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ステップのニュース
■今後の見通し
1. 2020年9月期の業績見通し
ステップ<9795>の2020年9月期の業績は売上高で前期比4.1%増の12,063百万円、営業利益で同6.6%増の2,866百万円、経常利益で同5.9%増の2,900百万円、当期純利益で同1.7%増の1,976百万円と過去最高業績を更新する見通し。今期も引き続き前述した横浜2大プロジェクトの達成に向け注力していくと同時に、小中学生部門、学童保育部門で各2スクールを開校し、生徒数の拡大に取り組むことで増収増益を目指す。なお、当期純利益の増益率が小幅にとどまるのは、前期に適用した賃上げ税制の適用を見込んでおらず、実効税率が上昇する前提となっているためだ。
(1) 生徒数の状況
2019年10月末の生徒数は全体で前年同期比4.5%増となっており、上期売上計画の4.1%増に対して順調な滑り出しとなっている。内訳を見ると、小中学生部門が同3.2%増、高校生部門が同11.1%増となっており、高校生部門の伸びが目立つ。2020年度の大学入試改革や私立大学の定員厳格化を受けて、進路指導等も含めた教育サービスの評価が高い「STEP」に入塾を希望する生徒が増えているものと考えられる。特に、高校1年生については4年ぶりに新規開校したこともあり前年同月比で19.3%増と高い伸びとなり、4月の段階では多くの校舎で満席となる勢いだった。今後の課題としては、高校2年生の後半から3年生にかけての大学受験対策が本格化する「予備校入会のピーク時」に、部活を引退して通塾を始める生徒の募集に強くなり、3年生の充席率を高めていくことを挙げている。神奈川県内で集団指導塾として全教科ライブ授業を行っているのは、同社以外には河合塾、駿台予備校、臨海セミナー、四谷学院などに絞られてきており、その中でも現役の公立高校生に強いといった特徴を生かして、生徒数の拡大につなげていく考えだ。
一方、小中学生部門のうち、小学生については8.8%増と高い伸びとなっている。私立中学受験生が増加傾向にあることや、2020年度より小学5年生以上で英語授業が教科化されることから、小学生の学習熱が高まっている可能性が考えられる。中学生部門については2.1%増と堅調に推移しており、学年別では1年生が4.0%増と高く、2、3年生は1.4%増となっている。1年生の伸びに関しては、2019年春の公立トップ校への高い合格実績が少なからず好影響を与えているものと考えられる。一部のスクールでは満席となり募集を打ち切っているところも出るなど機会ロスは少なからず発生していると思われるが、同社では教育サービスの品質維持を第一に考えており、無理な拡大施策は取らず、堅実に市場開拓を進めていく方針となっている。また、満員スクールでは空席のある近隣スクールを紹介するなどし、全体の充席率を高める取り組みも進めている。
小中学生部門では2020年春に2スクールを開校する予定となっている。このうち「STEP海老名扇町スクール」(海老名市)は小田急線海老名駅前の開校で、既に同駅反対側にある既存校の満席が続く状況において、通塾の便に対応した新規開校となる。もう1つは「STEP生田スクール」(川崎市多摩区)で同じ小田急線の川崎エリアとなる。同一沿線にある新百合ヶ丘スクールの成功事例を参考にしながら、生徒募集活動を進めていくことになる。
なお、2020年春の公立高校入試では、特色検査実施校が現在の10校から19校に拡大される。同社は特色検査対策を得意分野としていることから、対象校が拡大されることでさらに公立トップ校合格者数や合格率が伸びる可能性がある。「横浜プロジェクト」では対象9校のうち、従来6校が特色検査実施校であったが、2020年春からはさらに2校でも実施されることになり、競合2塾との差はさらに開くものと弊社では予想している。
(2) 学童保育の状況
2016年3月からスタートした学童部門「STEPキッズ」は、「安全・安心で楽しく有意義な放課後、知的な成長の場」をコンセプトに、「STEP」の教師や教師経験者を中心に運営されており、多彩で質の高いプログラム※を提供していることも含めて生徒・保護者から高く評価されている。1スクール目となる「STEPキッズ 湘南教室」は2018年春から対象学年を小学4年生まで広げ、2019年3月には新設した藤沢駅南口スクール校舎内に教室を移転拡張し、生徒数は2019年10月末時点で156名(前年同期比20名増)まで拡大している。収益も3年目となる2018年9月期から黒字化し、2019年9月期も教室移転費用を含めて増収増益を達成した。生徒当たり平均売上単価は年間で40万円台となっており、中学3年生に次いで高い水準となっている。
※プログラムとしてはサイエンス、英会話、算数、ことば(国語)、はば広教養、プログラミングの6つのクラスを設定しているほか、エンジョイプログラムとして、ダンス並びに将棋、体育、百人一首等を行っており、それぞれ好評を博している。週2日~5日までで興味のあるプログラムを選択することが可能。
同社は3年間余りの間で培ってきた経験とノウハウを基盤として、2020年3月より「辻堂教室」「茅ヶ崎教室」の2スクールを開校する。初年度は新1〜2年生から募集(80~90名)し、1年ごとに年次を拡大して3年目で小1〜4年生までをフルカバーする予定となっている。いずれのエリアでも学童のニーズは高く、既に問い合わせも多く寄せられている。
学童の教室展開については、近隣に「STEP」の教室がある地域に開校していく戦略となる。教室の運営は「STEP」の教師や教師経験者が中心となっているためだ。また、近隣に「STEP」があれば、学童からスムーズに「STEP」の小中学生部門に入塾する流れができるといったメリットもある。このため教室展開については、教室の立地場所の確保に加えて担当する先生のリソースを確保できるかが条件となってくる。これらが確保できれば、順次、教室を展開していくことになる。2021年以降の具体的なスケジュールはまだないが、教室数として将来的に20~30教室を展開することは可能と見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<MH>
1. 2020年9月期の業績見通し
ステップ<9795>の2020年9月期の業績は売上高で前期比4.1%増の12,063百万円、営業利益で同6.6%増の2,866百万円、経常利益で同5.9%増の2,900百万円、当期純利益で同1.7%増の1,976百万円と過去最高業績を更新する見通し。今期も引き続き前述した横浜2大プロジェクトの達成に向け注力していくと同時に、小中学生部門、学童保育部門で各2スクールを開校し、生徒数の拡大に取り組むことで増収増益を目指す。なお、当期純利益の増益率が小幅にとどまるのは、前期に適用した賃上げ税制の適用を見込んでおらず、実効税率が上昇する前提となっているためだ。
(1) 生徒数の状況
2019年10月末の生徒数は全体で前年同期比4.5%増となっており、上期売上計画の4.1%増に対して順調な滑り出しとなっている。内訳を見ると、小中学生部門が同3.2%増、高校生部門が同11.1%増となっており、高校生部門の伸びが目立つ。2020年度の大学入試改革や私立大学の定員厳格化を受けて、進路指導等も含めた教育サービスの評価が高い「STEP」に入塾を希望する生徒が増えているものと考えられる。特に、高校1年生については4年ぶりに新規開校したこともあり前年同月比で19.3%増と高い伸びとなり、4月の段階では多くの校舎で満席となる勢いだった。今後の課題としては、高校2年生の後半から3年生にかけての大学受験対策が本格化する「予備校入会のピーク時」に、部活を引退して通塾を始める生徒の募集に強くなり、3年生の充席率を高めていくことを挙げている。神奈川県内で集団指導塾として全教科ライブ授業を行っているのは、同社以外には河合塾、駿台予備校、臨海セミナー、四谷学院などに絞られてきており、その中でも現役の公立高校生に強いといった特徴を生かして、生徒数の拡大につなげていく考えだ。
一方、小中学生部門のうち、小学生については8.8%増と高い伸びとなっている。私立中学受験生が増加傾向にあることや、2020年度より小学5年生以上で英語授業が教科化されることから、小学生の学習熱が高まっている可能性が考えられる。中学生部門については2.1%増と堅調に推移しており、学年別では1年生が4.0%増と高く、2、3年生は1.4%増となっている。1年生の伸びに関しては、2019年春の公立トップ校への高い合格実績が少なからず好影響を与えているものと考えられる。一部のスクールでは満席となり募集を打ち切っているところも出るなど機会ロスは少なからず発生していると思われるが、同社では教育サービスの品質維持を第一に考えており、無理な拡大施策は取らず、堅実に市場開拓を進めていく方針となっている。また、満員スクールでは空席のある近隣スクールを紹介するなどし、全体の充席率を高める取り組みも進めている。
小中学生部門では2020年春に2スクールを開校する予定となっている。このうち「STEP海老名扇町スクール」(海老名市)は小田急線海老名駅前の開校で、既に同駅反対側にある既存校の満席が続く状況において、通塾の便に対応した新規開校となる。もう1つは「STEP生田スクール」(川崎市多摩区)で同じ小田急線の川崎エリアとなる。同一沿線にある新百合ヶ丘スクールの成功事例を参考にしながら、生徒募集活動を進めていくことになる。
なお、2020年春の公立高校入試では、特色検査実施校が現在の10校から19校に拡大される。同社は特色検査対策を得意分野としていることから、対象校が拡大されることでさらに公立トップ校合格者数や合格率が伸びる可能性がある。「横浜プロジェクト」では対象9校のうち、従来6校が特色検査実施校であったが、2020年春からはさらに2校でも実施されることになり、競合2塾との差はさらに開くものと弊社では予想している。
(2) 学童保育の状況
2016年3月からスタートした学童部門「STEPキッズ」は、「安全・安心で楽しく有意義な放課後、知的な成長の場」をコンセプトに、「STEP」の教師や教師経験者を中心に運営されており、多彩で質の高いプログラム※を提供していることも含めて生徒・保護者から高く評価されている。1スクール目となる「STEPキッズ 湘南教室」は2018年春から対象学年を小学4年生まで広げ、2019年3月には新設した藤沢駅南口スクール校舎内に教室を移転拡張し、生徒数は2019年10月末時点で156名(前年同期比20名増)まで拡大している。収益も3年目となる2018年9月期から黒字化し、2019年9月期も教室移転費用を含めて増収増益を達成した。生徒当たり平均売上単価は年間で40万円台となっており、中学3年生に次いで高い水準となっている。
※プログラムとしてはサイエンス、英会話、算数、ことば(国語)、はば広教養、プログラミングの6つのクラスを設定しているほか、エンジョイプログラムとして、ダンス並びに将棋、体育、百人一首等を行っており、それぞれ好評を博している。週2日~5日までで興味のあるプログラムを選択することが可能。
同社は3年間余りの間で培ってきた経験とノウハウを基盤として、2020年3月より「辻堂教室」「茅ヶ崎教室」の2スクールを開校する。初年度は新1〜2年生から募集(80~90名)し、1年ごとに年次を拡大して3年目で小1〜4年生までをフルカバーする予定となっている。いずれのエリアでも学童のニーズは高く、既に問い合わせも多く寄せられている。
学童の教室展開については、近隣に「STEP」の教室がある地域に開校していく戦略となる。教室の運営は「STEP」の教師や教師経験者が中心となっているためだ。また、近隣に「STEP」があれば、学童からスムーズに「STEP」の小中学生部門に入塾する流れができるといったメリットもある。このため教室展開については、教室の立地場所の確保に加えて担当する先生のリソースを確保できるかが条件となってくる。これらが確保できれば、順次、教室を展開していくことになる。2021年以降の具体的なスケジュールはまだないが、教室数として将来的に20~30教室を展開することは可能と見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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