の
粗鋼生産が前期比で増加するかどうかについて
「増減を言うのはなかなか難しい」など、
厳しい意見ばかりです。
09年1~3月期を底に粗鋼生産は回復しておりますが
足元は再び粗鋼生産の需要減となるのでしょうか?
そうなると、今後の販売低下に繋がります・・・。
日本の企業は去年のショックに驚いて、引いてしまっています。
米国企業はドル安を受けて調子が良いので、北米の工場があるとこはいいですが、ドイツや日本は厳しいですね。韓国みたいに為替操作すれば良いのに。逆に円高操作をしている印象もあります。
自動車生産が大きな割合を占めるので、政府の補助が来年度も行なわれるかにかかっているようです。
粗鋼生産増加ではないなら、慎重ということなんでしょうか。
積極的に積み増すのは避けたいという考えなのでしょうか。
・車
・船
・高層ビル(中層でもよいがビル)
です。
車は政府の政策面での下支えもあり、少しは持ち直しましたが、世界の景気がもうひとつなので、船はかなりあまっています。
船があまると廃船にされ、使われている鉄は電炉メーカーで、また鉄に再生産されます。高炉メーカーが粗鋼を生産しなくても、相当量が廃船から電炉メーカーにより生産されてしまいます。
ビルは中国、インド以外は需要が止まっており、中国でも供給過剰となり、急いで輪入した鉄鋼原料の鉄鉱石は、港に野ざらしで3ヶ月分の在庫となっています(普通の倍量)
これらの結果から、一時的に需要が膨らんだ鉄鋼需要は、在庫がたまりつつあり、これで中国の需要が停滞したら、またもや減産に入らざるを得ません。
救いは自立的な内需で経済が拡大している、インドとブラジルですね。ただ、経済規模がまだ小さいため、中国ほどのインパクトがありません。
総じて、鉄鋼は下期は停滞気味で、来年6月以降でないとすっきりしないのではないのでしょうか?
鉄と比べて、アルミは列車復活の傾向から、需要は思っている以上に増加する様子です。単純な鉄よりもアルミや合金メーカーに注目した方が株の成績は上がりそうです。
ありがとうございます。
粗鋼生産量と個別銘柄の業績や株価の上げ下げは、半年程度のずれが生じるため、粗鋼生産量は景気の方向性をチェックするのに使用したらどうかと思います。
新日鉄などの高炉メーカーは、高値で購入した鉄鉱石や石炭などの原材料をこの半年でようやく消費しているので、下期は粗鋼生産量が減少しても、(粗鋼生産量が半分になるとかの極端な減産にならなければ)利益は増加するはずです。
所謂、減収増益というやつですね。