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キャスターのニュース
*14:42JST キャスター Research Memo(2):フルリモートワークと独自システムによる人材プラットフォームを展開
■会社概要
キャスター<9331>は、「リモートワークを当たり前にする」というミッションの下、人手不足に悩む中小企業とリモートワーカーをつなぐプラットフォームを軸とする人材サービスを提供している。同社が契約するリモートワーカーと創業以来独自に培ってきたシステム環境や組織運営のノウハウを最大限活用することにより、従来の人物や業務単位でのマッチングではなく、より細やかなタスク単位(小ロット)でのマッチングを実現、この結果SaaSのような使い勝手の良い月額定額でのサービス提供を実現したことにより、主に中小企業での利用が進み高成長を継続してきた。小ロットながら、顧客の通常業務運営に取り込まれる継続サービスが中心となるため、小ロットで単発(マッチング)サービスを提供するマッチング型クラウドソーシングや、大ロットで顧客の業務プロセスの一部を請け負うBPOとは一線を画した特異なポジションを確立し、新たな市場を開拓している。
累計利用社数はスタートアップ及び中小企業を中心に4,800社(80%以上が従業員数300名以下)を超え、直近の稼働社数は約1,200社に上る。一方、従業員数は高い採用力を背景に約830名を確保しており、2014年創業以来、フルリモートワークによる組織運営を実践してきた。
事業セグメントは、顧客企業とリモートワーカーをつなぐプラットフォームを運営する「WaaS事業」※のほか、リモート派遣サービスや求人サイト、新規事業による「その他事業」の2つに分類されるが、主力の「WaaS事業」が売上高全体の約80%を占める。
※WaaSとは、Workforce as a Service の略称。
1. 各事業の概要
(1) WaaS事業
顧客企業の希望に応じて、適切なスキルを持つ人的リソースを、独自システムを用いて効率的に自動マッチングし、必要な時間だけ提供する新形態のサービスである。1) 「CASTER BIZシリーズ」と2) 「My Assistant」に分けられる。
1) 「CASTER BIZシリーズ」は、秘書、経理、人事、採用、カスタマーサポート、マーケティングなどバックオフィス業務代行を中心としたサービスであり、それぞれ独立したブランドで展開している。顧客企業と時間単位※1で契約し、顧客企業から受注した仕事を、全国に所在する同社のリモートアシスタント※2が代行して役務提供を行う。顧客企業はフロントに対して仕事の依頼を行うだけで良く、工数の大きい作業者への指示や品質確認についてもすべてフロントに任せ、納品を待つだけの手間のないオペレーションが最大の特長となっている。フロントは顧客企業から依頼された仕事の工程を整理し、タスクとして細分化したうえで、作業に適したキャストをアサインして一斉に振り分け、それぞれ完了した成果物を一式として検品し、顧客企業へ納品する。キャストのアサインにおいては自社で開発したシステムを活用しており、キャストのスキル、過去の仕事への対応情報など、膨大なデータを蓄積し、独自のアルゴリズムを用いて、顧客企業からの仕事の依頼に適したキャストを自動検出する。顧客企業からの仕事の依頼は幅広いものの、フロントによる仕事の細分化、自社システムによる自動マッチングによって高効率なオペレーションを確立することで、時間・成果物のクオリティの担保を実現している。
※1 創業時から提供している「CASTER BIZ assistant」では、6ヶ月契約と12ヶ月契約の2プランがあり、それぞれ月30時間の利用が可能となっている。
※2 同社が雇用・契約し、顧客企業に対して各種のサービス提供するリモートワーカーを指す。
2) 「My Assistant」は、既存サービスである「CASTER BIZ assistant」をさらに小ロット化し、最低契約時間を短くすることで販売価格を安価(月2.5万円〜)に設定したサービスである※。独自システムの活用と専属チームのサポートにより円滑な事業運営を実現し、工数を最大限排除しているところに特長がある。主な依頼業務は、軽微なルーティン業務や文字起こし、情報調査等が中心となる。
※「CASTER BIZ assistant」の最低契約時間である30時間/月を10時間/月まで短縮。
(2) その他事業
「在宅派遣」(リモート派遣サービス)、「Reworker」(リモートワーク特化の求人サイト)を展開するほか、新規事業の開発も含まれている。「在宅派遣」「Reworker」においては、ワーカーの直接のマネジメントを希望する顧客企業に向けて、各地に所在するリモートワーカーを派遣・紹介し、時間的・物理的制約を取り払った人材の広い選択肢を提供しているところに特長がある。リモートワークを希望する求職者に対しても、リモート勤務可能な求人に限定して提案することで、求職者のライフスタイルに合った多様な働き方の実現に貢献している。また、新規事業の開発においては、あらゆる仕事のリモート化の実現を目的とし、新規事業の企画立案・実行のほか、M&Aの調査・実行による売上の拡大及び対応可能な業種・職種の多角化を推進している。なお、ドイツ(ベルリン)とUAE(ドバイ)に拠点を開設し、2022年より開始した「CASTER BIZ assistant」の海外展開については、世界的なインフレの影響や採用難からリストラクチャリング(拠点閉鎖等)を進めている。
2. 創業の経緯と主な沿革
同社は、日本市場におけるリモートワーカーの発展途上な環境にもどかしさを感じていた現 代表取締役の中川祥太(なかがわしょうた)氏により、適正な環境を構築することを目的として2014年に設立された(東京都渋谷区)。創業以降、ほぼすべての従業員がフルリモートで働いている。創業とともに秘書・人事・経理など、多様な仕事をリモートアシスタントがトータルにサポートする「CASTER BIZ」(現在のCASTER BIZ assistant)の提供を開始すると、その後は、様々な顧客ニーズに対応する形でセグメントを拡大し、顧客基盤の積み上げと高い成長を継続してきた。ただ、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)を経て、リモートワークという言葉は浸透してきたが、まだまだ同社の思い描いている世界には至っておらず、「リモートワークを当たり前にする」というミッションの一層の推進を目的に、2023年10月に東証グロース市場に上場した。リモートワークで働く、または働きたい人たちからの強い支持を背景に、日本の労働人口減という問題に対して有効な解決策を提示することで、事業の拡張と社会への貢献を果たす考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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キャスター<9331>は、「リモートワークを当たり前にする」というミッションの下、人手不足に悩む中小企業とリモートワーカーをつなぐプラットフォームを軸とする人材サービスを提供している。同社が契約するリモートワーカーと創業以来独自に培ってきたシステム環境や組織運営のノウハウを最大限活用することにより、従来の人物や業務単位でのマッチングではなく、より細やかなタスク単位(小ロット)でのマッチングを実現、この結果SaaSのような使い勝手の良い月額定額でのサービス提供を実現したことにより、主に中小企業での利用が進み高成長を継続してきた。小ロットながら、顧客の通常業務運営に取り込まれる継続サービスが中心となるため、小ロットで単発(マッチング)サービスを提供するマッチング型クラウドソーシングや、大ロットで顧客の業務プロセスの一部を請け負うBPOとは一線を画した特異なポジションを確立し、新たな市場を開拓している。
累計利用社数はスタートアップ及び中小企業を中心に4,800社(80%以上が従業員数300名以下)を超え、直近の稼働社数は約1,200社に上る。一方、従業員数は高い採用力を背景に約830名を確保しており、2014年創業以来、フルリモートワークによる組織運営を実践してきた。
事業セグメントは、顧客企業とリモートワーカーをつなぐプラットフォームを運営する「WaaS事業」※のほか、リモート派遣サービスや求人サイト、新規事業による「その他事業」の2つに分類されるが、主力の「WaaS事業」が売上高全体の約80%を占める。
※WaaSとは、Workforce as a Service の略称。
1. 各事業の概要
(1) WaaS事業
顧客企業の希望に応じて、適切なスキルを持つ人的リソースを、独自システムを用いて効率的に自動マッチングし、必要な時間だけ提供する新形態のサービスである。1) 「CASTER BIZシリーズ」と2) 「My Assistant」に分けられる。
1) 「CASTER BIZシリーズ」は、秘書、経理、人事、採用、カスタマーサポート、マーケティングなどバックオフィス業務代行を中心としたサービスであり、それぞれ独立したブランドで展開している。顧客企業と時間単位※1で契約し、顧客企業から受注した仕事を、全国に所在する同社のリモートアシスタント※2が代行して役務提供を行う。顧客企業はフロントに対して仕事の依頼を行うだけで良く、工数の大きい作業者への指示や品質確認についてもすべてフロントに任せ、納品を待つだけの手間のないオペレーションが最大の特長となっている。フロントは顧客企業から依頼された仕事の工程を整理し、タスクとして細分化したうえで、作業に適したキャストをアサインして一斉に振り分け、それぞれ完了した成果物を一式として検品し、顧客企業へ納品する。キャストのアサインにおいては自社で開発したシステムを活用しており、キャストのスキル、過去の仕事への対応情報など、膨大なデータを蓄積し、独自のアルゴリズムを用いて、顧客企業からの仕事の依頼に適したキャストを自動検出する。顧客企業からの仕事の依頼は幅広いものの、フロントによる仕事の細分化、自社システムによる自動マッチングによって高効率なオペレーションを確立することで、時間・成果物のクオリティの担保を実現している。
※1 創業時から提供している「CASTER BIZ assistant」では、6ヶ月契約と12ヶ月契約の2プランがあり、それぞれ月30時間の利用が可能となっている。
※2 同社が雇用・契約し、顧客企業に対して各種のサービス提供するリモートワーカーを指す。
2) 「My Assistant」は、既存サービスである「CASTER BIZ assistant」をさらに小ロット化し、最低契約時間を短くすることで販売価格を安価(月2.5万円〜)に設定したサービスである※。独自システムの活用と専属チームのサポートにより円滑な事業運営を実現し、工数を最大限排除しているところに特長がある。主な依頼業務は、軽微なルーティン業務や文字起こし、情報調査等が中心となる。
※「CASTER BIZ assistant」の最低契約時間である30時間/月を10時間/月まで短縮。
(2) その他事業
「在宅派遣」(リモート派遣サービス)、「Reworker」(リモートワーク特化の求人サイト)を展開するほか、新規事業の開発も含まれている。「在宅派遣」「Reworker」においては、ワーカーの直接のマネジメントを希望する顧客企業に向けて、各地に所在するリモートワーカーを派遣・紹介し、時間的・物理的制約を取り払った人材の広い選択肢を提供しているところに特長がある。リモートワークを希望する求職者に対しても、リモート勤務可能な求人に限定して提案することで、求職者のライフスタイルに合った多様な働き方の実現に貢献している。また、新規事業の開発においては、あらゆる仕事のリモート化の実現を目的とし、新規事業の企画立案・実行のほか、M&Aの調査・実行による売上の拡大及び対応可能な業種・職種の多角化を推進している。なお、ドイツ(ベルリン)とUAE(ドバイ)に拠点を開設し、2022年より開始した「CASTER BIZ assistant」の海外展開については、世界的なインフレの影響や採用難からリストラクチャリング(拠点閉鎖等)を進めている。
2. 創業の経緯と主な沿革
同社は、日本市場におけるリモートワーカーの発展途上な環境にもどかしさを感じていた現 代表取締役の中川祥太(なかがわしょうた)氏により、適正な環境を構築することを目的として2014年に設立された(東京都渋谷区)。創業以降、ほぼすべての従業員がフルリモートで働いている。創業とともに秘書・人事・経理など、多様な仕事をリモートアシスタントがトータルにサポートする「CASTER BIZ」(現在のCASTER BIZ assistant)の提供を開始すると、その後は、様々な顧客ニーズに対応する形でセグメントを拡大し、顧客基盤の積み上げと高い成長を継続してきた。ただ、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)を経て、リモートワークという言葉は浸透してきたが、まだまだ同社の思い描いている世界には至っておらず、「リモートワークを当たり前にする」というミッションの一層の推進を目的に、2023年10月に東証グロース市場に上場した。リモートワークで働く、または働きたい人たちからの強い支持を背景に、日本の労働人口減という問題に対して有効な解決策を提示することで、事業の拡張と社会への貢献を果たす考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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