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ヤマダホールディングスのニュース
*15:31JST ナック Research Memo(1):住まいと生活に関わる分野における多角化経営で成長
■要約
ナック<9788>は、「暮らしのお役立ち」を基本戦略として、ダスキンのフランチャイズ加盟店を主力とした「レンタル事業」のほか、宅配水「クリクラ」や浄水型ウォーターサーバー「feel free」、次亜塩素酸水溶液「ZiACO(ジアコ)」の製造販売をする「クリクラ事業」を柱に、「建築コンサルティング事業」、「住宅事業」、「美容・健康事業」など、住まいと暮らしに関わる分野における多角化経営によって、発展してきた企業である。ストックビジネスで収益基盤を築いたうえで、他の事業への投資を積極的に行っているほか、新たな成長エンジンの構築かつ多角化によって、リスク分散も行っている。
1. 2024年3月期第2四半期の業績概要
2024年3月期第2四半期の業績は、売上高25,828百万円(前年同期比1.0%減)、営業利益609百万円(同10.4%増)、経常利益689百万円(同21.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益280百万円(同10.3%増)となった。2023年5月発表の第2四半期の業績予想から、売上高を2,200百万円減少の25,800百万円、営業利益を450百万減少の600百万円、経常利益を370百万円減少の680百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益を420百万円減少の280百万円に同年11月に下方修正しており、これに沿った進捗となった。主力のクリクラ事業は、猛暑による水の需要増、前期に実施したクリクラボトルの値上げにより前年同期比4.6%の増収と売上高を牽引し、レンタル事業、美容・健康事業も堅調に推移し微増収となった。一方、建築コンサルティング事業は、審査申込から審査通過・振込まで時間を要するIT導入補助金対象商品の販売割合が増加したため、同10.9%の減収となり、住宅事業も建築部資材の高騰など事業環境の悪化により同11.4%の減収となった。損益面では、クリクラ事業の増収により売上総利益率が51.0%と前年同期比で0.8ポイント上回り、売上総利益は同70百万円増益となった。さらに美容・健康事業において広告宣伝費、販促費などを抑制したことで営業利益率が同0.2ポイント上回り、営業利益は同57百万円増益となった。そして、営業外収益で投資事業組合運用益81百万円(前年同期は9百万円)を計上したため、経常利益は同123百万円増益で着地した。
2. 2024年3月期の見通し
2024年3月期の業績は、売上高60,000百万円(前期比5.1%増)、営業利益3,500百万円(同8.3%増)、経常利益3,500百万円(同7.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,200百万円(同9.9%増)と期首計画を据え置いている。売上高については、レンタル事業において厚生労働省関連の感染症対策受託事業などが収束するため前期比11.9%減を見込むが、クリクラ事業は同1.8%増、建築コンサルティング事業は同33.3%増、住宅事業は同14.2%増、美容・健康事業は同17.2%増を見込み、事業全体では同5.1%増を計画している。営業利益は、中期経営計画最終年度を見据えクリクラ事業とレンタル事業で積極的な投資を行うためそれぞれ減少を予想しており、クリクラ事業が同16.6%減、レンタル事業が同22.0%減を見込むが、建築コンサルティング事業が同59.4%増、住宅事業が同431百万円増で黒字転換を、美容・健康事業は同68.1%増を見込み、事業全体では同8.3%増を計画している。通期計画に対する第2四半期までの進捗率は、売上高、営業利益ともに建築コンサルティング事業、住宅事業並びに美容・健康事業に遅れが出ているが、3事業とも第3四半期以降に売上高と利益が偏重する傾向があるため、同社では計画修正は想定していない。
3. 中期経営計画
2021年3月期から2025年3月期にわたる5ヶ年の中期経営計画を推進している。最終年度の目標は売上高75,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げている。損失計上が続き収益圧迫要因となっていた100%子会社の(株)レオハウスを2021年3月期にヤマダ電機(現 ヤマダホールディングス<9831>)へ譲渡したことにより、収益を圧迫していた住宅事業を再建し、グループ全体として利益を生み出す筋肉質な組織構造となった。これまでは事業ごとに縦割り傾向があったものの、今後は約90万人の顧客基盤を活かし、グループシナジーを生む「横串」を通すようなビジネスを展開する方針である。
■Key Points
・クリクラ事業、ダスキン事業は、ストックビジネスとして安定的な収益を計上
・株式会社ダスキンと事業拡大・成長のための共同プロジェクトを新たに発足
・住宅事業改革でグループ全体として利益を生み出す筋肉質な組織構造へ
・全国約90万人の顧客基盤を活かし2025年3月期売上高750億円を目指す
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<SO>
ナック<9788>は、「暮らしのお役立ち」を基本戦略として、ダスキンのフランチャイズ加盟店を主力とした「レンタル事業」のほか、宅配水「クリクラ」や浄水型ウォーターサーバー「feel free」、次亜塩素酸水溶液「ZiACO(ジアコ)」の製造販売をする「クリクラ事業」を柱に、「建築コンサルティング事業」、「住宅事業」、「美容・健康事業」など、住まいと暮らしに関わる分野における多角化経営によって、発展してきた企業である。ストックビジネスで収益基盤を築いたうえで、他の事業への投資を積極的に行っているほか、新たな成長エンジンの構築かつ多角化によって、リスク分散も行っている。
1. 2024年3月期第2四半期の業績概要
2024年3月期第2四半期の業績は、売上高25,828百万円(前年同期比1.0%減)、営業利益609百万円(同10.4%増)、経常利益689百万円(同21.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益280百万円(同10.3%増)となった。2023年5月発表の第2四半期の業績予想から、売上高を2,200百万円減少の25,800百万円、営業利益を450百万減少の600百万円、経常利益を370百万円減少の680百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益を420百万円減少の280百万円に同年11月に下方修正しており、これに沿った進捗となった。主力のクリクラ事業は、猛暑による水の需要増、前期に実施したクリクラボトルの値上げにより前年同期比4.6%の増収と売上高を牽引し、レンタル事業、美容・健康事業も堅調に推移し微増収となった。一方、建築コンサルティング事業は、審査申込から審査通過・振込まで時間を要するIT導入補助金対象商品の販売割合が増加したため、同10.9%の減収となり、住宅事業も建築部資材の高騰など事業環境の悪化により同11.4%の減収となった。損益面では、クリクラ事業の増収により売上総利益率が51.0%と前年同期比で0.8ポイント上回り、売上総利益は同70百万円増益となった。さらに美容・健康事業において広告宣伝費、販促費などを抑制したことで営業利益率が同0.2ポイント上回り、営業利益は同57百万円増益となった。そして、営業外収益で投資事業組合運用益81百万円(前年同期は9百万円)を計上したため、経常利益は同123百万円増益で着地した。
2. 2024年3月期の見通し
2024年3月期の業績は、売上高60,000百万円(前期比5.1%増)、営業利益3,500百万円(同8.3%増)、経常利益3,500百万円(同7.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,200百万円(同9.9%増)と期首計画を据え置いている。売上高については、レンタル事業において厚生労働省関連の感染症対策受託事業などが収束するため前期比11.9%減を見込むが、クリクラ事業は同1.8%増、建築コンサルティング事業は同33.3%増、住宅事業は同14.2%増、美容・健康事業は同17.2%増を見込み、事業全体では同5.1%増を計画している。営業利益は、中期経営計画最終年度を見据えクリクラ事業とレンタル事業で積極的な投資を行うためそれぞれ減少を予想しており、クリクラ事業が同16.6%減、レンタル事業が同22.0%減を見込むが、建築コンサルティング事業が同59.4%増、住宅事業が同431百万円増で黒字転換を、美容・健康事業は同68.1%増を見込み、事業全体では同8.3%増を計画している。通期計画に対する第2四半期までの進捗率は、売上高、営業利益ともに建築コンサルティング事業、住宅事業並びに美容・健康事業に遅れが出ているが、3事業とも第3四半期以降に売上高と利益が偏重する傾向があるため、同社では計画修正は想定していない。
3. 中期経営計画
2021年3月期から2025年3月期にわたる5ヶ年の中期経営計画を推進している。最終年度の目標は売上高75,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げている。損失計上が続き収益圧迫要因となっていた100%子会社の(株)レオハウスを2021年3月期にヤマダ電機(現 ヤマダホールディングス<9831>)へ譲渡したことにより、収益を圧迫していた住宅事業を再建し、グループ全体として利益を生み出す筋肉質な組織構造となった。これまでは事業ごとに縦割り傾向があったものの、今後は約90万人の顧客基盤を活かし、グループシナジーを生む「横串」を通すようなビジネスを展開する方針である。
■Key Points
・クリクラ事業、ダスキン事業は、ストックビジネスとして安定的な収益を計上
・株式会社ダスキンと事業拡大・成長のための共同プロジェクトを新たに発足
・住宅事業改革でグループ全体として利益を生み出す筋肉質な組織構造へ
・全国約90万人の顧客基盤を活かし2025年3月期売上高750億円を目指す
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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