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飯野海運 Research Memo(2):歴史ある海運業と不動産業が両輪

配信元:フィスコ
投稿:2022/06/17 15:32
■会社概要

1. 会社概要
飯野海運<9119>は1899年の創業(飯野商会、京都府舞鶴市)以来120年以上の歴史を誇る海運会社である。現在は資源・エネルギー輸送を主力とする海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と、本社の飯野ビルディング(東京都千代田区)を主力とするオフィスビル賃貸の不動産業を両輪として事業を展開している。

2022年3月期末の資産合計は247,130百万円、純資産は91,333百万円、資本金は13,092百万円、自己資本比率は36.9%、1株当たり純資産は863円00銭、発行済株式数は108,900,000株(うち自己株式数3,094,798株)である。

2022年3月期末時点のグループ会社は、同社およびグループ会社76社(連結対象子会社62社、持分法適用会社5社、連結対象外の関係会社9社)の合計77社で構成されている。海外は駐在員事務所をドバイ、上海に、現地法人をシンガポール、ヒューストン、ロンドン、ドバイ(2021年8月設立)に展開している。主要な連結子会社は外航海運業のAZALEA TRANSPORT S.A.、内航・近海海運業のイイノガストランスポート(株)などである。なお2020年1月にIKK HOLDING LTDを設立し、英国ロンドンのオフィスビルを取得している。

2. 沿革
1899年、創業者の飯野寅吉(いいのとらきち)氏が京都府舞鶴市に飯野商会を設立して港湾荷役業および石炭運送業に着手、1944年に現商号の飯野海運株式会社に改称、1949年に東京証券取引所に上場した。2004年には海上運送業においてISO9001およびISO14001を同時認証取得、2005年にはビル賃貸業においてISO9001およびISO14001を同時認証取得している。そして2019年7月に創業120周年を迎えた。なお2022年4月の東京証券取引所の市場再編に伴ってプライム市場に移行・上場した。

海運業では1964年の海運集約に際して定期船部門を分離・譲渡し、以来、タンカー・不定期貨物船経営を主力としている。ケミカルタンカー事業に本格進出したのは1980年代で、1991年にはインドネシア産LNGプロジェクトに参画してLNG輸送に進出、1993年にはカタール産LNGプロジェクトに参画、2001年には世界最大級のサウジアラビア・メタノール製造プロジェクトに参画した。また2019年12月には同社初の二元燃料主機関搭載メタノール船が竣工、2020年3月には同社初のSOxスクラバー(脱硫装置)搭載のVLCCが竣工、2022年2月にはLPGを燃料として使用できる同社初の二元燃料主機関搭載VLGCが竣工した。環境への負荷を低減する技術の積極導入を進めている。

不動産業では2011年に飯野ビルディングの建替え1期工事が完了して開業、本社オフィスが日本初の「LEEDプラチナ認証」を取得、2014年に飯野ビルディング2期工事が完了してグランドオープンした。2021年6月には旧東京桜田ビルを含む新橋田村町地区市街地再開発事業の「日比谷フォートタワー」が竣工した。なお、2020年3月に英国ロンドンのオフィスビルを取得して海外不動産を事業ポートフォリオに加えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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配信元: フィスコ

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