スーパーエルフさんのブログ

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ハイテク分野の指標銘柄を考える

米国ではGM、citiの先行き不透明感から株価の下落が続き、日本も年明けから再び軟調な展開を余儀なくされている。そんな中、6976太陽誘電は昨年10/28 382円を底に堅調なとなっている。太陽誘電は、セラミックコンデンサを主力とする会社だが、私はこの会社をハイテク系銘柄の先行指標として日頃からwatchしている。大多数の電気回路は以下のような部品で構成されている。(各部品の中の小分類は、代表的な物)・半導体 →「CPU系」、「メモリ系」、「パワー系」等に分けられる。・抵抗・コンデンサ → 「アルミ電解C」、「セラミックC」等に分けられる。・コイル・基板 → 「リジッド基板」、「フレキ基板(FPC)」に分けられる。・機構部品 → 「コネクタ」、「スイッチ」他多数精密機器のエンジニアとして回路設計や部品調達をしていた経験から、これらの部品やそのメーカーの傾向として、以下のことが言える。(1)日本の半導体は、携帯電話を除く組込向けで強いが、その他は海外勢と実力差は小さい。(2)抵抗は基本的にIC内に集積可能。また、抵抗専業のメーカーはほとんど無い。(3)コンデンサは小容量の物しかIC内に内蔵できないため、将来的にも無くならない。(4)アルミ電解Cも積層セラミックCも日本メーカーの世界的なシェアが高い。(5)コイルは使用点数が少ない。(6)リジッド基板は装置産業の側面が強く、日本メーカーの強みは余りない。(7)FPCは日本メーカーが強いが、コストが高いのでなるべく使わないように設計する。(8)機構部品は種類が多く、ハイテク機器全般の指標とは成りにくい。このように、コンデンサ以外は用途が限られたり、日本以外に有力メーカーがあるため、ハイテク分野全体の動向を探るにはやや難があると思う。それに対して、コンデンサは回路のデジタル化、高周波化が進んでも必ず使われる部品であり、日本メーカーはシェア、実力とも世界で群を抜いている。次に、アルミ電解Cと積層セラミックCを比べてみる。アルミ電解Cの主材料であるアルミ箔とセパレーターは、日本メーカーのシェアが圧倒的だが、最終的な製品は中国、台湾、韓国でもかなり生産されている。これは、アルミ電解Cで難易度が高いのはアルミ箔のエッチングであり、組み立て工程はそれほど難易度が高くないためだと思われる。一方積層セラミックCは非常に薄いセラミック板を積層する組立工程が難しく、信頼性の高い製品は日本の独占状態と言っても良い。以上のことから、積層セラミックCメーカーの動向を見ていれば、世界的なハイテク危機需要の動向が分かるのではないかと考えている。積層セラミックCの有力メーカーは、6981村田製作所、6976太陽誘電、6762TDK、6971京セラだが、TDK、京セラは他事業の売上比率が大きいので、積層セラミックCの動向を見るのには適さない。村田と太陽誘電では、村田の方がシェアが高いが、太陽誘電は大容量品に強みを持っている。携帯機器の増加で軽薄短小化が進む中では、アルミ電解Cよりも積層セラミックCが選好されるのは確実で、今度100μF付近までのアルミ電解Cのかなりの部分は積層セラミックCに置き換わっていくと予想され(既にかなりの部分が置き換わっていると思うが)、製品構成中の大容量品比率の高い太陽誘電の方がその恩恵を受けやすい。また、村田は主市場が大証であるのに対し、225採用銘柄である太陽誘電の方が株価動向を注目する上では適していると考えている。ここ数週間で太陽誘電は大きく上昇しているため、600円付近までの調整は致し方ないが、中長期でみて太陽誘電がどのような値動きになるか注目したい。
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