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南海電気鉄道のニュース
南海電鉄本社
南海電気鉄道株式会社(社長:岡嶋 信行 以下、「南海電鉄」)は、独自開発したナノテクノロジー素材を用いた「熱線遮蔽フィルム」や赤外光を利用する「透明太陽電池」など、未来の省エネ、創エネ技術を先導する株式会社OPTMASS(社長:中川 徹、以下「OPTMASS」)と協力し、OPTMASSの目指す(*)グリーンナノテクノロジー技術を導入した脱炭素社会の実現に向けて共に進んでいくことに合意いたしました。
(*)グリーンナノテクノロジー:環境問題、エネルギー問題の解決に貢献し持続可能な社会の創造に資するナノテクノロジーの総称
OPTMASSは、CTO坂本雅典(創業者、大阪大学 産業科学研究所 教授)が開発したナノテクノロジーによる省エネや創エネ技術を利用した熱線制御技術の社会実装のため、2021年に設立された大阪大学のスタートアップ企業となります。太陽光の熱線を遮断し、室内の温度の上昇を防ぐ熱線遮蔽フィルムの開発や、赤外線から発電する透明な太陽電池の開発を通じ、脱炭素・カーボンニュートラル社会の実現を目指しています。
OPTMASSは物質の最小構成単位である原子から材料をくみ上げるボトムアップ技術を用いて様々なナノ素材を開発してきました。最先端のナノテクノロジーを応用することで、透明性と熱線カット効果を高い水準で両立した次世代の「熱線捕集ナノ粒子」およびそれを導入した熱線遮蔽フィルムの開発を進めてきました。熱線遮蔽フィルムは窓からビル内に入る熱線を選択的に遮断することで、室温の上昇を抑え、空調負荷の低減を通じて省エネ効果を産み出します。窓に貼り付けるだけで省エネ効果をもたらすことが可能となるため、誰でも簡単に施工でき、効果的にCO2削減を実現することが可能です。
南海電鉄はOPTMASSが推進するグリーンナノテクノロジーを用いた省エネ・創エネ技術開発に対して、実証実験を行う場所や省エネ・創エネに関するデータを提供するなどの協力を行います。両社は手を取り合って人々の豊かな生活と地球環境の保全を両立できる未来の脱炭素社会の創造を目指します。
両社が協力して行う取り組みの第一弾として、南海電鉄本社(南海なんば第1ビル)の一部で、2024年7月11日(木)から、OPTMASS製の熱線遮蔽フィルム「OPT-block」の性能評価を実施いたします。OPTMASSが開発した最先端のナノテク素材を用いた熱線遮蔽フィルムを南海電鉄本社(南海なんば第1ビル)に施工し(施工面積125.7平方メートル )、グリーンナノテクノロジーを用いた次世代の省エネ技術が南海電鉄本社(南海なんば第1ビル)にもたらすCO2削減の効果の評価を行います。OPTMASSではこれまで熱線遮蔽フィルムに関する小規模な実証実験を行ってきましたが、今回のような大規模の実証実験は初めてであり、世界初の取り組みとなります。
南海グループでは、サステナビリティ方針のもと、長期的に取り組むべき重点施策としてSDGsの視点を取り入れた7つのサステナブル重要テーマ(マテリアリティ)を設定しています。中でも、「地球環境保全への貢献」 における気候変動リスクを南海グループ最大のリスクの一つと捉え、2030年度のCO2排出量について、2013年度比で46%削減、2050年には実質排出量ゼロとすることを目標としています。省エネ車両や省エネ機器の導入、鉄道の運転電力への再生可能エネルギーの活用、当社社有地におけるメガソーラーによる創エネルギーの推進など、様々な手法によるCO2排出量の削減に努めておりますが、本実証実験もその一環であり、地球環境保全への貢献という社会利益の創造を通じて、サステナブル経営をより一層推進してまいります。
(https://www.nankai.co.jp/sustainability/materiality/06environment/climate_change)
熱線遮蔽フィルムや透明太陽電池をはじめとする、最先端のグリーンナノテクノロジーを利用した熱線制御技術の実用化に向け、OPTMASSと南海電鉄が協力することで、省エネと創エネ双方への取り組みを通じて、脱炭素社会の実現に寄与したいと考えています。
【会社概要】
【会社名】南海電気鉄道株式会社
【代表者】代表取締役社長 岡嶋 信行
【本 社】大阪市浪速区敷津東 2-1-41
(南海なんば第1ビルの所在地)
【URL】https://www.nankai.co.jp/
【会社名】株式会社OPTMASS
【代表者】代表取締役社長 中川 徹
【本 社】京都府宇治市大久保町西ノ端1番地の25 宇治ベンチャー企業育成工場区画番号第1号
【URL】https://www.optmass.jp/
南海電鉄とOPTMASSは、SDGsへの取組みを強化しています。今回ご案内の取組みは 7 番、9 番、11 番、13 番、17 番に繋がるものです。
OPTMASS 技術解説
1.独自開発したナノテクノロジー素材を用いた熱線遮蔽フィルム「OPT-block」
OPTMASSでは大阪大学と共同で熱線を捕集する能力と透明性を両立する次世代の熱線捕集材料(熱線捕集ナノ粒子)を開発してきました。この先端素材を利用することで、高機能の熱線遮蔽フィルムの開発を進めています。熱線遮蔽フィルムは窓からビル内に入る熱線を選択的に遮断することで、室温の上昇を抑え、空調負荷の低減を通じて省エネ効果を産み出します。OPTMASSの熱線遮蔽フィ ルム「OPT-block」は、先端素材を使用することで透明性と熱線遮蔽能力のバランスに優れており、既存 の建物への後付け導入が容易である点に強みがあると考えています。目に見えない透明な熱線遮蔽材料 の社会実装は、環境、エネルギー問題の解決に資する新たなマテリアル、産業を社会に提案する試みとなります。今回の取り組みは、事業化に向けた初の大規模実証実験となります。
2.赤外光を利用する「透明太陽電池」
OPTMASSでは未利用の再生可能エネルギーである熱線のエネルギー資源化を可能とする「熱線を電力に変換する透明な太陽電池の開発」を行っています。地表に到達する太陽光の 46%は赤外域の太陽光(熱線)であり、この未利用の太陽光エネルギー資源を有効に利用可能な太陽電池は、人類がクリーンで持続可能なエネルギー源である太陽光を今まで以上に有効利用することに貢献します。また、目に見えない熱線を利用して発電することから太陽電池自体を透明化することができ、建物の窓ガラスで発電するなどの未来のエネルギー生産プロセスを提案することが可能になります。OPTMASSでは2030年度の社会実装を目指し、透明太陽電池の開発に取り組んでいます。
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