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グローセルのニュース
■要約
グローセル<9995>は半導体を中心とした技術系電子部品商社で、旧株式会社ルネサスイーストンから2019年7月1日付で商号変更した。ルネサスエレクトロニクス<6723>(以下、ルネサス)の有力特約店という立場にあり、取扱商品はルネサス製半導体が中心となっているが、国内外において新規商材の発掘にも余念がない。注目すべきは、2018年4月から開始した半導体ひずみセンサー(製品名「STREAL(ストリアル)」)ビジネス。前例のない高性能な製品の自社開発・展開に多くの企業から注目が集まっている。
1. 2020年3月期連結業績(実績)
2020年3月期の連結業績は、売上高が68,664百万円(前期比12.3%減)、営業損失61百万円(前期は820百万円の利益)、経常利益が5百万円(同99.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は65百万円(90.7%減)となった。米中貿易戦争、中国経済の減速等の影響を大きく受け産業分野での需要が減少、自動車分野でも同社の取扱商品を搭載した車種の売上げが低迷したこともあり、全体として減収となった。ただし、製品の構成比率などは変わっておらず、市場全体の低迷の影響を受けたのが主要因。利益面では、比較的利益率の高い製品の売上構成比が下がったことなどから売上総利益率が低下したことに加えて、社名変更に伴う一時的な費用等が増加したことも重なり営業損失となった。ただし、これらの一過性あるいは当期特有の費用増を除けば営業黒字となっていたと言えるだろう。第4四半期には新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響を受けた。
2. 2021年3月期の連結業績:予想は未定、目標値を開示
進行中の2021年3月期については、コロナの影響で正式な予想は発表されていない。ただし会社は、目標値として売上高72,000百万円(前期比4.9%増)、営業利益100百万円(同161百万円増)、経常利益181百万円(同176百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益163百万円(同98百万円増)を掲げている。米中間の対立の激化、コロナの影響など先行きの不透明要因は多いが、中期経営計画に沿った施策を粛々と実行すること、自社開発品として期待される「STREAL」の拡販に注力することなどで、少なくともこの目標を達成する計画だ。
3. 自動車の電子化、各種自動化は追い風、自社開発品の拡大で成長を目指す
同社は単なる商社機能だけでなく、多くのエンジニアを要し、提案力・開発力を生かして企業付加価値を高めている。足元の業績はコロナの影響もあり低迷しているが、中長期的には主要向け先である自動車の自動化、電動化の進化、さらには製造現場や建設現場のIoT化の恩恵を受ける可能性は高い。加えて自社開発品の拡販にも注力しており、特に比類のない性能を有している半導体ひずみセンサー「STREAL」の成長性は高く、中長期の展望として来期以降はこれら自社開発品の寄与もあり、再び成長路線に戻る可能性は高い。
■Key Points
・自動車及び産業分野向けを主力とする半導体商社。ADASやIoT関連にも展開
・2020年3月期は市場の影響で減益。2021年3月期の予想は未定だが年間配当12円は維持
・中期経営計画の詳細は見直しだが、2023年3月期に売上高800億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>
グローセル<9995>は半導体を中心とした技術系電子部品商社で、旧株式会社ルネサスイーストンから2019年7月1日付で商号変更した。ルネサスエレクトロニクス<6723>(以下、ルネサス)の有力特約店という立場にあり、取扱商品はルネサス製半導体が中心となっているが、国内外において新規商材の発掘にも余念がない。注目すべきは、2018年4月から開始した半導体ひずみセンサー(製品名「STREAL(ストリアル)」)ビジネス。前例のない高性能な製品の自社開発・展開に多くの企業から注目が集まっている。
1. 2020年3月期連結業績(実績)
2020年3月期の連結業績は、売上高が68,664百万円(前期比12.3%減)、営業損失61百万円(前期は820百万円の利益)、経常利益が5百万円(同99.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は65百万円(90.7%減)となった。米中貿易戦争、中国経済の減速等の影響を大きく受け産業分野での需要が減少、自動車分野でも同社の取扱商品を搭載した車種の売上げが低迷したこともあり、全体として減収となった。ただし、製品の構成比率などは変わっておらず、市場全体の低迷の影響を受けたのが主要因。利益面では、比較的利益率の高い製品の売上構成比が下がったことなどから売上総利益率が低下したことに加えて、社名変更に伴う一時的な費用等が増加したことも重なり営業損失となった。ただし、これらの一過性あるいは当期特有の費用増を除けば営業黒字となっていたと言えるだろう。第4四半期には新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の影響を受けた。
2. 2021年3月期の連結業績:予想は未定、目標値を開示
進行中の2021年3月期については、コロナの影響で正式な予想は発表されていない。ただし会社は、目標値として売上高72,000百万円(前期比4.9%増)、営業利益100百万円(同161百万円増)、経常利益181百万円(同176百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益163百万円(同98百万円増)を掲げている。米中間の対立の激化、コロナの影響など先行きの不透明要因は多いが、中期経営計画に沿った施策を粛々と実行すること、自社開発品として期待される「STREAL」の拡販に注力することなどで、少なくともこの目標を達成する計画だ。
3. 自動車の電子化、各種自動化は追い風、自社開発品の拡大で成長を目指す
同社は単なる商社機能だけでなく、多くのエンジニアを要し、提案力・開発力を生かして企業付加価値を高めている。足元の業績はコロナの影響もあり低迷しているが、中長期的には主要向け先である自動車の自動化、電動化の進化、さらには製造現場や建設現場のIoT化の恩恵を受ける可能性は高い。加えて自社開発品の拡販にも注力しており、特に比類のない性能を有している半導体ひずみセンサー「STREAL」の成長性は高く、中長期の展望として来期以降はこれら自社開発品の寄与もあり、再び成長路線に戻る可能性は高い。
■Key Points
・自動車及び産業分野向けを主力とする半導体商社。ADASやIoT関連にも展開
・2020年3月期は市場の影響で減益。2021年3月期の予想は未定だが年間配当12円は維持
・中期経営計画の詳細は見直しだが、2023年3月期に売上高800億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<NB>
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