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グローセル Research Memo(1):ルネサス製品中心の半導体・電子部品商社。自社の半導体ひずみセンサーに注力

配信元:フィスコ
投稿:2023/12/20 12:01
*12:01JST グローセル Research Memo(1):ルネサス製品中心の半導体・電子部品商社。自社の半導体ひずみセンサーに注力 ■要約

グローセル<9995>は半導体を中心とした技術系電子部品商社で、旧(株)ルネサスイーストンから2019年7月1日付で商号変更した。ルネサスエレクトロニクス<6723>(以下、ルネサス)の有力特約店という立場にあり、取扱商品はルネサス製半導体が中心となっているが、国内外において新規商材の発掘にも余念がない。注目すべきは、2018年4月から販売開始した半導体ひずみセンサー(製品名「STREAL(ストリアル)」)のビジネス。高性能な製品の自社開発・展開に多くの企業から注目が集まっている。利益率が高いことに加え、工業用途だけでなく社会インフラや文化的な目的(伝統的技能の継承等)にも使える可能性が広がっており、今後の同社の業績を様変わりさせる可能性が高まっている。

1. 2024年3月期第2四半期連結業績(実績)
2024年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が35,706百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益が626百万円(同38.5%減)、経常利益が885百万円(同25.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が793百万円(同14.4%減)となった。売上高は、主力の自動車分野やOA分野は堅調に推移したが、注力している「STREAL」を含めて産業用が大きく落ち込んだことから、全体では前年同期比6.4%増に留まった。売上総利益率は、高利益率の「STREAL」が減収となったことなどから前年同期比で1.4ポイント低下した。その結果、売上総利益は3,589百万円(同6.7%減)となり、販管費は同4.8%増となったことから営業利益は大幅減となった。営業外収益で為替差益が同161百万円増となったこと、特別利益として投資有価証券売却益137百万円を計上したことなどから、経常利益及び四半期純利益の減益幅は営業利益よりは小幅となった。注力商品である「STREAL」が減収となったのは、客先での製品販売の低迷によるものである。

2. 2024年3月期の連結業績予想
2024年3月期については、売上高70,000百万円(前期比2.5%増)、営業利益790百万円(同37.3%減)、経常利益1,060百万円(同1.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益910百万円(同4.3%増)と予想しており、売上高と営業利益は期初予想(売上高71,000百万円、営業利益1,000百万円)から下方修正されたが、経常利益と当期純利益は為替差益、特別利益により期初予想からは上方修正された。分野別売上高では、自動車分野とOA分野は堅調に推移する見込みだが、その他の分野は減収を予想している。海外拠点売上高はアジアを中心に前期比4.5%増の予想である。損益面では、粗利率は同0.4ポイント低下する見込みで、さらに販管費が増加することから営業利益は大幅な減益が予想される。注目の「STREAL」は、引き続き主要顧客の販売が低迷する見込みであることから、売上高1,400百万円(前期比44.0%減)を見込んでいる。

3. 中期経営計画を遂行中:2025年3月期の目標値の目標値は見直し中だが、重点施策は引き続き推進中
同社は、中期経営計画「プロジェクト“S”」(2023年3月期~2025年3月期)を推進している。数値目標として2025年3月期に売上高800億円、営業利益19.0億円(営業利益率2.4%)、ROE5.6%を目指していたが、足元の状況が変わってきていることから、この数値目標は現在見直し中で、近い将来新しい目標が発表されるようだ。ただし、各種の定性的な重点施策については特に変更はなく、計画どおり推進中である。

■Key Points
・自動車分野及び産業分野を主力とする半導体・電子部品商社。ADAS関連にも展開
・2024年3月期は注力製品「STREAL」の低迷で37.3%の営業減益予想
・中期経営計画(2025年3月期最終年度)の数値目標は見直し中だが、重点施策は推進中

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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配信元: フィスコ
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