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グローセルのニュース
■要約
グローセル<9995>は半導体を中心とした技術系電子部品商社で、旧(株)ルネサスイーストンから2019年7月1日付で商号変更した。ルネサスエレクトロニクス<6723>(以下、ルネサス)の有力特約店という立場にあり、取扱商品はルネサス製半導体が中心となっているが、国内外において新規商材の発掘にも余念がない。注目すべきは、2018年4月から販売開始した半導体ひずみセンサー(製品名「STREAL(ストリアル)」)のビジネス。高性能な製品の自社開発・展開に多くの企業から注目が集まっている。利益率が高いことに加え、工業用途だけでなく社会インフラや文化的な目的(伝統的技能の継承等)にも使える可能性が広がっており、今後の同社の業績を様変わりさせる可能性が高まっている。
1. 2023年3月期第2四半期連結業績(実績)
2023年3月期第2四半の連結業績は、売上高が33,554百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益1,018百万円(同227.7%増)、経常利益が1,179百万円(同225.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が926百万円(前年同期は1,111百万円の損失)となった。前期から続いた主要仕入先であるルネサスの商流移管の影響が残ったものの、主力の自動車分野やOA分野が堅調に推移して増収を確保した。売上総利益率の改善(前年同期比0.8ポイント上昇)に加えて販管費が減少したことから営業利益は大幅増となった。注力商品である「STREAL」の売上高は、1,280百万円(同13.3%増)となり、開発の遅れにより伸び率は鈍化したが、順調に拡大している。
2. 2023年3月期の連結業績:商流移管の影響で減収だが36.4%の営業増益予想
進行中の2023年3月期については、売上高66,000百万円(前期比1.9%減)、営業利益1,300百万円(同36.4%増)、経常利益1,400百万円(同16.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,170百万円(前期は362百万円の損失)が予想されている。上半期の好決算を受けて期初予想(売上高65,000百万円、営業利益755百万円)から上方修正されたが、この予想では下半期の営業利益は300百万円ほどに止まる。かなり控え目な予想であり、よほど自動車生産が落ち込まない限り再び上方修正の可能性はあると弊社では見ている。注目の「STREAL」は、一部顧客向けが遅延しているものの約2,800百万円(前期比7.7%増)を見込んでいる。
3. 中期経営計画を遂行中:2025年3月期に売上高800億円、営業利益19.0億円を目指す
同社は、中期経営計画「プロジェクト“S”」(2023年3月期~2025年3月期)を推進している。数値目標として2025年3月期に売上高800億円、営業利益19.0億円(営業利益率2.4%)、ROE5.6%を目指している。ただし、この計画の中間値として2024年3月期に営業利益9.4億円、同利益率1.4%、ROE3.3%を掲げていたが、この中間目標は2023年3月期に前倒しで達成される可能性が高い。したがって、最終年度の目標値も今後見直されるものと弊社では見ている。
■Key Points
・自動車分野及び産業分野を主力とする半導体・電子部品商社。ADASやIoT関連にも展開
・2023年3月期は36.4%の営業増益予想だが、さらに上振れの可能性が高い
・中期経営計画の目標値(2025年3月期営業利益19.0億円)は前倒し達成の可能性にも期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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グローセル<9995>は半導体を中心とした技術系電子部品商社で、旧(株)ルネサスイーストンから2019年7月1日付で商号変更した。ルネサスエレクトロニクス<6723>(以下、ルネサス)の有力特約店という立場にあり、取扱商品はルネサス製半導体が中心となっているが、国内外において新規商材の発掘にも余念がない。注目すべきは、2018年4月から販売開始した半導体ひずみセンサー(製品名「STREAL(ストリアル)」)のビジネス。高性能な製品の自社開発・展開に多くの企業から注目が集まっている。利益率が高いことに加え、工業用途だけでなく社会インフラや文化的な目的(伝統的技能の継承等)にも使える可能性が広がっており、今後の同社の業績を様変わりさせる可能性が高まっている。
1. 2023年3月期第2四半期連結業績(実績)
2023年3月期第2四半の連結業績は、売上高が33,554百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益1,018百万円(同227.7%増)、経常利益が1,179百万円(同225.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が926百万円(前年同期は1,111百万円の損失)となった。前期から続いた主要仕入先であるルネサスの商流移管の影響が残ったものの、主力の自動車分野やOA分野が堅調に推移して増収を確保した。売上総利益率の改善(前年同期比0.8ポイント上昇)に加えて販管費が減少したことから営業利益は大幅増となった。注力商品である「STREAL」の売上高は、1,280百万円(同13.3%増)となり、開発の遅れにより伸び率は鈍化したが、順調に拡大している。
2. 2023年3月期の連結業績:商流移管の影響で減収だが36.4%の営業増益予想
進行中の2023年3月期については、売上高66,000百万円(前期比1.9%減)、営業利益1,300百万円(同36.4%増)、経常利益1,400百万円(同16.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,170百万円(前期は362百万円の損失)が予想されている。上半期の好決算を受けて期初予想(売上高65,000百万円、営業利益755百万円)から上方修正されたが、この予想では下半期の営業利益は300百万円ほどに止まる。かなり控え目な予想であり、よほど自動車生産が落ち込まない限り再び上方修正の可能性はあると弊社では見ている。注目の「STREAL」は、一部顧客向けが遅延しているものの約2,800百万円(前期比7.7%増)を見込んでいる。
3. 中期経営計画を遂行中:2025年3月期に売上高800億円、営業利益19.0億円を目指す
同社は、中期経営計画「プロジェクト“S”」(2023年3月期~2025年3月期)を推進している。数値目標として2025年3月期に売上高800億円、営業利益19.0億円(営業利益率2.4%)、ROE5.6%を目指している。ただし、この計画の中間値として2024年3月期に営業利益9.4億円、同利益率1.4%、ROE3.3%を掲げていたが、この中間目標は2023年3月期に前倒しで達成される可能性が高い。したがって、最終年度の目標値も今後見直されるものと弊社では見ている。
■Key Points
・自動車分野及び産業分野を主力とする半導体・電子部品商社。ADASやIoT関連にも展開
・2023年3月期は36.4%の営業増益予想だが、さらに上振れの可能性が高い
・中期経営計画の目標値(2025年3月期営業利益19.0億円)は前倒し達成の可能性にも期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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