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ミスミグループ本社のニュース
*16:31JST MRO Research Memo(1):2023年12月期第2四半期は前年同期比で2ケタ増収増益
■要約
MonotaRO<3064>は、兵庫県尼崎市に本社を置く、間接資材のインターネット通販会社である。間接資材は、製造工程で使用される研磨剤やドリル、軍手など品目が多種にわたり、業種により個別性が高い。間接資材市場は5~10兆円規模であり、訪問工具商・金物屋・自動車部品商などが主な販売チャネルとなっており、インターネット通販チャネルの成長性は高い。同業他社には、アスクル<2678>、ミスミグループ本社<9962>、アマゾンジャパン(同)などがある。
同社のビジネスモデルの特徴は、同一の価格で間接資材を販売するという点である。不透明な価格での購入を強いられがちであった中小企業を中心に支持を受け、ニッチ市場における専門通販業者として確固たる地位を確立した。顧客業種は多岐にわたり、製造業、建設業、工事業、自動車関連で6割を超える。近年は購買管理システム事業(大企業連携)も急成長している。2023年6月末現在で8,578千口座の顧客に対して2,000万点を超えるアイテムを取り扱い、51.9万点を在庫する。ロングテールの圧倒的な品ぞろえ、コストパフォーマンスに優れるPB商品(約33万点)、サイトでの商品推薦や短いリードタイムなどにより、同社の間接資材プラットフォームは差別化されている。2ケタ以上の高い成長性の継続に加え、ROE28.4%(2022年12月期)、自己資本比率65.9%(2023年6月末)と、収益性・安全性ともに際立つ業績となっている。
1. 2023年12月期第2四半期の単体業績
2023年12月期第2四半期単体業績は、売上高は前年同期比13.0%増の119,347百万円、営業利益は同17.6%増の15,923百万円、四半期純利益は同18.0%増の11,205百万円で、安定した増収及び増益を達成した。期初計画比では売上高で計画未達(計画比3.2%未達)となったものの、営業利益及び四半期純利益では計画を上回った。主力の事業者向けネット通販事業及び購買管理システム事業(大企業連携)は、計画から若干下振れて推移した。この要因としては、既存顧客の注文者数の未達が挙げられる。顧客数は前期末比571千口座増と堅調に増加した。営業利益において計画を上回ったのは売上総利益率が計画を上回ったことと、販管費額が計画比で抑えられたことが主因である。営業利益率は前年同期比0.5ポイント増加、計画比でも0.8ポイント上回る13.3%と、順調な進捗となった。
2. 2023年12月期の連結業績見通し
2023年12月期通期の連結業績は、売上高は前期比17.4%増の265,195百万円、営業利益は同22.2%増の32,030百万円、経常利益は同21.2%増の31,986百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同22.1%増の22,789百万円と、売上高及び各利益の2ケタ成長を予想する(期初予想どおり)。ネット通販事業の新規登録口座数に関しては、118万口座(前期は122万口座)と前期並みの獲得を見込む。既存顧客に関しては、売上合計の伸び率はやや落ちる見込みではあるものの、広告宣伝や物流などの各側面で取り組みを強化する。特に、パーソナライズしたチラシが中期的に低頻度利用客(休眠客含む)の掘り起こしや注文頻度増、注文商品種類数増に効果が見込めるため、期中に予算を追加して対策を強化している。購買管理システム事業(大企業連携)に関しても、引き続き高成長を見込む。ロイヤリティ事業は、欧米Zoro事業が2023年12月期の期初には増収増益の見込みであったが、米国でのマクロ環境の影響により、上期は想定よりも伸び悩んだ。営業利益においては、営業利益率12.1%(前期比0.5ポイント増)、営業利益額で前期比22.2%増を予想する。
2023年12月期第2四半期を終えて、業績の変動要因が顕在化した。マイナス要因としては製造業の景況感悪化や販売価格上昇による注文顧客数や1注文当たりの数量の伸び鈍化が懸念される。プラス要因としては、輸入コスト(コンテナ運賃等)の上昇緩和や1箱当たり注文単価上昇による配送料の売上比率の改善などが挙げられる。第2四半期を終えて、通期の計画に対する進捗率は売上高で46.9%(前年同期は48.6%)、営業利益で48.0%(前年同期は50.1%)である。弊社では、売上高に関しては、上期同様に外部環境の影響が大きいため若干弱含み、各利益に関しては、価格改定効果や配送料率低下などが持続することを想定し、通期計画に肉薄すると予想している。
■Key Points
・2023年12月期第2四半期は、前年同期比で2ケタ増収増益。注文顧客数の伸びが想定を下回ったことなどから売上計画にはわずかに未達
・2023年12月期は営業利益で前期比22%増の320億円(期初予想どおり)。売上計画達成弱含みも価格改定効果や配送効率向上で利益計画に肉薄すると予想
・パーソナライズチラシ配布により低頻度利用客の再利用を中期的目線で促進
・10年以上にわたり増配を続ける。2023年12月期は16.0円(前期比2.5円増)、配当性向34.8%を予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<AS>
MonotaRO<3064>は、兵庫県尼崎市に本社を置く、間接資材のインターネット通販会社である。間接資材は、製造工程で使用される研磨剤やドリル、軍手など品目が多種にわたり、業種により個別性が高い。間接資材市場は5~10兆円規模であり、訪問工具商・金物屋・自動車部品商などが主な販売チャネルとなっており、インターネット通販チャネルの成長性は高い。同業他社には、アスクル<2678>、ミスミグループ本社<9962>、アマゾンジャパン(同)などがある。
同社のビジネスモデルの特徴は、同一の価格で間接資材を販売するという点である。不透明な価格での購入を強いられがちであった中小企業を中心に支持を受け、ニッチ市場における専門通販業者として確固たる地位を確立した。顧客業種は多岐にわたり、製造業、建設業、工事業、自動車関連で6割を超える。近年は購買管理システム事業(大企業連携)も急成長している。2023年6月末現在で8,578千口座の顧客に対して2,000万点を超えるアイテムを取り扱い、51.9万点を在庫する。ロングテールの圧倒的な品ぞろえ、コストパフォーマンスに優れるPB商品(約33万点)、サイトでの商品推薦や短いリードタイムなどにより、同社の間接資材プラットフォームは差別化されている。2ケタ以上の高い成長性の継続に加え、ROE28.4%(2022年12月期)、自己資本比率65.9%(2023年6月末)と、収益性・安全性ともに際立つ業績となっている。
1. 2023年12月期第2四半期の単体業績
2023年12月期第2四半期単体業績は、売上高は前年同期比13.0%増の119,347百万円、営業利益は同17.6%増の15,923百万円、四半期純利益は同18.0%増の11,205百万円で、安定した増収及び増益を達成した。期初計画比では売上高で計画未達(計画比3.2%未達)となったものの、営業利益及び四半期純利益では計画を上回った。主力の事業者向けネット通販事業及び購買管理システム事業(大企業連携)は、計画から若干下振れて推移した。この要因としては、既存顧客の注文者数の未達が挙げられる。顧客数は前期末比571千口座増と堅調に増加した。営業利益において計画を上回ったのは売上総利益率が計画を上回ったことと、販管費額が計画比で抑えられたことが主因である。営業利益率は前年同期比0.5ポイント増加、計画比でも0.8ポイント上回る13.3%と、順調な進捗となった。
2. 2023年12月期の連結業績見通し
2023年12月期通期の連結業績は、売上高は前期比17.4%増の265,195百万円、営業利益は同22.2%増の32,030百万円、経常利益は同21.2%増の31,986百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同22.1%増の22,789百万円と、売上高及び各利益の2ケタ成長を予想する(期初予想どおり)。ネット通販事業の新規登録口座数に関しては、118万口座(前期は122万口座)と前期並みの獲得を見込む。既存顧客に関しては、売上合計の伸び率はやや落ちる見込みではあるものの、広告宣伝や物流などの各側面で取り組みを強化する。特に、パーソナライズしたチラシが中期的に低頻度利用客(休眠客含む)の掘り起こしや注文頻度増、注文商品種類数増に効果が見込めるため、期中に予算を追加して対策を強化している。購買管理システム事業(大企業連携)に関しても、引き続き高成長を見込む。ロイヤリティ事業は、欧米Zoro事業が2023年12月期の期初には増収増益の見込みであったが、米国でのマクロ環境の影響により、上期は想定よりも伸び悩んだ。営業利益においては、営業利益率12.1%(前期比0.5ポイント増)、営業利益額で前期比22.2%増を予想する。
2023年12月期第2四半期を終えて、業績の変動要因が顕在化した。マイナス要因としては製造業の景況感悪化や販売価格上昇による注文顧客数や1注文当たりの数量の伸び鈍化が懸念される。プラス要因としては、輸入コスト(コンテナ運賃等)の上昇緩和や1箱当たり注文単価上昇による配送料の売上比率の改善などが挙げられる。第2四半期を終えて、通期の計画に対する進捗率は売上高で46.9%(前年同期は48.6%)、営業利益で48.0%(前年同期は50.1%)である。弊社では、売上高に関しては、上期同様に外部環境の影響が大きいため若干弱含み、各利益に関しては、価格改定効果や配送料率低下などが持続することを想定し、通期計画に肉薄すると予想している。
■Key Points
・2023年12月期第2四半期は、前年同期比で2ケタ増収増益。注文顧客数の伸びが想定を下回ったことなどから売上計画にはわずかに未達
・2023年12月期は営業利益で前期比22%増の320億円(期初予想どおり)。売上計画達成弱含みも価格改定効果や配送効率向上で利益計画に肉薄すると予想
・パーソナライズチラシ配布により低頻度利用客の再利用を中期的目線で促進
・10年以上にわたり増配を続ける。2023年12月期は16.0円(前期比2.5円増)、配当性向34.8%を予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<AS>
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