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NECキャピタルソリューションのニュース
*15:11JST NECキャピ Research Memo(1):NECグループの金融サービス会社として新たな社会価値を創出
■要約
NECキャピタルソリューション<8793>は、NEC<6701>の持分法適用会社で、NEC製品を含む情報通信機器、事務用機器、産業用機械設備、その他各種機器設備等のリース・割賦及びファクタリング(売上債権買取)、融資、集金代行業務等を展開する。これまでICT製品以外の取扱を徐々に増やし、サービス領域を拡大。さらに、高付加価値な事業への転換を目指し、投融資やファンド組成といった金融サービスに取り組むなど、多角化を図っている。また、「社会価値」の向上と「経済価値」の創出の両立を図りながら持続的な成長を目指す「CSV(Creating Shared Value=共通価値創造)経営」の実践に取り組んでいる。
1. 2023年3月期業績
2023年3月期業績は、売上高258,107百万円(前期比3.3%増)、営業利益11,715百万円(同12.1%増)、経常利益12,440百万円(同8.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,418百万円(同7.5%減)だった。前期に大型の賃貸資産の売却を計上したリース事業はほぼ横ばいだったが、ファイナンス事業、インベストメント事業、その他の事業が伸長したことから、売上高、売上総利益がともに前期比で増加。与信関連費用が前期比で改善したため販売費及び一般管理費は減少し、営業利益、経常利益も前期を上回った。親会社株主に帰属する当期純利益は、非支配株主に帰属する当期純利益が増加したため前期比で減少した。売上高の9割弱を占めるリース事業は、契約実行高が同1.4%減となったが、これは前期に大型のGIGAスクール案件の実行があったことによるものであり、その影響を除くと民需が回復し前期を上回る水準となった。
2. 2024年3月期業績予想
2024年3月期の業績は、売上高260,000百万円(前期比0.7%増)、営業利益12,000百万円(同2.4%増)、経常利益12,500百万円(同0.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,500百万円(同16.8%増)を見込んでいる。官民の需要回復を反映した2023年3月期のリース成約高の伸びを背景に、リース事業の持続的な成長を図るとともに、ファイナンス事業、インベストメント事業等の高収益分野の収益拡大を計画している。国内の景気は緩やかに回復しているものの、ロシアのウクライナ侵攻は長期化の様相を呈し、エネルギーコストや物価の上昇は避けられない見通しである。今後、与信コストの増加、賃貸資産の価格上昇、資金調達コストの増加などが懸念されるが、同社では、コロナ緊急融資が終了し倒産リスクが高まっている中小零細企業との取引は限定的で、経営への影響は小さいとしている。また、金利上昇についても、顧客側においてリース料への転嫁を容認しやすい経済環境が醸成されてきていると考えているものの、日銀の金融政策の微妙なニュアンスが国内金利や為替市場にどのような影響を与えるかを注視していく必要があると弊社では考えている。
3.グループビジョン2030及び中期計画2025
中期計画2020の実践結果を踏まえて、2023 年4月に新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードする Solution Company」と中期計画2025(2023〜2025年度)を発表した。これまで掲げてきたCSV経営(Creating Shared Value=共通価値創造)をベースに、SDGsと同期して2030年をゴールに据え、今までのリースによる資源の循環利用にとどまらないモノの循環利用に繋がるサービス、地域経済・社会の好循環に繋がるサービス、企業成長の好循環に繋がるサービス等、環境と成長の好循環に繋がるサービスを提供し、2030年以降を見据えた「次世代循環型社会」の実現を目指す。そのため、同社らしい循環型サービスの創出・発展・収益確立の3つのステップを設定しており、第1段階として、中期計画2025(2023〜2025年度)においてサービス創出を目指す。3ヶ年で当期純利益100億円、ROA0.9%、ROE8%を達成する財務目標を掲げたほか、カーボンニュートラル実現に向けたCO2の削減、社会インフラ整備の推進、ICTビジネス拡大に伴う循環利用の促進、気候変動対応の推進等のベンチマークとしてCO2の2022年度実績見込み比20%削減等の非財務目標も設定した。
■Key Points
・NECと戦略的なパートナーシップで連携を推進
・2023年3月期決算は、営業利益で2ケタ増益を達成するも当期純利益は減益
・中期計画2025目標値は当期純利益100億円、ROE8%
・新たな付加価値を生み出し続ける循環型の経済社会をリードする
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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NECキャピタルソリューション<8793>は、NEC<6701>の持分法適用会社で、NEC製品を含む情報通信機器、事務用機器、産業用機械設備、その他各種機器設備等のリース・割賦及びファクタリング(売上債権買取)、融資、集金代行業務等を展開する。これまでICT製品以外の取扱を徐々に増やし、サービス領域を拡大。さらに、高付加価値な事業への転換を目指し、投融資やファンド組成といった金融サービスに取り組むなど、多角化を図っている。また、「社会価値」の向上と「経済価値」の創出の両立を図りながら持続的な成長を目指す「CSV(Creating Shared Value=共通価値創造)経営」の実践に取り組んでいる。
1. 2023年3月期業績
2023年3月期業績は、売上高258,107百万円(前期比3.3%増)、営業利益11,715百万円(同12.1%増)、経常利益12,440百万円(同8.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,418百万円(同7.5%減)だった。前期に大型の賃貸資産の売却を計上したリース事業はほぼ横ばいだったが、ファイナンス事業、インベストメント事業、その他の事業が伸長したことから、売上高、売上総利益がともに前期比で増加。与信関連費用が前期比で改善したため販売費及び一般管理費は減少し、営業利益、経常利益も前期を上回った。親会社株主に帰属する当期純利益は、非支配株主に帰属する当期純利益が増加したため前期比で減少した。売上高の9割弱を占めるリース事業は、契約実行高が同1.4%減となったが、これは前期に大型のGIGAスクール案件の実行があったことによるものであり、その影響を除くと民需が回復し前期を上回る水準となった。
2. 2024年3月期業績予想
2024年3月期の業績は、売上高260,000百万円(前期比0.7%増)、営業利益12,000百万円(同2.4%増)、経常利益12,500百万円(同0.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,500百万円(同16.8%増)を見込んでいる。官民の需要回復を反映した2023年3月期のリース成約高の伸びを背景に、リース事業の持続的な成長を図るとともに、ファイナンス事業、インベストメント事業等の高収益分野の収益拡大を計画している。国内の景気は緩やかに回復しているものの、ロシアのウクライナ侵攻は長期化の様相を呈し、エネルギーコストや物価の上昇は避けられない見通しである。今後、与信コストの増加、賃貸資産の価格上昇、資金調達コストの増加などが懸念されるが、同社では、コロナ緊急融資が終了し倒産リスクが高まっている中小零細企業との取引は限定的で、経営への影響は小さいとしている。また、金利上昇についても、顧客側においてリース料への転嫁を容認しやすい経済環境が醸成されてきていると考えているものの、日銀の金融政策の微妙なニュアンスが国内金利や為替市場にどのような影響を与えるかを注視していく必要があると弊社では考えている。
3.グループビジョン2030及び中期計画2025
中期計画2020の実践結果を踏まえて、2023 年4月に新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードする Solution Company」と中期計画2025(2023〜2025年度)を発表した。これまで掲げてきたCSV経営(Creating Shared Value=共通価値創造)をベースに、SDGsと同期して2030年をゴールに据え、今までのリースによる資源の循環利用にとどまらないモノの循環利用に繋がるサービス、地域経済・社会の好循環に繋がるサービス、企業成長の好循環に繋がるサービス等、環境と成長の好循環に繋がるサービスを提供し、2030年以降を見据えた「次世代循環型社会」の実現を目指す。そのため、同社らしい循環型サービスの創出・発展・収益確立の3つのステップを設定しており、第1段階として、中期計画2025(2023〜2025年度)においてサービス創出を目指す。3ヶ年で当期純利益100億円、ROA0.9%、ROE8%を達成する財務目標を掲げたほか、カーボンニュートラル実現に向けたCO2の削減、社会インフラ整備の推進、ICTビジネス拡大に伴う循環利用の促進、気候変動対応の推進等のベンチマークとしてCO2の2022年度実績見込み比20%削減等の非財務目標も設定した。
■Key Points
・NECと戦略的なパートナーシップで連携を推進
・2023年3月期決算は、営業利益で2ケタ増益を達成するも当期純利益は減益
・中期計画2025目標値は当期純利益100億円、ROE8%
・新たな付加価値を生み出し続ける循環型の経済社会をリードする
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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