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*12:45JST キャスター Research Memo(5):2023年8月期は稼働社数及びARPUが伸び、創業来初の営業黒字化を実現
■決算概要
● 2023年8月期業績の概要
キャスター<9331>の2023年8月期の業績は、売上高が前期比25.2%増の4,179百万円、営業利益が2百万円(前期は162百万円の損失)、経常利益が18百万円(同161百万円の損失)、当期純利益が29百万円(同145百万円の純損失)と増収及び創業来初の営業黒字化を実現した。株式上場時(2023年10月4日)に公表した業績予想に対しても概して若干上回る着地となっている。
売上高は、稼働社数とARPUがそれぞれ順調に伸び、主力の「WaaS事業」及び「その他事業」がともに増収となった。2023年8月期末の稼働社数は1,168社(前期末比122社増)、ARPU(月平均顧客単価)は299千円(前期比7千円増)に拡大した。なお、ARPUの増加については、2023年4月に実施した値上げの効果と高単価サービスへのシフトによると考えられるが、趨勢的な動きとして後者によるところが大きかったようだ(値上げの効果については徐々に発現する見込み)。一方、解約率については、値上げの影響により4.0%(前期は3.8%)に若干上昇したものの、足元では沈静化に向かっている。また、MRRは3.3億円(前期は3.0億円)に増加しており、収益基盤の底上げも図られている。
損益面では、海外事業等への先行費用を投下しながらも、増収による収益の押し上げに加え、独自システムによる業務効率化と広告投資の効率化により費用を圧縮し、創業来初の営業黒字化を実現した。なお、「その他事業」がセグメント損失となっているのは、海外事業の立ち上げ費用によるものである。
財政状態については、社債償還(200百万円)等により現預金が減少したことで総資産は前期比10.3%減の1,873百万円に縮小。一方、自己資本は内部留保の積み増しにより同2.9%増の1,039百万円に若干増加したことから、自己資本比率は55.5%(前期末は48.3%)に改善した。なお、10月4日付けの株式上場に伴って273百万円の株式発行(資金調達)を行っており、それに伴って資本構成にも変化が生じていることには注意が必要である。
セグメント別の業績は以下のとおりである。
(1) WaaS事業
売上高は前期比25.1%増の3,320百万円、セグメント利益は同141.3%増の664百万円と順調に拡大した。継続的な広告投資による集客やセグメント拡大に伴うサービスラインナップの拡充、受注力向上に向けた取り組みなどにより稼働社数が順調に伸び、売上高も好調に推移した。損益面では、広告投資を継続しながらも、その効率化や利益創出のための厳格な生産管理、各種費用の見直しなどにより大幅な増益を達成した。
(2) その他事業
売上高は前期比25.4%増の858百万円、セグメント損失は141百万円(前期は20百万円の利益)と増収ながらセグメント損失を計上した。人手不足による中小企業の採用難を受けて、リモート人材の紹介・派遣の需要が増加し、売上高は堅調に推移した。一方、損益面では、新規事業である海外事業の立ち上げに伴う費用の増加によりセグメント損失を計上した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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● 2023年8月期業績の概要
キャスター<9331>の2023年8月期の業績は、売上高が前期比25.2%増の4,179百万円、営業利益が2百万円(前期は162百万円の損失)、経常利益が18百万円(同161百万円の損失)、当期純利益が29百万円(同145百万円の純損失)と増収及び創業来初の営業黒字化を実現した。株式上場時(2023年10月4日)に公表した業績予想に対しても概して若干上回る着地となっている。
売上高は、稼働社数とARPUがそれぞれ順調に伸び、主力の「WaaS事業」及び「その他事業」がともに増収となった。2023年8月期末の稼働社数は1,168社(前期末比122社増)、ARPU(月平均顧客単価)は299千円(前期比7千円増)に拡大した。なお、ARPUの増加については、2023年4月に実施した値上げの効果と高単価サービスへのシフトによると考えられるが、趨勢的な動きとして後者によるところが大きかったようだ(値上げの効果については徐々に発現する見込み)。一方、解約率については、値上げの影響により4.0%(前期は3.8%)に若干上昇したものの、足元では沈静化に向かっている。また、MRRは3.3億円(前期は3.0億円)に増加しており、収益基盤の底上げも図られている。
損益面では、海外事業等への先行費用を投下しながらも、増収による収益の押し上げに加え、独自システムによる業務効率化と広告投資の効率化により費用を圧縮し、創業来初の営業黒字化を実現した。なお、「その他事業」がセグメント損失となっているのは、海外事業の立ち上げ費用によるものである。
財政状態については、社債償還(200百万円)等により現預金が減少したことで総資産は前期比10.3%減の1,873百万円に縮小。一方、自己資本は内部留保の積み増しにより同2.9%増の1,039百万円に若干増加したことから、自己資本比率は55.5%(前期末は48.3%)に改善した。なお、10月4日付けの株式上場に伴って273百万円の株式発行(資金調達)を行っており、それに伴って資本構成にも変化が生じていることには注意が必要である。
セグメント別の業績は以下のとおりである。
(1) WaaS事業
売上高は前期比25.1%増の3,320百万円、セグメント利益は同141.3%増の664百万円と順調に拡大した。継続的な広告投資による集客やセグメント拡大に伴うサービスラインナップの拡充、受注力向上に向けた取り組みなどにより稼働社数が順調に伸び、売上高も好調に推移した。損益面では、広告投資を継続しながらも、その効率化や利益創出のための厳格な生産管理、各種費用の見直しなどにより大幅な増益を達成した。
(2) その他事業
売上高は前期比25.4%増の858百万円、セグメント損失は141百万円(前期は20百万円の利益)と増収ながらセグメント損失を計上した。人手不足による中小企業の採用難を受けて、リモート人材の紹介・派遣の需要が増加し、売上高は堅調に推移した。一方、損益面では、新規事業である海外事業の立ち上げに伴う費用の増加によりセグメント損失を計上した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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