優利加さんのブログ

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予想物価上昇率(BEI)は1.5%!これが意味することは

先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +134.21 @40,000.39, NASDAQ -12.36 @16,685.97, S&P500 +6.17 @5,303.27)。 ドル円為替レートは155円台後半での動きだった。本日の日本株は上げる銘柄数が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,142となったのに対して、下落銘柄数は463となった。騰落レシオは99.28%。東証プライムの売買代金は4兆1510億円。

TOPIX +22  @2,768
日経平均 +282 円 @39,070円

米国では、ハイテク株の一角が下げてナスダックが小幅安となったが、ダウ工業株30種平均は初めて終値ベースで4万ドル台になった。発表された4月の米消費者物価指数(CPI)がインフレ再加速を示す内容ではなかったことで、米連邦準備制度理事会(FRB)が今年後半には利下げに踏み切るとの見通しが強くなったことが背景にある。

米国株、特に、ダウ工業株30種平均が史上初めて4万ドル台まで上昇した流れを受けて、本日の日本株全般も上げて始まり、日経平均は一時650円近く上昇した。ただ、今日のところは目立ったこれと言った買い材料がない中での先物主導の急上昇だった。強いて理由を探せば、米国株にくらべて出遅れていることくらいだ。また、日銀が金融政策の正常化を徐々に進めて行くとの思惑から国内長期金利が約11年ぶりの高水準(0.975%)を付けたため、後場になると利益確定売りが優勢となり、上げ幅を縮小した。まだまだ国内外の景気動向や企業業績見通し、金融政策の修正、地政学リスクなど株式相場をかく乱する要因が数多くあり、一本調子の戻り相場は期待しない方が賢明だろう。

5月20日に入札・落札された10年物物価連動債から計算される今度10年からの予想物価上昇率(=ブレーク・イーブン・インフレ率、BEI)は1.5%である。これが意味することは、市場参加者は今後10年間に渡り、日本では毎年1.5%のインフレが続くと予想しており、それを価格に織り込んでいるということである。もし、この読みが支配的になれば、日本はデフレから完全に脱却し「金利のある正常な世界」へ戻り、日本経済の前提が過去30年と大きく変わる。まず目先の目標はアベノミクス政権下での長期金利の最高水準である1.0%を超えるかどうかである。

デフレ下では現金・預金などの安全資産を保有することは正しい選択だったが、インフレ下では資産価値が目減りして行くため、株式などのリスク資産を保有する人との「格差が拡大」して行くことになる。どちらを選ぶかは全く個々人の自由であるが、自分が下した選択の結果はどうなろうとそれは自分の責任であり、他人に転嫁するようなことではない。人生の本質とは受精の手前から大小幾千万の選択とその結果の連鎖である。

日経平均の日足チャートを見ると、4月30日に10日移動平均線の上に再浮上してから10日移動平均線を滑り上がるように反発して来た。まだ下向きの25日移動平均線も上抜けして、本日はザラバでは上値抵抗線として機能して来た60日移動平均線を4月17日以来初めてその上に一瞬だけ抜けた。ただ、上ひげを引いて、終値ベースでは上げ幅を縮小した。

33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、石油・石炭(1位)、鉱業(2位)、非鉄金属(3位)、鉄鋼(4位)、電気・ガス(5位)となった。

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