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アイ・エス・ビーのニュース
■業績の動向
1. 2018年12月期決算の概要
アイ・エス・ビー<9702>の2018年12月期の連結業績は、売上高17,441百万円(前期比4.6%増)、営業利益868百万円(同45.6%増)、経常利益917百万円(同46.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益546百万円(同77.8%増)と増収・大幅増益で着地した。
同社は第2四半期決算に際して通期予想を上方修正したが、その修正予想に対して、売上高はほぼ予想どおりで着地し、営業利益以下の各利益項目は10%前後上回った。
事業セグメント別では、情報サービス事業は売上高14,216百万円(前期比5.4%増)、営業利益711百万円(同52.8%増)と大幅増益となった。売上高については、「組込み」、「業務システム」、「公共」、「フィールドサービス」の各分野が、好調な企業収益を背景としたシステム刷新等の開発業務やQt関連開発業務、クラウド関連の構築業務が堅調に推移したことで前期比増収となった。一方、「携帯端末」、「モバイル」、「金融」については市場規模や開発案件の縮小の影響をアプリ開発業務等で補うべく努めたものの、人手不足の影響で需要を十分取り込めず、前期比減収となった。これらの結果、売上高は前期比5.4%増となった。
利益面では、一貫して取り組んでいるプロジェクトマネジメント強化が奏功して生産性向上と不採算案件の削減を果たしたことや、グループ会社との連携による「ニアショア・オフショア戦略」によるコスト削減効果により、セグメント営業利益が前期比大幅増益となった。
セキュリティシステム事業は売上高3,314百万円(前期比1.6%増)、営業利益142百万円(同8.7%増)と着実に増収増益を果たした。ホテル業界や各種施設向けにセキュリティシステムの販売が堅調に推移した。また、新開発のアクセスコントロール専用プラットフォーム「ALLIGATE」や、駐車場向けゲート自動開閉システム「シェアゲート」の本格販売に取り組み、同社グループ(事業の主体は子会社のアート)にとっての新境地の開拓に取り組んだ。
組込みではQt関連需要が大きく伸長。業務システムも企業の旺盛なシステム刷新需要で大幅増収
2. 分野別動向
(1) 携帯端末
携帯端末の売上高は前期比7.4%(167百万円)減収の2,094百万円となった。モバイル端末の開発案件の縮小がここ数年続いており、保守やメンテナンスの強化ではカバーしきれず減収となった。
(2) モバイルインフラ
モバイルインフラの売上高は前期比5.8%(78百万円)減収の1,257百万円となった。日系大手通信機器メーカーによる5G基地局開発の動きは一般に期待されていたよりもスローで、同社への引き合いもまだ活発化せず、前期比減収となった。
(3) 組込み
組込みの売上高は前期比13.4%(477百万円)増収の4,034百万円となった。マルチプラットフォーム・アプリケーション開発キットであるQt(キュート)関連の需要が大きく伸長し、顧客分野別では全般に好調に推移したが、なかでもADAS(先進運転支援システム)の導入などでエレクトロニクス化・高機能化の進展著しい車載分野の伸びが顕著な状況が続いている。
(4) 金融
金融の売上高は前期比6.6%(69百万円)減収の978百万円となった。需要自体は高水準で推移したが、IT人材の不足で需要を取り込むことが出来ず、前期比減収となった。
(5) 公共
公共の売上高は前期比10.8%(154百万円)増収の1,578百万円となった。前期比増収で着地したものの、構図としては金融同様、需要と人手不足によるキャパシティ不足のミスマッチで失注も多かった。これへの反省が子会社の札幌システムサイエンスとインフィックスの合併へとつながった。
(6) 業務システム
業務システムの売上高は前期比27.5%(453百万円)増収の2,101百万円となった。企業収益の好調もあってシステム刷新等の受託案件需要が強いなか、同社はベトナム子会社をラボ化(社内の開発・生産工場化)した結果価格競争力を向上させ、大幅増収につなげた。
(7) フィールドサービス
フィールドサービスの売上高は前期比5.4%(94百万円)増収の1,850百万円となった。業務内容は業務システムの言わば後工程で保守・メンテナンス、インフラ構築など、顧客のオンサイトでの業務である点が異なる。したがって事業環境としては業務システム同様に需要が旺盛で、順調に売上げを伸ばした。
(8) プロダクト事業
プロダクト事業の売上高は前期比2.5%(91百万円)減収の3,549百万円となった。アートのセキュリティシステム事業を中核に、同社の最終製品・サービスの商材が含まれている。前述のようにセキュリティシステム事業は前期比増収となったがそれ以外のプロダクト商材の立ち上がりが遅れており、前期比減収となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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1. 2018年12月期決算の概要
アイ・エス・ビー<9702>の2018年12月期の連結業績は、売上高17,441百万円(前期比4.6%増)、営業利益868百万円(同45.6%増)、経常利益917百万円(同46.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益546百万円(同77.8%増)と増収・大幅増益で着地した。
同社は第2四半期決算に際して通期予想を上方修正したが、その修正予想に対して、売上高はほぼ予想どおりで着地し、営業利益以下の各利益項目は10%前後上回った。
事業セグメント別では、情報サービス事業は売上高14,216百万円(前期比5.4%増)、営業利益711百万円(同52.8%増)と大幅増益となった。売上高については、「組込み」、「業務システム」、「公共」、「フィールドサービス」の各分野が、好調な企業収益を背景としたシステム刷新等の開発業務やQt関連開発業務、クラウド関連の構築業務が堅調に推移したことで前期比増収となった。一方、「携帯端末」、「モバイル」、「金融」については市場規模や開発案件の縮小の影響をアプリ開発業務等で補うべく努めたものの、人手不足の影響で需要を十分取り込めず、前期比減収となった。これらの結果、売上高は前期比5.4%増となった。
利益面では、一貫して取り組んでいるプロジェクトマネジメント強化が奏功して生産性向上と不採算案件の削減を果たしたことや、グループ会社との連携による「ニアショア・オフショア戦略」によるコスト削減効果により、セグメント営業利益が前期比大幅増益となった。
セキュリティシステム事業は売上高3,314百万円(前期比1.6%増)、営業利益142百万円(同8.7%増)と着実に増収増益を果たした。ホテル業界や各種施設向けにセキュリティシステムの販売が堅調に推移した。また、新開発のアクセスコントロール専用プラットフォーム「ALLIGATE」や、駐車場向けゲート自動開閉システム「シェアゲート」の本格販売に取り組み、同社グループ(事業の主体は子会社のアート)にとっての新境地の開拓に取り組んだ。
組込みではQt関連需要が大きく伸長。業務システムも企業の旺盛なシステム刷新需要で大幅増収
2. 分野別動向
(1) 携帯端末
携帯端末の売上高は前期比7.4%(167百万円)減収の2,094百万円となった。モバイル端末の開発案件の縮小がここ数年続いており、保守やメンテナンスの強化ではカバーしきれず減収となった。
(2) モバイルインフラ
モバイルインフラの売上高は前期比5.8%(78百万円)減収の1,257百万円となった。日系大手通信機器メーカーによる5G基地局開発の動きは一般に期待されていたよりもスローで、同社への引き合いもまだ活発化せず、前期比減収となった。
(3) 組込み
組込みの売上高は前期比13.4%(477百万円)増収の4,034百万円となった。マルチプラットフォーム・アプリケーション開発キットであるQt(キュート)関連の需要が大きく伸長し、顧客分野別では全般に好調に推移したが、なかでもADAS(先進運転支援システム)の導入などでエレクトロニクス化・高機能化の進展著しい車載分野の伸びが顕著な状況が続いている。
(4) 金融
金融の売上高は前期比6.6%(69百万円)減収の978百万円となった。需要自体は高水準で推移したが、IT人材の不足で需要を取り込むことが出来ず、前期比減収となった。
(5) 公共
公共の売上高は前期比10.8%(154百万円)増収の1,578百万円となった。前期比増収で着地したものの、構図としては金融同様、需要と人手不足によるキャパシティ不足のミスマッチで失注も多かった。これへの反省が子会社の札幌システムサイエンスとインフィックスの合併へとつながった。
(6) 業務システム
業務システムの売上高は前期比27.5%(453百万円)増収の2,101百万円となった。企業収益の好調もあってシステム刷新等の受託案件需要が強いなか、同社はベトナム子会社をラボ化(社内の開発・生産工場化)した結果価格競争力を向上させ、大幅増収につなげた。
(7) フィールドサービス
フィールドサービスの売上高は前期比5.4%(94百万円)増収の1,850百万円となった。業務内容は業務システムの言わば後工程で保守・メンテナンス、インフラ構築など、顧客のオンサイトでの業務である点が異なる。したがって事業環境としては業務システム同様に需要が旺盛で、順調に売上げを伸ばした。
(8) プロダクト事業
プロダクト事業の売上高は前期比2.5%(91百万円)減収の3,549百万円となった。アートのセキュリティシステム事業を中核に、同社の最終製品・サービスの商材が含まれている。前述のようにセキュリティシステム事業は前期比増収となったがそれ以外のプロダクト商材の立ち上がりが遅れており、前期比減収となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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