優利加さんのブログ

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株価急落で8月初旬のデジャブ―のようだが・・・

昨日の米国株式相場は大幅下落した(DJIA -616.15 @40,936.93, NASDAQ -577.33 @17,136.30, S&P500 -119.47 @5,528.93)。ドル円為替レートは145円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は大きく下げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が97に対して、下落銘柄数は1,528となった。騰落レシオは117.83%。東証プライムの売買代金は5兆1062億円。

TOPIX -100 @2,633
日経平均 -1,639円 @37,048億円

米国では、8月ISM製造業購買担当者景況感指数(PMI)(47.2<予想47.9)と8月S&Pグローバル製造業PMI確定値(47.9<7月48.0)が予想を下回った。これにより再び景気後退懸念が強まり、エヌビディアを始めとする半導体関連銘柄が強烈に売り込まれた。8月初旬の暴落の初動を彷彿とさせた。景気後退の懸念を反映して米10年債利回りは先週末の3.911%から3.831%へ低下した。しかし、長期金利低下による株価浮揚効果よりも、景気後退懸念による株価下押し効果の方がはるかに大きかった。主要3株価指数は揃って大きく下げた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も7.7%安となり、今年最大の下落率となった。もとも利下げを見込んで株価が史上最高値を更新し続けるほどの高値圏に達していたため高値警戒感が強く、少し悪い指標が出るだけで売りがどっと出る。米司法省から反トラスト法違反の疑いで調査を開始されたエヌビディアが9.9%も急落し、たった1日で41兆円(日本の国家予算の4割近く)の時価総額が吹き飛んだ。

本日9月4日の東京市場では、米景気後退懸念によるハイテク株を中心とした米国株の急落と、米長期金利の低下による円高・円安の悪材料を受けて、半導体関連銘柄をはじめとして大きく売り込まれた。日経平均の下げ幅は一時1,800円を超えた。東京エレクトロンとアドバンテストの2銘柄だけで日経平均を345円押し下げた。日経平均の下げ幅は今年3番目に大きく、歴代では5番目の大きさだった。

今年8月初旬の暴落時のデジャブ―のように、再びちょっとした景気指標の悪化がきっかけて株価が急落し始めた。そしてまた6日に「運命の」雇用統計の発表がある。この結果が景気後退を示すようなものならまた大きく売り込まれる可能性が高いが、他方、既に1回経験しているため今回は再びそうなったとしても、もう少し冷静に反応するかもしれない。

ただ、程度はわずかだが景気後退を暗示する経済指標は8月の米ISM製造業購買担当者景況感指数だけでない。一つは原油相場の下落。世界的に経済が不活発になれば原油に対する需要は低下し、価格は下がる。9月4日現在、原油価格の国際指標であるWTIは70ドルを割り込んで来た。もう一つは8月のPMI指数(S&Pグローバルが算出)は米国以外のドイツ、フランス、オランダ、そして日本でも好景気と不景気の分水嶺である50を割り込んでいる。特に中国は4カ月連続で50を下回っている。つまり、このPMI指標で判断する景気悪化懸念は米国だけでなく世界的な現象である。だからこそ、海外需要に大きく依存する日本企業、つまり日本株の下落率が一番大きいと解釈できる。

日経平均の日足チャートを見ると、ほぼ横向きの25日移動平均線を割り込んだ。数日以内にまた浮上できるかどうかに注目している。今週金曜日に8月の米雇用統計が発表されるまで、日本株も不安定な動きを続けると見ている。

33業種中すべての業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、非鉄金属(2位)、証券(3位)、石油・石炭(4位)、銀行(5位)となった。

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