優利加さんのブログ

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上場投資信託(ETF)による分配金捻出のための売りを警戒

先週金曜日の米国株式相場は上昇した(DJIA +67.87 @39,375.87, NASDAQ +164.46 @18,352.76, S&P500 +30.17 @5,567.19)。ドル円為替レートは160円台後半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が493に対して、下落銘柄数は1,098となった。騰落レシオは104.51%。東証プライムの売買代金は3兆9025億円。

TOPIX -17 @2,868
日経平均 -132円 @40,781円

米国では、米6月雇用統計が弱かったため、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待が高まり(9月にも実施か)、米10年債利回りが低下した。その結果、株式相場は上げた。非農業部門雇用者数(NFP)は予想以上だった(20.6万人>予想20.0万人)が、前月分は大幅下方修正された。失業率は横ばい予想だったが悪化し(4.1%>予想4.0%)、平均賃金率も前月分から伸びが鈍って予想と一致した(前月比+0.3%、前年同月比3.9%)。つまり、労働市場の需給の引き締まりが緩和してきてコスト・プッシュ・インフレが収まってきている兆候である。

本日の東京市場では、短期的な過熱感(日経平均は2週間ほどで2,000円強上げていた)ため、利食い売り優勢となり日経平均は下げた。ザラバでは40,112円と取引時間中の最高値を更新する場面もあった。ただ、今週は上場投資信託(ETF)の運用会社が分配金捻出のため、8日と10日で合計1兆円数千億円の売りを出すと推定されているので、買いが引っ込んだと思われる。5月の勤労統計調査で高い賃金率が確認されたので日銀は追加利上げを含む金融政策の正常化をしやすくなったとの観測が強まり、株式相場の重しになった。

投資信託を経由した日本人の家計が円安・ドル高を進める力になっている。2024年1~6月の海外株式・ファンドの買い越し額は6.1兆円となった。同じ期間の日本の貿易赤字額(2011年の福島の原発事故から始まった)は約4兆円だったから、それを上回る円安・ドル高の力となった。今年1月から始まった新NISAを活用した積立投資が海外資産に向っている。これは短期投機筋とは違い、長期投資なので何年も反対売買は起こらないため、為替相場の方向を大きく左右する。足元の日本の物価上昇率は2%程度だが、大きなリスクを取らない限りそれを上回る運用商品が日本にはほとんどないため、より高いリターンを求めて投資資金は海外へ向かう。それが円安・ドル高を進行させる力となる。

日経平均の日足チャートを見ると、ザラバでは史上最高値を更新したものの、その後は売りに押されて上ひげを引いた短陰線で終えた。上値では利食い売りや戻り売り圧力が強いことを示した。

33業種中27業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、電気・ガス(2位)、鉄鋼(3位)、保険(4位)、銀行(5位)となった。

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