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期待よりも不安強く―圧勝の民主党に米国
期待よりも不安強く―圧勝の民主党に米国
「予測不能」の外交政策
【ワシントン早川俊行】オバマ米政権は日本との同盟関係を「安全保障の礎石」(オバマ大統領)と位置付けており、衆院選で圧勝した民主党とも良好な関係を築き、同盟を強化させたい考えだ。ただ、近く発足する民主党政権がどのような対米政策を打ち出すのか不透明なため、期待よりも不安の方が大きいのが実情といえる。
民主党はこれまで、①海上自衛隊によるインド洋での給油活動延長に反対②日米地位協定の抜本的な改定③米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)削減――などを主張していた。総選挙に合わせて発表したマニフェスト(政権公約)では、これらの主張を削除、またはトーンダウンさせたが、米側は民主党が本当に現実路線にかじを切ったのか、選挙目当ての一時的な政策転換に過ぎないのか、見極めに苦慮している。
6月に日本をテーマにした公聴会を開催した下院外交委員会アジア太平洋・地球環境小委員会のエマ・ファレオマベガ委員長は、「民主党議員には元社会主義者から保守的な元自民党議員までおり、民主党が実際にどのような政策を実行するのか予測するのは難しい」と指摘したが、「予測不能」が民主党に対する米側の基本的な認識といえる。
民主党政権が万一、インド洋での給油活動を延長せず、また、日米地位協定の改定を求めるなどの行動を取った場合、日米関係にきしみが生じることは避けられない。オバマ政権は7月にワシントンで米中戦略・経済対話を開催するなど、アジア政策をめぐる議論は対中関係に集中しており、米国内での日本への関心は低下している。民主党政権が対決調の対米政策を取るなら、その傾向が一段と強まる可能性も否定できない。
米大手シンクタンク、外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員は26日に発表した論文で、「オバマ政権は忍耐が求められるだろう。民主党が外交政策の優先課題を洗練させるには時間がかかる」と指摘し、米政府は当面、民主党の動向を見守るしかないとの見方を示している。
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