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サンフロンティア不動産のニュース
*15:05JST サンフロ不動産 Research Memo(5):第2四半期以降、大型物件を含む販売加速を見込む(1)
■サンフロンティア不動産<8934>の業績動向
1. 2025年3月期第1四半期の業績概要
2025年3月期第1四半期の業績は、売上高15,685百万円(前年同期比15.0%減)、営業利益2,834百万円(同32.6%減)、経常利益2,739百万円(同34.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,878百万円(同40.1%減)となった。大型物件の販売が少なく全体の業績は前年同期比で減収減益となるも、不動産サービス事業やホテル・観光事業等におけるストック型事業は増収増益で過去最高を更新した。経常利益率は17.5%と高い水準で推移しており、販管費は、従業員のベースアップや人的資本投資による人件費、積極的な事業投資とシステム投資等による償却費により前年同期比で増加したが計画どおりである。大型物件を含む販売は第2四半期以降に加速を見込んでおり、2024年8月8日時点の契約ベースを含む売却の進捗は、通期業績予想に対して30%強と順調であることから、通期計画の達成に懸念はないものと弊社では考える。
2. セグメント別の事業動向
(1) 不動産再生事業
不動産再生事業は、売上高8,711百万円(前年同期比13.2%増)、セグメント利益2,348百万円(同14.7%増)となった。販売件数は6件(同1件増)、前年同期比で増収増益となった。契約済み決済予定の売却件数を含めると、業績予想に対する進捗率は30%超であり、通期計画達成に向けた第2四半期以降の加速が期待される。セグメント利益率に関しては27.0%との高水準を維持しており、売却物件のキャップレート(還元利回り)も約3.9%と安定的に推移している。仕入れから商品化までの期間を指す平均事業期間は583日(前期比122日減)、事業期間が短期の物件売却が多かったことを要因として大幅に短縮された。事業期間短縮の取り組みと併せて仕入れ強化にも引き続き取り組んでおり、事業期間にこだわった運営により、高い資本効率性を実現する方針だ。契約済み未決済を含む物件の仕入れ額は17,153百万円であり、通期仕入れ目標の55,000百万円に対して3割を超える進捗を達成した。足元の仕入状況に大きな変化はなく、適正価格でコンスタントに仕入が行えている。不動産小口所有商品の販売も着実に進捗しており、累計投資者数は2024年3月期末で470人を突破している。2024年6月には、「Compass地主(慶應義塾大学前 地主プロジェクト)を発売している。地主プロジェクトは、小口化された土地を所有し建物の賃料ではなく土地の地代を運用収益として受け取るため、テナントの入居率に関わらず長期にわたり安定した運用収益を得られる点が特徴である。
また、直近のリリースでは、2024年7月31日に、スタートアップ企業に対する成長支援を目的した旗艦ビルとして、PCひとつで即入居できるセットアップオフィス「SOLIX SHIBUYA(ソリックス シブヤ)」をグランドオープンした。通常のオフィス契約(2年契約)に加えて、4名または6名で利用できる執務室を専用オフィスとして、週に1日だけ、曜日ごとに利用できる「WEEK(ウィーク)」プランと、毎日利用できる「マンスリー」の2つの賃貸プラン(ともに最短3か月から利用可能)を拡充している。これにより、よりフレキシブルな利用が可能となり、オフィス選びの幅を拡げている。創業間もないスタートアップ企業の成長を後押しすることは、当該企業の事業拡大に伴う増床移転のニーズも生まれてくることから、将来的な見込み顧客の囲い込みという側面もあると弊社では見ている。
(2) 不動産サービス事業
不動産サービス事業は、売上高3,119百万円(前年同期比17.1%増)、セグメント利益1,696百万円(同9.4%増)となった。管理受託棟数を伸ばしたプロパティマネジメント事業、拠点数増の貸会議室事業を中心として業績が伸長し、第1四半期の業績としては過去最高を更新した。プロパティマネジメント事業では管理受託棟数の増加により増収増益、ビルメンテナンス事業では管理棟数の増加により増収となるも、物価上昇に伴う原価増により利益の伸長には至らなかった。リーシングマネジメント事業では、賃貸仲介において、管理受託物件における入居テナントの賃貸仲介件数は前年同期比でほぼ横ばいであり、売買仲介において、紹介案件に加えて、リピーターおよび新規顧客案件を着実に成約へつなげることで堅調に推移した。また、貸会議室事業では、需要回復による高稼働継続とともに、開業・増床による運営坪数増加が業績に寄与、更なる拠点増に向けた投資も進捗した。東京都内の貸会議室需要は検定試験や研修需要のほかにも、近年増加傾向にある会議室を持たない企業や、関連各社が集まる業界団体の研修向けの需要もあり、潜在需要によるポテンシャルは高い。滞納賃料保証事業では、前年同期比で新規契約件数が伸長しており、2024年7月には、ロイヤルホールディングス<8179>、双日<2768>、SRE ホールディングス<2980>の3社が提供する中小飲食店開業支援サービス「オミセクラフト」とパートナー契約を締結した。
(3) ホテル・観光事業
ホテル・観光事業は、売上高3,681百万円(前年同期比54.2%減)、セグメント利益845百万円(同68.0%減)となった。ホテル開発事業では、前年同期の1棟売却の反動で減収減益となるも、第2四半期以降に物件売却を予定している。足元では、軽井沢や秋田等で土地取得が進捗しており、その他地域においても開発案件が着実に進行している。今後も運営ホテルの客室数増加に向けて、M&Aや開発用地の取得を積極的に推進する。ホテル運営事業では、旅行需要の拡大継続・インバウンドの回復によって稼働率・客室単価が上昇し、大幅に増収増益となった。7月にはM&Aで「オリエンタルヒルズ沖縄」がグループに加わった。このホテルは沖縄県恩納村に立地するコテージタイプの全14棟からなり、全棟に日本最大級のプライベートプールを備えている。同事業は、佐渡島において、「たびのホテル佐渡」、「SADO NATIONAL PART HOTEL OOSADO」、「SADO RESORT HOTEL AZUMA」等の複数の宿泊施設等を展開している。佐渡島は本年7月に世界文化遺産に登録され、今後宿泊需要の増加が期待される。
(4) その他事業
その他事業は、売上高481百万円(前年同期比30.6%増)、セグメント利益157百万円(同371.5%増)となった。建設事業では、グループ子会社において工事進行基準の売上が前期より伸長したほか、前期完了済み工事の労務費の精算により増収増益となった。海外開発事業では、ベトナム新規分譲マンションプロジェクトの第2号案件である「HIYORI Aqua Tower」が2024年8月に着工した。加えて、ベトナムダナン市における3号物件に向けて、土地仕入の情報収集を同時進行で進めていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
<HN>
1. 2025年3月期第1四半期の業績概要
2025年3月期第1四半期の業績は、売上高15,685百万円(前年同期比15.0%減)、営業利益2,834百万円(同32.6%減)、経常利益2,739百万円(同34.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,878百万円(同40.1%減)となった。大型物件の販売が少なく全体の業績は前年同期比で減収減益となるも、不動産サービス事業やホテル・観光事業等におけるストック型事業は増収増益で過去最高を更新した。経常利益率は17.5%と高い水準で推移しており、販管費は、従業員のベースアップや人的資本投資による人件費、積極的な事業投資とシステム投資等による償却費により前年同期比で増加したが計画どおりである。大型物件を含む販売は第2四半期以降に加速を見込んでおり、2024年8月8日時点の契約ベースを含む売却の進捗は、通期業績予想に対して30%強と順調であることから、通期計画の達成に懸念はないものと弊社では考える。
2. セグメント別の事業動向
(1) 不動産再生事業
不動産再生事業は、売上高8,711百万円(前年同期比13.2%増)、セグメント利益2,348百万円(同14.7%増)となった。販売件数は6件(同1件増)、前年同期比で増収増益となった。契約済み決済予定の売却件数を含めると、業績予想に対する進捗率は30%超であり、通期計画達成に向けた第2四半期以降の加速が期待される。セグメント利益率に関しては27.0%との高水準を維持しており、売却物件のキャップレート(還元利回り)も約3.9%と安定的に推移している。仕入れから商品化までの期間を指す平均事業期間は583日(前期比122日減)、事業期間が短期の物件売却が多かったことを要因として大幅に短縮された。事業期間短縮の取り組みと併せて仕入れ強化にも引き続き取り組んでおり、事業期間にこだわった運営により、高い資本効率性を実現する方針だ。契約済み未決済を含む物件の仕入れ額は17,153百万円であり、通期仕入れ目標の55,000百万円に対して3割を超える進捗を達成した。足元の仕入状況に大きな変化はなく、適正価格でコンスタントに仕入が行えている。不動産小口所有商品の販売も着実に進捗しており、累計投資者数は2024年3月期末で470人を突破している。2024年6月には、「Compass地主(慶應義塾大学前 地主プロジェクト)を発売している。地主プロジェクトは、小口化された土地を所有し建物の賃料ではなく土地の地代を運用収益として受け取るため、テナントの入居率に関わらず長期にわたり安定した運用収益を得られる点が特徴である。
また、直近のリリースでは、2024年7月31日に、スタートアップ企業に対する成長支援を目的した旗艦ビルとして、PCひとつで即入居できるセットアップオフィス「SOLIX SHIBUYA(ソリックス シブヤ)」をグランドオープンした。通常のオフィス契約(2年契約)に加えて、4名または6名で利用できる執務室を専用オフィスとして、週に1日だけ、曜日ごとに利用できる「WEEK(ウィーク)」プランと、毎日利用できる「マンスリー」の2つの賃貸プラン(ともに最短3か月から利用可能)を拡充している。これにより、よりフレキシブルな利用が可能となり、オフィス選びの幅を拡げている。創業間もないスタートアップ企業の成長を後押しすることは、当該企業の事業拡大に伴う増床移転のニーズも生まれてくることから、将来的な見込み顧客の囲い込みという側面もあると弊社では見ている。
(2) 不動産サービス事業
不動産サービス事業は、売上高3,119百万円(前年同期比17.1%増)、セグメント利益1,696百万円(同9.4%増)となった。管理受託棟数を伸ばしたプロパティマネジメント事業、拠点数増の貸会議室事業を中心として業績が伸長し、第1四半期の業績としては過去最高を更新した。プロパティマネジメント事業では管理受託棟数の増加により増収増益、ビルメンテナンス事業では管理棟数の増加により増収となるも、物価上昇に伴う原価増により利益の伸長には至らなかった。リーシングマネジメント事業では、賃貸仲介において、管理受託物件における入居テナントの賃貸仲介件数は前年同期比でほぼ横ばいであり、売買仲介において、紹介案件に加えて、リピーターおよび新規顧客案件を着実に成約へつなげることで堅調に推移した。また、貸会議室事業では、需要回復による高稼働継続とともに、開業・増床による運営坪数増加が業績に寄与、更なる拠点増に向けた投資も進捗した。東京都内の貸会議室需要は検定試験や研修需要のほかにも、近年増加傾向にある会議室を持たない企業や、関連各社が集まる業界団体の研修向けの需要もあり、潜在需要によるポテンシャルは高い。滞納賃料保証事業では、前年同期比で新規契約件数が伸長しており、2024年7月には、ロイヤルホールディングス<8179>、双日<2768>、SRE ホールディングス<2980>の3社が提供する中小飲食店開業支援サービス「オミセクラフト」とパートナー契約を締結した。
(3) ホテル・観光事業
ホテル・観光事業は、売上高3,681百万円(前年同期比54.2%減)、セグメント利益845百万円(同68.0%減)となった。ホテル開発事業では、前年同期の1棟売却の反動で減収減益となるも、第2四半期以降に物件売却を予定している。足元では、軽井沢や秋田等で土地取得が進捗しており、その他地域においても開発案件が着実に進行している。今後も運営ホテルの客室数増加に向けて、M&Aや開発用地の取得を積極的に推進する。ホテル運営事業では、旅行需要の拡大継続・インバウンドの回復によって稼働率・客室単価が上昇し、大幅に増収増益となった。7月にはM&Aで「オリエンタルヒルズ沖縄」がグループに加わった。このホテルは沖縄県恩納村に立地するコテージタイプの全14棟からなり、全棟に日本最大級のプライベートプールを備えている。同事業は、佐渡島において、「たびのホテル佐渡」、「SADO NATIONAL PART HOTEL OOSADO」、「SADO RESORT HOTEL AZUMA」等の複数の宿泊施設等を展開している。佐渡島は本年7月に世界文化遺産に登録され、今後宿泊需要の増加が期待される。
(4) その他事業
その他事業は、売上高481百万円(前年同期比30.6%増)、セグメント利益157百万円(同371.5%増)となった。建設事業では、グループ子会社において工事進行基準の売上が前期より伸長したほか、前期完了済み工事の労務費の精算により増収増益となった。海外開発事業では、ベトナム新規分譲マンションプロジェクトの第2号案件である「HIYORI Aqua Tower」が2024年8月に着工した。加えて、ベトナムダナン市における3号物件に向けて、土地仕入の情報収集を同時進行で進めていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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