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京葉瓦斯のニュース
*15:40JST 京葉瓦斯 Research Memo(10):電力小売事業の収支改善などにより増益を見込む
■業績動向
3. 2024年12月期の業績見通し
京葉瓦斯<9539>は2024年12月期業績見通しについて、売上高117,400百万円(前期比4.4%減)、営業利益1,100百万円(同35.4%減)、経常利益1,800百万円(同26.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,300百万円(同11.0%減)と見込んでいる。売上高については、原料費調整制度によるガス販売単価の下方調整などにより減収を見込んでおり、利益面ではガス事業におけるスライドタイムラグ(差損)の影響により減益を見込んでいる。
セグメント別の見通しは、ガスは3年間の原単位当たり販売量を前提にしているため2023年の気温・水温が記録的な高温となった影響で減少した反動を想定する一方、原料費調整制度によるガス販売単価の下方調整を見込んでいる。利益面では、前年はガス原料価格が下落し、原料費調整制度に基づきガス販売価格の値下がりに先行してガス原料価格が値下がりすることによるタイムラグ(差益)が発生したが、2024年はガス原料価格が上昇することによるタイムラグ(差損)が発生することにより減益を見込んでいる。電力小売は、電力調達コストの減少により最悪期を脱することで増益貢献は大きくなる見込みだが、黒字転換はまだ先になりそうだ。このため、1日安定して使用するファミリーにターゲットを絞るなど収益改善策も講じる。不動産は、リーフシティ市川の本格開業が2025年~2026年となるが一部の賃貸収入が貢献し増益となる見込みである。その他は、おおむね前期並みの業績水準が予想される。
3つの領域それぞれを収益の柱として確立したい
4. 中期成長イメージ
「中期経営計画2022-2024」は業績面以外順調に推移していることから、次期中期経営計画でも引き続き「長期経営ビジョン2030」に向けた戦略が講じられることになると思われる。地域エネルギー領域は、低炭素の天然ガスのニーズは長期的にも強いため安定成長が見込まれるが、よりカーボンニュートラルなクレジット付きの都市ガスの販売にも注力することになろう。エリアマネジメント領域では、リーフシティ市川の収益貢献が期待されるが、不動産は安定収益が見込めるため、今後は保有不動産の再開発だけでなく、物件を購入して賃貸不動産として開発することも想定される。トータルライフサポート領域は、同社にとって難易度の高い事業となっているが、水回りや燃焼など得意な分野を生かしてトータルリフォームに挑戦することも検討するようだ。次期中期経営計画ではそれぞれの領域で収益の柱を確立し、業績面での成果を達成したいところである。加えて、現在0.3倍程度のPBR(株価純資産倍率)を是正する必要があるため、資本戦略も検討していくことになろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>
3. 2024年12月期の業績見通し
京葉瓦斯<9539>は2024年12月期業績見通しについて、売上高117,400百万円(前期比4.4%減)、営業利益1,100百万円(同35.4%減)、経常利益1,800百万円(同26.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,300百万円(同11.0%減)と見込んでいる。売上高については、原料費調整制度によるガス販売単価の下方調整などにより減収を見込んでおり、利益面ではガス事業におけるスライドタイムラグ(差損)の影響により減益を見込んでいる。
セグメント別の見通しは、ガスは3年間の原単位当たり販売量を前提にしているため2023年の気温・水温が記録的な高温となった影響で減少した反動を想定する一方、原料費調整制度によるガス販売単価の下方調整を見込んでいる。利益面では、前年はガス原料価格が下落し、原料費調整制度に基づきガス販売価格の値下がりに先行してガス原料価格が値下がりすることによるタイムラグ(差益)が発生したが、2024年はガス原料価格が上昇することによるタイムラグ(差損)が発生することにより減益を見込んでいる。電力小売は、電力調達コストの減少により最悪期を脱することで増益貢献は大きくなる見込みだが、黒字転換はまだ先になりそうだ。このため、1日安定して使用するファミリーにターゲットを絞るなど収益改善策も講じる。不動産は、リーフシティ市川の本格開業が2025年~2026年となるが一部の賃貸収入が貢献し増益となる見込みである。その他は、おおむね前期並みの業績水準が予想される。
3つの領域それぞれを収益の柱として確立したい
4. 中期成長イメージ
「中期経営計画2022-2024」は業績面以外順調に推移していることから、次期中期経営計画でも引き続き「長期経営ビジョン2030」に向けた戦略が講じられることになると思われる。地域エネルギー領域は、低炭素の天然ガスのニーズは長期的にも強いため安定成長が見込まれるが、よりカーボンニュートラルなクレジット付きの都市ガスの販売にも注力することになろう。エリアマネジメント領域では、リーフシティ市川の収益貢献が期待されるが、不動産は安定収益が見込めるため、今後は保有不動産の再開発だけでなく、物件を購入して賃貸不動産として開発することも想定される。トータルライフサポート領域は、同社にとって難易度の高い事業となっているが、水回りや燃焼など得意な分野を生かしてトータルリフォームに挑戦することも検討するようだ。次期中期経営計画ではそれぞれの領域で収益の柱を確立し、業績面での成果を達成したいところである。加えて、現在0.3倍程度のPBR(株価純資産倍率)を是正する必要があるため、資本戦略も検討していくことになろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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