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<話題の焦点>“かかりつけ薬剤師”始動でどうなる調剤薬局

配信元:みんかぶ
著者:MINKABU PRESS
投稿:2016/04/05 12:02
 “かかりつけ医師”の薬局版とも言える“かかりつけ薬剤師”の仕組みが4月からスタートした。診療報酬改定で「かかりつけ薬剤師」の評価が新設されるためだ。国はこの新たな仕組みを機能させることで、医療費抑制につなげる方針だが、調剤薬局業界に与える影響に関心が集まっている。

 かかりつけ薬剤師は、患者が複数の病院で処方された薬を一元的に管理し、適切に服薬指導する役割を果たす。医師が処方箋を出し、薬剤師が調剤する“医薬分業”が進むなか、大規模病院に隣接するいわゆる「門前薬局」が増加を続けている。ところが、門前薬局は、医師の処方箋に従って調剤するだけで、患者と密接にかかわり、健康を守る役割を十分果たしていないとの見方も浮上。厚生労働省も「薬局は患者のためになる本来の機能を果たすべきだ」とし、今回の診療報酬改定では、かかりつけ薬剤師を評価する一方、特定の医療機関から集中的に処方箋を受け付ける大型門前薬局は報酬を引き下げた。

 今回の改定で「かかりつけ薬剤師指導料」が新設された。これは、かかりつけ薬剤師が行う業務を評価する新点数で、処方医師と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で、服薬指導などを行う場合に算定できる新設の点数だ。かかりつけ薬剤師指導料は1回につき70点(700円)となっている。

 かかりつけ薬剤師制度が新設されたことについて、調剤薬局最大手のアインホールディングス<9627.T>は「かかりつけ薬剤師は新しい制度なので、その部分だけで見れば業績にはプラス要因。全体への影響は分からない面も多いが、新制度に対しては積極的に対応していきたい」(経営企画室)としている。

 アインホールディングスは、16年4月期第3四半期累計(15年5月~16年1月)の連結決算で、売上高1693億9500万円(前年同期比24.2%増)、営業利益100億400万円(同33.2%増)と2ケタ増収増益を達成した。調剤薬局部門の既存店では、新薬の処方増加に伴う処方箋1枚当たりの売上高が上昇。ドラッグストア事業では都市型ドラッグストア「アインズ&トルペ」の出店を継続的に実施し、インバウンド需要獲得への取り組みも寄与している。

 専業で業界2位の日本調剤<3341.T>は、門前薬局を中心に展開。薬剤師を中心とした医療従事者派遣紹介事業も手掛ける。後発薬製造の販売品目増加や能力増強が寄与し、17年3月期も増益基調を堅持する。ウエルシアホールディングス<3141.T>は、ウエルシア関東と高田薬局が統合して拡大を目指す。調剤併設型ドラッグストアチェーンの運営が強み。スギホールディングス<7649.T>は、調剤併設タイプのドラックストアで「スギ薬局」を展開。調剤部門の売上構成比率は約20%程度。相対的に、分業比率の低い中部・関西地域で強みを発揮している。

出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)
配信元: みんかぶ
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