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■要約
日本システムウエア<9739>は、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場する独立系ITソリューションプロバイダで、技術者が従業員の9割近くを占めるエンジニア集団である。各事業の強化・拡大を図るとともに、今後の事業展開を見据え、2023年3月期より事業区分をエンタープライズソリューション、サービスソリューション、エンベデッドソリューション、デバイスソリューションの4セグメントに変更した。各事業のシナジーを生かしたIoT※1やAIをはじめとしたデジタル技術を軸に、DX※2の実現による顧客価値の共創に取り組む。また、新たなステージへの飛躍を期し、2022年8月3日より「NSW株式会社」に商号変更する予定だ。
※1 Internet of Thingsの略。家電製品やセンサーなど様々なモノをネットワークに接続し、情報収集だけでなく遠隔監視や制御を行い、商品開発やマーケティングに活用すること。
※2 Digital Transformationの略でデジタル変革のこと。企業が新たなデジタル技術を活用してビジネスモデルを創出し、ビジネスプロセスを変えていく事業変革の取り組み。
1. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の連結業績については、売上高43,452百万円(前期比10.6%増)、営業利益4,919百万円(同17.2%増)となり、過去最高業績を更新し10期連続の増収増益を記録した。期初計画比でも売上高は3.5%、営業利益も14.4%上回る好決算となった。ITソリューションセグメントでは、特に国や自治体の補助金申請システム案件を複数受注したことが業績に大きく貢献した。プロダクトソリューションでは、組込み開発事業における通信分野や設備分野を中心に増収増益を確保し、高い利益率を維持した。一方、サービスソリューションでは、クラウド・インフラサービスを中心に大幅増収となったが、事業拡大に向けた体制強化のための先行投資や不採算案件への対応などにより減益となった。ROA14.5%(同1.1ポイント上昇)、自己資本比率は72.0%(同0.3ポイント低下)と、東証1部上場の情報・通信業平均を大きく上回り、引き続き極めて高い収益性と財務の健全性を維持している。なお、1株当たり配当金は前期比10円増額の年間配当50円(中間配当20円、期末配当30円)とし、株主還元にも十分に配慮している。
2. 2023年3月期の業績見通し
新中期経営計画の初年度となる2023年3月期の連結業績について同社は、売上高45,000百万円(前期比3.6%増)、営業利益5,000百万円(同1.6%増)を見込んでいる。売上高・営業利益は過去最高の更新を予想するが、前期の補助金申請システム案件の特需がなくなることや戦略的投資の継続により、営業利益については小幅の増益予想となっている。サービスソリューションで大幅増益を、エンベデッドソリューションとデバイスソリューションで利益横ばいを見込む一方で、エンタープライズソリューションでは小幅減益を予想する。以上から、1株当たり配当金については、前期同額の年間配当50円(中間配当25円、期末配当25円)を予定している。ただ、同社では期初には保守的な業績予想を発表する傾向が強いことから、最終的には計画を上回る増益となる可能性があると弊社では見ている。
3. 中期経営計画
前中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)では、2022年3月期に売上高430億円、営業利益40億円、営業利益率9.3%、DX関連売上高100億円などの数値目標を掲げていたが、全項目を達成した。新中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)では、「デジタル変革による社会と企業の持続的成長の両立~技術と知によりお客様とビジネスを共創するSIerへの進化~」を基本方針とし、「DX FIRST」 と「共創」をコンセプトに、「DX実現による顧客価値の追求」「選択と集中による収益力強化」「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に掲げた。また、売上高50,000百万円(年平均成長率4.8%増)、営業利益率11%などを経営目標としている。新たにスタートした4セグメント制の事業方針と「DX FIRST」に向けた取り組みを推進することで、増収増益を達成する計画である。併せて、これまでどおりサステナビリティへの取り組みも重視する。今後の中期経営計画の進捗状況に注目したい。
■Key Points
・今後の事業展開を見据えて事業推進体制を4セグメントに変更したほか、新たなステージへの飛躍を期して商号をNSW株式会社に変更予定
・2022年3月期は各種補助金申請のシステム案件受注が寄与し、過去最高業績を更新、10期連続の増収増益
・2023年3月期も増収増益を予想するが、例年期初予想は保守的な傾向
・新中期経営計画では「DX実現による顧客価値の追求」「選択と集中による収益力強化」「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に、2025年3月期に売上高50,000百万円、営業利益率11%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<YM>
日本システムウエア<9739>は、東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場する独立系ITソリューションプロバイダで、技術者が従業員の9割近くを占めるエンジニア集団である。各事業の強化・拡大を図るとともに、今後の事業展開を見据え、2023年3月期より事業区分をエンタープライズソリューション、サービスソリューション、エンベデッドソリューション、デバイスソリューションの4セグメントに変更した。各事業のシナジーを生かしたIoT※1やAIをはじめとしたデジタル技術を軸に、DX※2の実現による顧客価値の共創に取り組む。また、新たなステージへの飛躍を期し、2022年8月3日より「NSW株式会社」に商号変更する予定だ。
※1 Internet of Thingsの略。家電製品やセンサーなど様々なモノをネットワークに接続し、情報収集だけでなく遠隔監視や制御を行い、商品開発やマーケティングに活用すること。
※2 Digital Transformationの略でデジタル変革のこと。企業が新たなデジタル技術を活用してビジネスモデルを創出し、ビジネスプロセスを変えていく事業変革の取り組み。
1. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の連結業績については、売上高43,452百万円(前期比10.6%増)、営業利益4,919百万円(同17.2%増)となり、過去最高業績を更新し10期連続の増収増益を記録した。期初計画比でも売上高は3.5%、営業利益も14.4%上回る好決算となった。ITソリューションセグメントでは、特に国や自治体の補助金申請システム案件を複数受注したことが業績に大きく貢献した。プロダクトソリューションでは、組込み開発事業における通信分野や設備分野を中心に増収増益を確保し、高い利益率を維持した。一方、サービスソリューションでは、クラウド・インフラサービスを中心に大幅増収となったが、事業拡大に向けた体制強化のための先行投資や不採算案件への対応などにより減益となった。ROA14.5%(同1.1ポイント上昇)、自己資本比率は72.0%(同0.3ポイント低下)と、東証1部上場の情報・通信業平均を大きく上回り、引き続き極めて高い収益性と財務の健全性を維持している。なお、1株当たり配当金は前期比10円増額の年間配当50円(中間配当20円、期末配当30円)とし、株主還元にも十分に配慮している。
2. 2023年3月期の業績見通し
新中期経営計画の初年度となる2023年3月期の連結業績について同社は、売上高45,000百万円(前期比3.6%増)、営業利益5,000百万円(同1.6%増)を見込んでいる。売上高・営業利益は過去最高の更新を予想するが、前期の補助金申請システム案件の特需がなくなることや戦略的投資の継続により、営業利益については小幅の増益予想となっている。サービスソリューションで大幅増益を、エンベデッドソリューションとデバイスソリューションで利益横ばいを見込む一方で、エンタープライズソリューションでは小幅減益を予想する。以上から、1株当たり配当金については、前期同額の年間配当50円(中間配当25円、期末配当25円)を予定している。ただ、同社では期初には保守的な業績予想を発表する傾向が強いことから、最終的には計画を上回る増益となる可能性があると弊社では見ている。
3. 中期経営計画
前中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)では、2022年3月期に売上高430億円、営業利益40億円、営業利益率9.3%、DX関連売上高100億円などの数値目標を掲げていたが、全項目を達成した。新中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)では、「デジタル変革による社会と企業の持続的成長の両立~技術と知によりお客様とビジネスを共創するSIerへの進化~」を基本方針とし、「DX FIRST」 と「共創」をコンセプトに、「DX実現による顧客価値の追求」「選択と集中による収益力強化」「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に掲げた。また、売上高50,000百万円(年平均成長率4.8%増)、営業利益率11%などを経営目標としている。新たにスタートした4セグメント制の事業方針と「DX FIRST」に向けた取り組みを推進することで、増収増益を達成する計画である。併せて、これまでどおりサステナビリティへの取り組みも重視する。今後の中期経営計画の進捗状況に注目したい。
■Key Points
・今後の事業展開を見据えて事業推進体制を4セグメントに変更したほか、新たなステージへの飛躍を期して商号をNSW株式会社に変更予定
・2022年3月期は各種補助金申請のシステム案件受注が寄与し、過去最高業績を更新、10期連続の増収増益
・2023年3月期も増収増益を予想するが、例年期初予想は保守的な傾向
・新中期経営計画では「DX実現による顧客価値の追求」「選択と集中による収益力強化」「将来成長に向けた戦略的投資」を重点戦略に、2025年3月期に売上高50,000百万円、営業利益率11%を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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