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テリロジー Research Memo(4):ネットワーク、セキュリティ、モニタリング、ソリューションサービスを展開

配信元:フィスコ
投稿:2021/01/12 11:34
■事業内容

1. 製品・サービス別に4部門で事業を展開
テリロジー<3356>は、セグメント情報を開示していないが、製品・サービス別に「ネットワーク」、「セキュリティ」、「モニタリング」、「ソリューションサービス」の4部門で事業活動を展開している。

2. ネットワーク部門
2021年3月期上期におけるネットワーク部門の売上高は、518百万円と全社売上の26.7%を占めている。主な取扱プロダクト・サービスは、1)ネットワーク製品(ルータ、スイッチ、無線LAN、DNS/DHCP)、2)企業内情報通信システムやインフラの設計・構築、3)テレビ会議システム等、広範囲なネットワーク関連製品の販売及びプロフェッショナルサービスの提供、であり、創業来30年に及ぶ実績の積み重ねにより、顧客のニーズに最も適したソリューションの提供が可能だと自負している。加えて、当部門が提供するネットワーク及び付帯機器の保守業務に24時間365日体制で対応している。

3. セキュリティ部門
2021年3月期上期におけるセキュリティ部門の売上高は、690百万円と全社売上の35.5%を占める同社の大黒柱である。主な取扱プロダクト・サービスは、1)ネットワークセキュリティ製品(ファイアウォール、侵入検知・防御、情報漏えい対策等)、2)セキュリティ認証基盤(ネットワーク上のサービス利用者を識別すること)、3)不正取引対策(ワンタイムパスワード製品)等のセキュリティシステム、である。加えて、当部門が提供するセキュリティ機器及びソフトウェア製品の保守業務に24時間365日体制で対応している。

4. モニタリング部門
2021年3月期上期におけるモニタリング部門の売上高は、345百万円と全社売上の17.8%にとどまっているが、自社ブランド商材がメインに育っていることが特徴である。主な取扱プロダクト・サービスは、1)自社開発製品(momentum)によるパケット分析、2)クラウド性能監視サービス(CloudTriage)、3)ネットワーク運用・管理・監視機器、である。加えて、当部門が提供する自社開発製品(momentum)、ネットワーク運用・管理・監視機器及びソフトウェア製品の保守業務に24時間365日体制で対応している。

自社ブランドとしては、モニタリング部門の核となる「momentum」(完全自社開発のネットワークパケットキャプチャ製品)や月額課金モデルを導入しサポート事業部門の一部を成す「CloudTriage」(自社ブランド運用のITシステム運用監視クラウドサービス)がある。「momentum」はネットワーク上でやり取りされたデータ(パケット)を記憶装置(ストレージ)に収集し、分析・可視化することで、サービス品質の検証と不具合場所の特定、対策の支援を行う、言わばネットワーク上のドライブレコーダーのようなソリューションであり、大手携帯通信事業者など重要顧客の開拓に成功している。また、「CloudTriage」はITシステムの運用状況をユーザー視点で測定し、リモートアクセスの遅延といったパフォーマンス低下が発生した場合、その原因を特定するソリューションであり、月額課金のクラウドサービスとすることで安価に提供している。

5. ソリューションサービス部門
2021年3月期上期におけるソリューションサービス部門の売上高は、387百万円と全社売上の19.9%を占めている。主な取扱プロダクト・サービスは、1)自社開発ソフトウェアRPAツール(EzAvater、RPA:Robotic Process Automation)、2)多言語リアルタイム映像通訳サービス(みえる通訳)、3)クラウド管理型マネージドVNPサービス(MORA VPN Zero-Con)、4)法人向けインターネット接続サービス(MORA光)、5)高速モバイルデータ通信サービス(MORAモバイル)、6)Web会議ツール(MVC、Zoom)、7)人工知能(AI)と拡張現実(AR)を活用した映像による非接触型のリモートサポートサービス(TechSee)、8)孫会社(株)IGLOOOによる「旅マエ・旅ナカ・旅アト」関連事業である。

当部門の中核を成しているのが、(株)テリロジーサービスウェア(2017年12月に買収したノジマ<7419>グループのアイ・ティー・エックス(株)の法人向けICTサービス事業を商号変更)であり、同社はこのM&A戦略で、新たな事業ドメインと従来手薄であった中堅・中小規模のエンタープライズ顧客基盤や全国に店舗展開しているチェーン店、業務店等のリテール顧客基盤を獲得している。この点、働き方改革や業務効率化の実現に向けて注目されるRPAツール(EzAvater)やインバウンド対応に活用できる多言語リアルタイム映像通訳サービス(みえる通訳)など、中堅・中小規模の顧客層にもマッチしたプロダクトが新たにラインナップされている点は注目できるだろう。

なお、「EzAvater」は、究極的にカンタン(誰にでもロボット=定型業務自動化のシナリオが作成できる直感的な操作性)、止まりづらい(システムのスピードに合わせてロボットが作動、例外処理をテンプレート化し安定稼働を実現)、アプリを問わない(画像認識技術を採用することでWindows上の動作であればアプリを問わず自動化可能)、スモールスタート可能(PC1台から導入可能)、といった特長を持っている。これらの特長により「EzAvater」は、IT専門部署でなければロボットの作成が困難で導入コストやメンテナンスの負担も大きいという多くのRPAツールが持つ弱点を克服し、各部署において現場のニーズに沿ってロボットを作成し、日々の運営を行うといった活用方法を可能にしたソフトウェアである。また、「EzAvater」の販売に関しては、幅広いユーザー層に浸透させたいとの狙いからパートナリング戦略を積極活用(ゴールドパートナー制を導入)しており、2019年中に(株)ネクス・ソリューションズ、パナソニックソリューションテクノロジー(株)、(株)レゾナゲート、(株)山崎文栄堂、(株)ネクステージ、(株)アイルネット、ウチダエスコ<4699>、2020年に入ってからも(株)日立システムズ、シーイーシー<9692>と矢継ぎ早に販売代理店契約を締結している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)


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配信元: フィスコ
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