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NSW Research Memo(1):中期経営計画最終年度の2025年3月期も業績は順調

配信元:フィスコ
投稿:2024/12/17 13:01
*13:01JST NSW Research Memo(1):中期経営計画最終年度の2025年3月期も業績は順調 ■要約

NSW<9739>は、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場する独立系ITソリューションプロバイダで、技術者が従業員の9割近くを占めるエンジニア集団である。事業区分はエンタープライズソリューション、サービスソリューション、エンベデッドソリューション、デバイスソリューションの4セグメントで、各事業のシナジーを生かしたIoTやAIをはじめとしたデジタル技術を軸に、DXの実現による顧客価値の共創に取り組んでいる。

1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高が24,208百万円(前年同期比1.8%増)、営業利益が2,756百万円(同1.6%増)、経常利益が2,777百万円(同1.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益が1,905百万円(同1.8%減)となった。営業利益率は前年同期と同水準の11.4%であった。親会社株主に帰属する中間純利益の減少は、前年同期に有価証券売却の特別利益があった反動である。また、今後の売上増につながる受注高は24,827百万円(同1.4%増)と堅調であった。セグメント別では、エンタープライズソリューションは、システム機器販売が好調だった前年同期の反動などもあり減収となったが、高収益案件の増加により増益となった。サービスソリューションはデジタルソリューションの好調などにより増収増益となったものの、一部不採算案件処理の影響から営業利益は計画を下回った。エンベデッドソリューションは、オートモーティブを中心に増収増益であった。デバイスソリューションは、一部主要顧客のIT投資抑制などにより売上高は微増であったが、為替の影響や海外展開推進の影響などから減益となった。自己資本比率は76.3%(前期末比1.1ポイント上昇)と、2024年3月期の東証プライム市場の「情報・通信業」の平均31.4%を大きく上回り、引き続き極めて高い財務の健全性を維持している。前期より配当性向の目安を30%に引き上げたことで、1株当たり中間配当は前年同期比10円増の40円とした。

2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は期初予想を据え置き、売上高52,000百万円(前期比3.4%増)、営業利益6,000百万円(同2.3%増)、経常利益6,050百万円(同1.8%増)、親会社に帰属する当期純利益4,175百万円(同2.6%減)と、売上高・営業利益は13期連続となる増収増益を見込んでいる。前期の実績・伸び率に比べて慎重な計画であるが、経営環境の不透明さを織り込んでいるためだ。セグメント別では、エンタープライズソリューションは、売上高は横ばいで営業減益見込みだが、組織変更の影響を除けば実質の営業利益も横ばいである。サービスソリューションは、売上は好調で、不採算案件の正常化に伴い増益を計画する。エンベデッドソリューションは、売上高・営業利益ともおおむね横ばいと見込む。また、デバイスソリューションは、売上高は微増予想だが、営業利益は海外パートナー拡大に伴うコストアップにより減益を見込む。同社は従来より保守的な期初予想を発表する傾向が強いことから、計画を達成する可能性が高いと弊社では見ている。株主還元にも十分に配慮しており、配当性向の目安30%に基づき、1株当たり年間配当金は前期と同額の85円を予定している。

3. 中期経営計画
中期経営計画(2023年3月期〜2025年3月期)では、「デジタル変革による社会と企業の持続的成長の両立〜技術と知によりお客様とビジネスを共創するSIer※への進化〜」を基本方針とし、「DX FIRST」と「共創」をコンセプトに、「DX実現による顧客価値の追求」「選択と集中による収益力強化」「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に掲げた。また、売上高50,000百万円(年平均成長率4.8%増)、営業利益率11%などを業績目標としている。セグメント別の事業方針と「DX FIRST」に向けた取り組みを推進することで、増収増益を達成する計画である。2年目の2024年3月期まで業績は順調に推移しており、2025年3月期についても業績予想を達成すれば業績目標を上回る着地となる。重点戦略に沿って次々と新たな取り組みを始めており、サステナビリティへの取り組みにも注力している。最終年度の中期経営計画の実績に注目したい。

※ SIはSystem Integrationの略、SIer(エスアイヤー)はクライアントのシステム開発や運用などを請け負うサービス事業者のこと。

■Key Points
・独立系ITソリューションプロバイダで、事業を4セグメントに区分
・2025年3月期中間期業績は、概ね横ばいながら、営業増益を達成。配当性向30%の目安に基づき中間配当の増配を実施、株主還元にも前向き
・2025年3月期は期初予想を据え置き、小幅の増収増益と前期と同額の年間配当を計画。期初の業績予想は保守的な傾向
・中期経営計画では「DX実現による顧客価値の追求」「選択と集中による収益力強化」「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に、2025年3月期に売上高50,000百万円、営業利益率11%を目指す。最終年度の業績予想を達成すれば、業績目標を上回る見通し

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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配信元: フィスコ
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