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旭川「瑞の香」は真っ赤なダイヤ、芯まで甘く柔らかく
北海道・食の王国
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北海道
2020/1/18 11:30
大粒のブランドイチゴが旭川で生まれた。のなか農園（北海道旭川市）が開発した「瑞の香」は北海道で初めて個人が品種登録した品種。芯まで赤くやわらかく、甘さにも徹底してこだわった。札幌市内の青果店では6個程度入った1ケースが2000円前後で売れていく真っ赤なダイヤ
一般的な市販のイチゴの芯が白く、固いのは商品として長く日持ちさせるため。日持ちしにくい瑞の香は一般的なプラスチックケースの10倍以上の高価な専用ケースに入って出荷されていく。瑞の香はのなか農園の独自品種で、大粒で甘さとなめらかな食感が特長だ
21年前、短大を卒業して20歳で「のなか農園」3代目農場主になった野中剛さんとイチゴ栽培の出会いは偶然だった。父親から「コメ以外も作ってみたら」と言われ、単価の高い作物を調べるとトップがパプリカ、2番目がイチゴだったと笑う。高設栽培できるイチゴが「かっこいいし、楽そう」と安易に選んだ。
全く知識がないままスタートしたため、ある日「葉っぱじゃない何かが生えている」と焦ったことも。先輩農家に尋ねてそれがつぼみだと知ったくらい、門外漢だった。イチゴ栽培が軌道に乗ると、旭川市内のホテルとウエディング用ケーキ用に直接取引を始めた。
出荷シーズンを終えて「また来年もお願いします」とお礼を言った時のこと。ホテル担当者による「年中使いたいのですけどね」の一言が野中さんの転機となった。結婚式に季節はない。一年中収穫できる甘みの強いイチゴができないか。開発がスタートする。複数の品種を試したところ、「さがほのか」など複数の品種を組み合わせれば一年中イチゴを出荷できることがわかった。ただ、盆地の旭川は夏の猛暑もあなどれない。暑さに弱いイチゴはせっかくできた花芽を退化させてしまうが、エアコンをフル稼働させればコストは見合わなくなる。
イチゴの栽培は温度管理が肝だ。寒すぎても暑すぎても、イチゴは一年中花を咲かせてくれない。冬の光熱費が桁違いの北海道に有力なブランドがないのはこうした空調や物流コストが高いのも一因とみられ、スーパーで売られている一般的な価格では釣り合わない。イチゴを使ったスパークリングワイン「苺泡」はすっきりした辛口
野中さんは種を一つ一つ取り出して品種改良を重ね、ようやく高値で買い手がつく品質のイチゴを完成させた。審査官や専門家による2年間の調査を経て他に同じ品種がないことが確認され、晴れて新品種に。「そう簡単には外に出さない」という決意を込め、長女の名前から一文字とって瑞の香と名付けた。
イチゴを使った商品開発にも熱心だ。2018年に発売したスパークリングワイン「苺泡」は、果実を使ったワイン醸造を得意とする八剣山ワイナリー（札幌市）で仕込んだ。コルクを空けるや広がる甘い香りながら、意外な辛口がすがすがしい。チーズや海鮮料理とよく合うと人気が出始めている。
そのままでも高価な瑞の香を原料として100%使っており、製造コストは高い。今年は新たに2品種の試験栽培を始める予定で、コストを押さえられる醸造専門のイチゴ品種の開発も目指している。「将来はワイナリーも」と探究心はとどまるところを知らない。
北ガスコージェネレーション発電で経費は半額になり、北海道は　トロピカルフルーツ
を一番安価で提供できる一大産地になる。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54481370W0A110C2L41000/

https://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO5448133016012020L41001&dc=1&ng=DGXMZO54481370W0A110C2L41000&z=20200118

https://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO5450108017012020L41001&dc=1&ng=DGXMZO54481370W0A110C2L41000&z=20200118

https://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO5448135016012020L41001&dc=1&ng=DGXMZO54481370W0A110C2L41000&z=20200118