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ステップのニュース
*14:06JST ステップ Research Memo(6):2023年9月期は新たな経営方針による先行投資により業績計画を修正
■今後の見通し
1. 2023年9月期の業績見通し
ステップ<9795>は2023年5月17日付で2023年9月期の業績見通しを修正発表した。売上高は前期比6.5%増の14,534百万円と期初計画から若干増額したが、営業利益は同14.5%減の3,127百万円、経常利益は同15.1%減の3,164百万円、当期純利益は同9.2%減の2,326百万円とそれぞれ減額修正した。
売上高は第2四半期までの実績と直近の生徒数の状況を反映した。利益面では、広告宣伝費が当初計画から50百万円ほど減額となるものの、教師給与の引き上げや増員を図ることで約6億円、教育環境において自習室の拡大充実や、プロジェクターによる映像を活用した授業を充実させるための最新機器の大量導入、コロナ禍のなかで定着したオンライン授業の設備面での強化を実施することで約2億円の追加費用を計上するなど合計で約7.5億円の費用増が減額要因となる。
(1) 生徒数の動向
生徒数は2023年4月末で前年同期比2.9%増と堅調に推移している。下期の売上計画が同2.9%増となっており、今のペースが続けば計画を達成できる見込みだ。このうち小学生部門は同6.2%増と順調に増加している。中学生部門の満席が増えているスクールにおいて、小学生の段階から早期入会する傾向が続いている。一方、中学生部門は2年生の募集が停滞している影響で同1.2%増と微増に留まった。明確な理由は不明だが、コロナ禍が収束に向かいつつあり、部活動や学校行事が再開されるなかで、環境変化に適応できず休会や退会する生徒が多かったことが影響したと考えられる。また、県西部の人口減少エリアでは入会のタイミングが先送りされる傾向になってきていることも一因と見られる。これら校舎の生徒数は中学3年生を頂点としたピラミッド型になっており、少子化の進行もあって3年生から入会しても遅くはないと考える家庭もあるようだ。一方で、横浜市や川崎市、藤沢市の校舎では中学2年生も増加しているため、今後も地域別で違った傾向となる可能性が高いと弊社では見ている。
高校生部門の生徒数は2023年4月末で前年同期比5.9%増と校舎数が変わらないなかでも順調に増加している。学年別で見れば1年生が同3.0%増、2年生が同13.9%増、3年生が同1.7%増となった。1年生については15校舎中11校舎で満席となっており、こうした校舎ではキャンセル待ちの状況のため、設備面から上限に近くなっていることが伸び率の低い理由となっている。一方、2年生については高い合格実績を背景としたブランド力の向上により入会が好調だったと見られる。なお、15校舎のなかでも、全学年全教科満席となっている横浜校については2022年9月期下期に続いて2023年9月期も5月にフロアを増床した。また、戸塚校でも教員室の一部を教室に改修することで定員数を拡大する計画である。
校舎当たりの平均生徒数について見ると、小中学生部門は179名と前年同期比で1名減となったが高水準を継続している。高校生部門は校舎が増えていないこともあって同23名増の407名と増加基調を続けている。
(2) 学童保育の展開について
学童保育部門については、2020年以降に開設した3教室に加えて、2023年3月に1教室を開校した。安心・安全で有意義な放課後ライフの実現、知的な成長の場になることをコンセプトに、知的好奇心を育む各種教育プログラム※を提供していることが特徴である。生徒や保護者からの評判も良く、生徒数は2023年4月末時点で426名と順調に増加している。
※楽しく学ぶ「探求プログラム」として、サイエンス、プログラミング、はば広教養、ことば、英語、英検講座、英会話、算数、算数(思考)の9種類があり、「エンジョイプログラム(スポーツや趣味の習い事)」として手話、将棋、百人一首、音楽、ダンス、体育の6種類を用意している。
収益面では、2016年に開校した「湘南教室」が既に黒字化し、「辻堂教室」も開校3年目となる2022年9月期に黒字化を達成、営業利益率も10%を超える水準となった。同時期に開校した「茅ヶ崎教室」はコロナ禍の影響で生徒数がやや伸び悩んだため、4年目となる2023年9月期の黒字化を見込んでいる。同社ではこれら教室で得られた経験を基に、開設からおよそ3年で黒字化する収益モデルを確立し、2023年3月に横浜市に初進出した。横浜市では各小学校で学童のサービスが提供されるが、同社は各種教育プログラムも提供する高付加価値型のサービスとしてニーズがあるものと考えており、横浜でも収益化が可能と判断した。開校3年目の黒字化を目標としており、実現の目途が経てば「STEP」のスクールが近隣にあるそのほかのエリアでも開校していく。「STEPキッズ」の生徒はそのまま「STEP」に入塾する可能性が高いため、「STEPキッズ」のネットワークを広げることで「STEP」全体の生徒数増加につながるものと同社は考えている。政府が2024年度から子育て支援策の拡充を図る方針を打ち出していることも、追い風になると考えられる。
(3) 採用計画
成長の源泉となる人材の採用について、2023年春は中途採用も含めて50名弱と前年からやや減少したが、引き続き強化する方針に変わりない。同社では採用力強化に向けて採用イベントへの出展による認知度向上を図るほか、Youtubeの公式チャンネルを通じて、インターンシップや教師研修の様子、教師の一日の流れなどの動画をアップするなど、仕事内容をアピールすることで全国から応募者数を増やすねらいだ。また、リファラル採用についても継続して進める。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2023年9月期の業績見通し
ステップ<9795>は2023年5月17日付で2023年9月期の業績見通しを修正発表した。売上高は前期比6.5%増の14,534百万円と期初計画から若干増額したが、営業利益は同14.5%減の3,127百万円、経常利益は同15.1%減の3,164百万円、当期純利益は同9.2%減の2,326百万円とそれぞれ減額修正した。
売上高は第2四半期までの実績と直近の生徒数の状況を反映した。利益面では、広告宣伝費が当初計画から50百万円ほど減額となるものの、教師給与の引き上げや増員を図ることで約6億円、教育環境において自習室の拡大充実や、プロジェクターによる映像を活用した授業を充実させるための最新機器の大量導入、コロナ禍のなかで定着したオンライン授業の設備面での強化を実施することで約2億円の追加費用を計上するなど合計で約7.5億円の費用増が減額要因となる。
(1) 生徒数の動向
生徒数は2023年4月末で前年同期比2.9%増と堅調に推移している。下期の売上計画が同2.9%増となっており、今のペースが続けば計画を達成できる見込みだ。このうち小学生部門は同6.2%増と順調に増加している。中学生部門の満席が増えているスクールにおいて、小学生の段階から早期入会する傾向が続いている。一方、中学生部門は2年生の募集が停滞している影響で同1.2%増と微増に留まった。明確な理由は不明だが、コロナ禍が収束に向かいつつあり、部活動や学校行事が再開されるなかで、環境変化に適応できず休会や退会する生徒が多かったことが影響したと考えられる。また、県西部の人口減少エリアでは入会のタイミングが先送りされる傾向になってきていることも一因と見られる。これら校舎の生徒数は中学3年生を頂点としたピラミッド型になっており、少子化の進行もあって3年生から入会しても遅くはないと考える家庭もあるようだ。一方で、横浜市や川崎市、藤沢市の校舎では中学2年生も増加しているため、今後も地域別で違った傾向となる可能性が高いと弊社では見ている。
高校生部門の生徒数は2023年4月末で前年同期比5.9%増と校舎数が変わらないなかでも順調に増加している。学年別で見れば1年生が同3.0%増、2年生が同13.9%増、3年生が同1.7%増となった。1年生については15校舎中11校舎で満席となっており、こうした校舎ではキャンセル待ちの状況のため、設備面から上限に近くなっていることが伸び率の低い理由となっている。一方、2年生については高い合格実績を背景としたブランド力の向上により入会が好調だったと見られる。なお、15校舎のなかでも、全学年全教科満席となっている横浜校については2022年9月期下期に続いて2023年9月期も5月にフロアを増床した。また、戸塚校でも教員室の一部を教室に改修することで定員数を拡大する計画である。
校舎当たりの平均生徒数について見ると、小中学生部門は179名と前年同期比で1名減となったが高水準を継続している。高校生部門は校舎が増えていないこともあって同23名増の407名と増加基調を続けている。
(2) 学童保育の展開について
学童保育部門については、2020年以降に開設した3教室に加えて、2023年3月に1教室を開校した。安心・安全で有意義な放課後ライフの実現、知的な成長の場になることをコンセプトに、知的好奇心を育む各種教育プログラム※を提供していることが特徴である。生徒や保護者からの評判も良く、生徒数は2023年4月末時点で426名と順調に増加している。
※楽しく学ぶ「探求プログラム」として、サイエンス、プログラミング、はば広教養、ことば、英語、英検講座、英会話、算数、算数(思考)の9種類があり、「エンジョイプログラム(スポーツや趣味の習い事)」として手話、将棋、百人一首、音楽、ダンス、体育の6種類を用意している。
収益面では、2016年に開校した「湘南教室」が既に黒字化し、「辻堂教室」も開校3年目となる2022年9月期に黒字化を達成、営業利益率も10%を超える水準となった。同時期に開校した「茅ヶ崎教室」はコロナ禍の影響で生徒数がやや伸び悩んだため、4年目となる2023年9月期の黒字化を見込んでいる。同社ではこれら教室で得られた経験を基に、開設からおよそ3年で黒字化する収益モデルを確立し、2023年3月に横浜市に初進出した。横浜市では各小学校で学童のサービスが提供されるが、同社は各種教育プログラムも提供する高付加価値型のサービスとしてニーズがあるものと考えており、横浜でも収益化が可能と判断した。開校3年目の黒字化を目標としており、実現の目途が経てば「STEP」のスクールが近隣にあるそのほかのエリアでも開校していく。「STEPキッズ」の生徒はそのまま「STEP」に入塾する可能性が高いため、「STEPキッズ」のネットワークを広げることで「STEP」全体の生徒数増加につながるものと同社は考えている。政府が2024年度から子育て支援策の拡充を図る方針を打ち出していることも、追い風になると考えられる。
(3) 採用計画
成長の源泉となる人材の採用について、2023年春は中途採用も含めて50名弱と前年からやや減少したが、引き続き強化する方針に変わりない。同社では採用力強化に向けて採用イベントへの出展による認知度向上を図るほか、Youtubeの公式チャンネルを通じて、インターンシップや教師研修の様子、教師の一日の流れなどの動画をアップするなど、仕事内容をアピールすることで全国から応募者数を増やすねらいだ。また、リファラル採用についても継続して進める。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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