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ナックのニュース
■事業内容
ナック<9788>は、住宅関連、生活関連と多角化展開し、暮らしに関するコングロマリットと言える企業である。クリクラ事業、レンタル事業、建築コンサルティング事業、住宅事業、美容・健康事業の5つの事業でセグメントが構成されており、事業展開としては、クリクラ事業、レンタル事業など安定した収益基盤を構築し、それを事業拡大のため成長エンジンとなる分野に投資する格好だ。
セグメント別の状況を以下で説明する。
1. クリクラ事業
クリクラ事業では、ウォーターサーバーを直営と加盟店で展開している。加盟店は稼働ベースで500を超し、サーバーのレンタルとボトルの販売に従事している。
クリクラ事業では水のほか、コーヒーなどの副商材も展開。繁忙期は5月〜7月だが、夏場の天候によって売上げが左右されやすい。月額制サービスの導入やボトル価格改定が奏功し、このところの利益は上向き傾向だ。2020年3月期は、セグメント構成比で売上高が15.2%を占め、売上高利益率は7.7%となっている。
また、この事業での特筆すべき点としては、2018年10月より販売を開始した自社製次亜塩素酸水溶液「ZiACO(ジアコ)」が、昨今のコロナ禍によって、需要が拡大することが期待されている。
2. レンタル事業
同社の出発点であるダスキン事業が主力。ダスキンのフランチャイジーとしては、1984年より35年以上、日本一の売上高を継続している。このほか、飲食店向け害虫駆除システムを中心としたwith(ウィズ)事業、ビル清掃事業の(株)アーネストが事業を展開。これらが安定した収益源となっている。
最近では、ダスキンと資本業務提携し、ダスキンを割当先とする第三者割当により資金調達を行った経緯もあり、ダスキン事業はさらに拡大する方向にある。単身世帯や共稼ぎ世帯の増加から、家事代行をはじめとする役務提供サービスの今後に対する期待が大きい。
2020年3月期のセグメント別の売上高構成比は16.8%だが、売上高利益率は12.5%と高く、稼ぎ頭でもある。
3. 建築コンサルティング事業
地場工務店向けにシステム販売を行うノウハウ販売事業、太陽光発電システムを中心とした建築部資材販売事業、M&Aによって取得した省エネ商材販売も手掛ける施工会社(株)エコ&エコ(2020年4月よりナックスマートエネルギー(株)に社名変更)の3本の柱で構成されているセグメントだ。
いずれも住宅に関連するビジネスであり、住宅市況に収益が左右されやすい。2020年3月期の売上高構成比は6.0%に過ぎないながら売上高利益率が13.9%と全社の中で最も高く、レンタル事業、クリクラ事業に次ぐ利益の源となっている。
なお、地場工務店の成長に合わせた商品提案が可能な体制を整えるべく、2020年2月に住宅フランチャイズを展開するエースホーム(株)のM&Aを実施し、2020年4月より(株)suzukuriを住宅事業から本事業に移動した。
4. 住宅事業
レオハウスを中心に、(株)ジェイウッド、(株)ケイディアイ、suzukuri、(株)国木ハウスの5社で営業活動を行ってきたが、2020年5月にレオハウスをヤマダ電機に譲渡した。2020年3月末時点の売上高ベースでレオハウスは約75%を占めていたため、今後、同事業は大幅に縮小する形になる。しかし、長年レオハウスは赤字体質が続いたため、このリストラクチャリングは全社的にプラスに作用することになりそうだ。
先行きは、東北で展開するジェイウッド、土地の仕入れも行いアパートも建設するケイディアイ、北海道を地盤とする国木ハウス──と、各社とも持ち味を生かし、顧客の獲得に動いている。
2020年3月期の売上高構成比は52.3%で、最も事業規模が大きいセグメントだったが、今後は大きく変化することになる。
5. 美容・健康事業
(株)JIMOS(ジモス)で化粧品販売、M&Aで取得した(株)ベルエアーでサプリメント及び健康食品の製造・販売をそれぞれ展開している。
2020年3月期の売上高構成比は9.9%。以前は利益面で厳しい状況にあったが、この期は1.4%の営業利益率を確保するなど、黒字体質が定着した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
<EY>
ナック<9788>は、住宅関連、生活関連と多角化展開し、暮らしに関するコングロマリットと言える企業である。クリクラ事業、レンタル事業、建築コンサルティング事業、住宅事業、美容・健康事業の5つの事業でセグメントが構成されており、事業展開としては、クリクラ事業、レンタル事業など安定した収益基盤を構築し、それを事業拡大のため成長エンジンとなる分野に投資する格好だ。
セグメント別の状況を以下で説明する。
1. クリクラ事業
クリクラ事業では、ウォーターサーバーを直営と加盟店で展開している。加盟店は稼働ベースで500を超し、サーバーのレンタルとボトルの販売に従事している。
クリクラ事業では水のほか、コーヒーなどの副商材も展開。繁忙期は5月〜7月だが、夏場の天候によって売上げが左右されやすい。月額制サービスの導入やボトル価格改定が奏功し、このところの利益は上向き傾向だ。2020年3月期は、セグメント構成比で売上高が15.2%を占め、売上高利益率は7.7%となっている。
また、この事業での特筆すべき点としては、2018年10月より販売を開始した自社製次亜塩素酸水溶液「ZiACO(ジアコ)」が、昨今のコロナ禍によって、需要が拡大することが期待されている。
2. レンタル事業
同社の出発点であるダスキン事業が主力。ダスキンのフランチャイジーとしては、1984年より35年以上、日本一の売上高を継続している。このほか、飲食店向け害虫駆除システムを中心としたwith(ウィズ)事業、ビル清掃事業の(株)アーネストが事業を展開。これらが安定した収益源となっている。
最近では、ダスキンと資本業務提携し、ダスキンを割当先とする第三者割当により資金調達を行った経緯もあり、ダスキン事業はさらに拡大する方向にある。単身世帯や共稼ぎ世帯の増加から、家事代行をはじめとする役務提供サービスの今後に対する期待が大きい。
2020年3月期のセグメント別の売上高構成比は16.8%だが、売上高利益率は12.5%と高く、稼ぎ頭でもある。
3. 建築コンサルティング事業
地場工務店向けにシステム販売を行うノウハウ販売事業、太陽光発電システムを中心とした建築部資材販売事業、M&Aによって取得した省エネ商材販売も手掛ける施工会社(株)エコ&エコ(2020年4月よりナックスマートエネルギー(株)に社名変更)の3本の柱で構成されているセグメントだ。
いずれも住宅に関連するビジネスであり、住宅市況に収益が左右されやすい。2020年3月期の売上高構成比は6.0%に過ぎないながら売上高利益率が13.9%と全社の中で最も高く、レンタル事業、クリクラ事業に次ぐ利益の源となっている。
なお、地場工務店の成長に合わせた商品提案が可能な体制を整えるべく、2020年2月に住宅フランチャイズを展開するエースホーム(株)のM&Aを実施し、2020年4月より(株)suzukuriを住宅事業から本事業に移動した。
4. 住宅事業
レオハウスを中心に、(株)ジェイウッド、(株)ケイディアイ、suzukuri、(株)国木ハウスの5社で営業活動を行ってきたが、2020年5月にレオハウスをヤマダ電機に譲渡した。2020年3月末時点の売上高ベースでレオハウスは約75%を占めていたため、今後、同事業は大幅に縮小する形になる。しかし、長年レオハウスは赤字体質が続いたため、このリストラクチャリングは全社的にプラスに作用することになりそうだ。
先行きは、東北で展開するジェイウッド、土地の仕入れも行いアパートも建設するケイディアイ、北海道を地盤とする国木ハウス──と、各社とも持ち味を生かし、顧客の獲得に動いている。
2020年3月期の売上高構成比は52.3%で、最も事業規模が大きいセグメントだったが、今後は大きく変化することになる。
5. 美容・健康事業
(株)JIMOS(ジモス)で化粧品販売、M&Aで取得した(株)ベルエアーでサプリメント及び健康食品の製造・販売をそれぞれ展開している。
2020年3月期の売上高構成比は9.9%。以前は利益面で厳しい状況にあったが、この期は1.4%の営業利益率を確保するなど、黒字体質が定着した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
<EY>
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