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丸運のニュース
■今後の課題・展望
5. ドライバー不足
ドライバー不足については、ヤマト運輸などのBtoC中心の業者に比べて、丸運<9067>などBtoB業者はより深刻な問題となっている。宅配便の配達には普通免許で対応可能だが、路線トラックでは大型免許が必須で、対象ドライバーの数が限定されるからだ。
同社の荒木社長自ら大型免許を取得した経験があるが、大型免許は取得に時間を要するため、ドライバーが一朝一夕に増えず、トレーラーの運転に必要なけん引免許は実運転経験が必要で、取得がさらに難しい。これに“働き方改革”によって、1人当たりの時間を縮小せざるを得ない労働時間の問題も加わる。
同時に法整備が進められている外国人労働者については、右ハンドル、左ハンドルなど道路交通の制度上の問題もあるほか、石油関連輸送に関しては取扱資格などもネックになるそうで、短期的に即戦力となるプロのドライバーを養成するのは難しい。
そのため、外国人労働者の雇用が進むようになった場合は、フォークリフトの運転などを任せ、それに従事していた日本人社員をドライバーにシフトさせるといった対応を取るとしている。
いずれにしても、人手不足は間違いないため、外国人労働者が難しいとなると、シニア層の拡大も課題になりそうだ。定年延長、再雇用年齢の延長などがいずれ検討されることが想定される。
さらに、同社は、ビジネスのあり方を変えることを顧客に要請するという。例えば、従来だと集荷の際、待ち時間などのロスは業務外と位置付けていたが、それもトータルで業務に含めていく。そうすることで、効率化を図ることができる。いずれにしても、ドライバー不足の解消は成長を目指すうえで対処が必要だ。
従前からの勤労人口の減少に加えて、“働き方改革”による影響もあり、同社はもちろん、業界全体で今後もドライバー不足問題は課題となり続ける可能性が高い。
6. 運賃価格改定について
ドライバー不足も大きな要因となっている運賃価格改定については、上半期の段階では順調に浸透した。しかし、軽油価格上昇の転嫁に関しては、最近のように相場が短期間で上下に変動するような局面では、顧客の理解を得るのが難しいという。そのため、同社では軽油価格について、エアラインの運賃のようなサーチャージの導入を考えている。これを導入することによって、価格の透明性がより増し、軽油価格の上昇時の運賃への転嫁がしやすくなりそうだ。
7. システムイノベーション
同社のシステムは旧型で、今後の事業発展を踏まえると対応が難しくなるため、4つの基幹システムについて、2019年3月期からシステム投資を実施。新システムは2021年3月期中の稼動を目指す。
成長戦略に不可欠な投資ではあるが、投資金額が大きくなるため、この投資は中期経営計画の枠外で実行するという。
8. M&Aに関しての考え方
M&Aについては、長期的な成長戦略に不可欠との考えだ。国内に関しては、一般貨物について、良いパートナーがあればタイミングを計ってM&Aを実行する。とりわけ、これまで傭車先であった中小業者に関して、トラック、ドライバーを増強するために買収を進めたいという。海外については、海外のコンサルを通じて日系企業ではなく、現地資本の企業を考え、拠点のあるベトナムの企業がターゲットになりそうだ。
M&Aを実施する場合、資金は長期借入金と手持ち資金に余裕があるため、借入れと自己資金でまかなうという。
9. 新規事業・案件
新規事業、案件は持っているノウハウを活用して開拓する。例えば、一般的に既存の冷蔵倉庫は老朽化しており、きめ細かな対応ができない。同社の冷蔵倉庫は5温度帯(常温・定温・冷蔵・氷温・冷凍)物流で対応しており、これらを活用すれば、後発でも十分ビジネスチャンスがあると目論む。
また、CSR的な事業にも、実ビジネスに繋がるものに積極的に取り組んでいる。その1つがスポーツ物流で、例えば、大学の事業は基本的に入札だが、学生の自主的な活動である部活についてはその限りではない。運動部の遠征などを効率的に行い、部のコスト削減になるような運送を提案し、アマチュアスポーツをサポートする。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
<HN>
5. ドライバー不足
ドライバー不足については、ヤマト運輸などのBtoC中心の業者に比べて、丸運<9067>などBtoB業者はより深刻な問題となっている。宅配便の配達には普通免許で対応可能だが、路線トラックでは大型免許が必須で、対象ドライバーの数が限定されるからだ。
同社の荒木社長自ら大型免許を取得した経験があるが、大型免許は取得に時間を要するため、ドライバーが一朝一夕に増えず、トレーラーの運転に必要なけん引免許は実運転経験が必要で、取得がさらに難しい。これに“働き方改革”によって、1人当たりの時間を縮小せざるを得ない労働時間の問題も加わる。
同時に法整備が進められている外国人労働者については、右ハンドル、左ハンドルなど道路交通の制度上の問題もあるほか、石油関連輸送に関しては取扱資格などもネックになるそうで、短期的に即戦力となるプロのドライバーを養成するのは難しい。
そのため、外国人労働者の雇用が進むようになった場合は、フォークリフトの運転などを任せ、それに従事していた日本人社員をドライバーにシフトさせるといった対応を取るとしている。
いずれにしても、人手不足は間違いないため、外国人労働者が難しいとなると、シニア層の拡大も課題になりそうだ。定年延長、再雇用年齢の延長などがいずれ検討されることが想定される。
さらに、同社は、ビジネスのあり方を変えることを顧客に要請するという。例えば、従来だと集荷の際、待ち時間などのロスは業務外と位置付けていたが、それもトータルで業務に含めていく。そうすることで、効率化を図ることができる。いずれにしても、ドライバー不足の解消は成長を目指すうえで対処が必要だ。
従前からの勤労人口の減少に加えて、“働き方改革”による影響もあり、同社はもちろん、業界全体で今後もドライバー不足問題は課題となり続ける可能性が高い。
6. 運賃価格改定について
ドライバー不足も大きな要因となっている運賃価格改定については、上半期の段階では順調に浸透した。しかし、軽油価格上昇の転嫁に関しては、最近のように相場が短期間で上下に変動するような局面では、顧客の理解を得るのが難しいという。そのため、同社では軽油価格について、エアラインの運賃のようなサーチャージの導入を考えている。これを導入することによって、価格の透明性がより増し、軽油価格の上昇時の運賃への転嫁がしやすくなりそうだ。
7. システムイノベーション
同社のシステムは旧型で、今後の事業発展を踏まえると対応が難しくなるため、4つの基幹システムについて、2019年3月期からシステム投資を実施。新システムは2021年3月期中の稼動を目指す。
成長戦略に不可欠な投資ではあるが、投資金額が大きくなるため、この投資は中期経営計画の枠外で実行するという。
8. M&Aに関しての考え方
M&Aについては、長期的な成長戦略に不可欠との考えだ。国内に関しては、一般貨物について、良いパートナーがあればタイミングを計ってM&Aを実行する。とりわけ、これまで傭車先であった中小業者に関して、トラック、ドライバーを増強するために買収を進めたいという。海外については、海外のコンサルを通じて日系企業ではなく、現地資本の企業を考え、拠点のあるベトナムの企業がターゲットになりそうだ。
M&Aを実施する場合、資金は長期借入金と手持ち資金に余裕があるため、借入れと自己資金でまかなうという。
9. 新規事業・案件
新規事業、案件は持っているノウハウを活用して開拓する。例えば、一般的に既存の冷蔵倉庫は老朽化しており、きめ細かな対応ができない。同社の冷蔵倉庫は5温度帯(常温・定温・冷蔵・氷温・冷凍)物流で対応しており、これらを活用すれば、後発でも十分ビジネスチャンスがあると目論む。
また、CSR的な事業にも、実ビジネスに繋がるものに積極的に取り組んでいる。その1つがスポーツ物流で、例えば、大学の事業は基本的に入札だが、学生の自主的な活動である部活についてはその限りではない。運動部の遠征などを効率的に行い、部のコスト削減になるような運送を提案し、アマチュアスポーツをサポートする。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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