清水健治さんのブログ

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9月18日のFOMCでFRBは必ず利下げを行います。

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多くの友人は「それは不可能だ」と言っています。理由は、今回の利上げサイクルはまだ終わっておらず、FRBがこれほど早く引き下げることはないというものです。それも一理ありますね。なぜなら、今回の利上げサイクルでは、まだ主要な経済大国が倒れておらず、FRBに「刈り取られた」国はありません。

しかし、アメリカは今回、利下げをせざるを得ない状況にあります。というのも、彼らはもう耐えられなくなっているからです。何が起こっているのか、一緒に見てみましょう。この図は、アメリカの7月の財政収支バランスを示しています。

図を見ると、左側がアメリカ政府の財政収入、右側が財政支出です。左側の収入源は主に税収で、その流入は細く、少ない一方で、右側の支出は社会保障、軍事費、教育、インフラなど、多くの項目で構成されており、流出は太くて密度が高いです。全体として、アメリカの収支は完全に収支が合っていないことがわかります。

7月はアメリカ政府にとって災害的な月でした。税収は3300億ドルにとどまりましたが、支出は5730億ドルに達し、深刻な財政赤字が発生しました。もしこれが英国であれば、政府破産が宣言されていたことでしょう。

2000年には、アメリカ政府の月間支出はまだ1500億ドルほどでしたが、それが年々増加し、2020年に急増しました。わずか3年で支出は7000億ドルに達し、20年前の5倍に増加しました。この急増は、2020年に新型コロナウイルスのパンデミックが始まった後に、アメリカが金融緩和政策を進め、財政赤字が急増した結果です。ウォール街のアナリストは、現在の爆発的な財政支出と赤字の最も重要な原因は、アメリカの債務利息が増え続けていることだと指摘しています。

7月には、アメリカの債務利息は886億ドルに達しました。今年に入ってから、アメリカの国債の利息支出は合計で9560億ドルに達しており、2024年の年間予測では1.16兆ドルに達すると見られています。言い換えれば、利息支出だけでアメリカ政府の収入の1/4を占めています。

これらの天文学的な数字の背後には、アメリカ政府が直面している大きな問題があります。イエレンやパウエルは公の場で、これは現在アメリカが直面している最大の課題だと認めています。今回の利上げサイクルで、FRBは金利を1%から5.5%に引き上げましたが、その結果、アメリカ政府が新たに発行する債券の金利も上昇し、現在の平均債務利息は3.3%という高い水準に達しています。

では、FRBの利下げは世界経済の緩和のためなのか、それともアメリカ財務省の「時限爆弾」を解除するためなのか、今ならわかるはずです。

だから、私は利下げサイクルが間近に迫っていると考えています。9月18日のFOMCでの利下げの確率は100%であり、0.25%の利下げか、0.5%の利下げかを見守りましょう。

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3件のコメントがあります
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    清水健治さん
    2024/8/27 21:13

    パウエルFRB議長のジャクソンホール会議でのスピーチは予想通りでしたが、非常にハト派的でした️。FRBは米国株のリスク回避の流れを引き継ぐことを望んでいましたが、最近の円高の影響で阻まれました。現在の取引価格では、3万8000円台の潜在的な売り圧力を克服するには時間がかかるでしょう。しかし、一方で、長らく沈黙していた炭鉱のカナリアが目を覚ましたようです。

    彼は再び「株式市場では供給と需要の関係がすべての材料に優先する」と述べました。現在の成長市場の反発は、この黄金の理論を如実に体現しています。プライム市場の大型株が活況を呈している一方で、成長市場は長期間低迷していました。旧マザーズ指数を引き継いだグロース250指数は、2020年10月に1365の高値を付けましたが、その後は2021年以降、特に2022年には大きく崩れ、年半ばにはそれまでの上昇分をすべて吐き出しました。その後、1年以上も低値圏でのもみ合いが続きましたが、市場は全面的な信用買いの状態にはなりませんでした。

    成長市場の強い反発は、基本面の評価の劇的な変化によるものではありません。むしろ、業績評価はほとんど変わらないのに対し、株価だけが劇的に上昇しています。これが株式市場の難しいところです。株式市場は「経済の鏡」とよく言われますが、実際には投資家が市場と近距離で向き合うと、より人間の心理が絡むジャングルのような印象を受けます。主要市場の中で、成長市場は温室的な存在に見えるものの、実際にはこのジャングルの特性に該当します。

    現在の環境では、大部分の調整圧力を吸収した成長市場に投資資金が敏感に回流するのは合理的です。成長市場の回復はまだ6割程度の段階であり、時間軸上でも「特別な状態」にあると考えられます⌛。空売りを行っていたファンドは、信用買い残の急減により、株の借入が困難になり、撤退や買い戻しを余儀なくされています。

    総じて、成長株の上昇は短期的には資金が避ける場所としての側面があります。今後の発展を明確にするには、9月にFRBが利下げを始めるまで待つ必要があります⏳。それまでの間、あらゆる突発的な出来事が発生する可能性があるため、慎重な投資をお勧めします。一次市場の資金の流れに注目することで、株式市場の裏側を理解することができるでしょう️‍️。


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    とよさかさん
    2024/8/26 11:02
    初めまして
    清水さんの予想どおりのジャクソンホール・スピーチでしたね。
    これから注目したいのは
    ・逆イールドの解消
    ・暴落指数
    ・証拠金債務残高
    と考えています。
    早速、ラッセルや日本のグロースに資金が入っていますが
    その継続性はいかがだと考えますか?

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    清水健治さん
    2024/8/23 21:24
    今回が初めてのブログ執筆となります。皆さんのご意見をぜひお聞かせください。どうぞよろしくお願いいたします。