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日本アジア投資のニュース
*14:22JST アジア投資 Research Memo(2):2024年3月期は未上場株式の売却未達等で大幅な減収となり損失幅が拡大
■決算概要
1. 2024年3月期決算の概要
日本アジア投資<8518>の2024年3月期の業績(ファンド連結基準)は、営業収益が前期比36.9%減の2,444百万円、営業損失が1,150百万円(前期は11百万円の利益)となった。
従来連結基準では、営業収益が前期比68.0%減の964百万円、営業損失が1,522百万円(前期は185百万円の損失)、経常損失が1,569百万円(同224百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が1,574百万円(同269百万円の損失)と大幅な減収となり損失幅が拡大した。
営業収益は、上場株式の売却は進捗したものの、予定していた投資金額の比較的多額な未上場株式の売却が未達となったことや、プロジェクトの売却が1件(メガソーラー)に留まったことで大幅な減収となった。損益面でも売却益の減少に加え、評価損・引当金の前倒し計上※により損失幅が拡大した。
※中華圏のファンドの清算にあたり回収見込額の低下した銘柄に対する評価損や引当金の前倒し計上。
一方、財政状態(従来連結基準)については、投資回収や評価損・引当金の計上により、主にフィナンシャル投資資産(戦略投資以外のPE投資)が減少し、総資産は前期末比22.2%減の10,438百万円に縮小した。一方、自己資本についても損失計上及び上場株式の含み益の減少※に伴い前期末比25.1%減の5,633百万円に減少したものの、有利子負債の返済も着実に進んでおり、自己資本比率は54.0%を確保している。有利子負債は前期末比16.1%減の4,314百万円に減少した。
※その他有価証券評価差額金の減少。
投資種類別の業績は以下のとおりである。
(1) PE投資
営業収益は624百万円(前期は2,076百万円)、営業総利益は224百万円の損失(前期は572百万円の利益)となった。上場株式の売却は進捗したものの、予定していた投資金額の比較的多額の未上場株式の売却が未達となったことで大幅な減収となった。また、損益面でも売却益の減少及び中華圏のファンドの清算に伴う評価損や引当金の前倒し計上が収益を圧迫した。
(2) プロジェクト投資
営業収益は340百万円(前期は941百万円)、売上総利益は203百万円の損失(前期は389百万円の利益)となった。プロジェクトの売却が1件に留まったことで大幅な減収となった(前期は5件のプロジェクトを売却)。また、損益面でも売却益の減少及び進行中のプロジェクトへの先行費用により損失を計上したものの、黒字化が遅れていた植物工場では着実に収益改善が進んでいるようだ。
2. 2024年3月期の総括
2024年3月期を総括すると、業績面での下振れは予定していた株式売却の未達に尽き、あらためてPE投資の見通しの難しさを感じる結果となった。また、投資回収の遅れは、新たな投資実行にも影響し、良質な資産の積み上げ(入れ替え)でも十分な成果を上げることはできなかった。一方、障がい者グループホームへのプロジェクト投資では、地域金融機関との新規取引開拓や建設会社との連携等により大きく拡大することができており、今後に向けてもプラスの材料となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 2024年3月期決算の概要
日本アジア投資<8518>の2024年3月期の業績(ファンド連結基準)は、営業収益が前期比36.9%減の2,444百万円、営業損失が1,150百万円(前期は11百万円の利益)となった。
従来連結基準では、営業収益が前期比68.0%減の964百万円、営業損失が1,522百万円(前期は185百万円の損失)、経常損失が1,569百万円(同224百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が1,574百万円(同269百万円の損失)と大幅な減収となり損失幅が拡大した。
営業収益は、上場株式の売却は進捗したものの、予定していた投資金額の比較的多額な未上場株式の売却が未達となったことや、プロジェクトの売却が1件(メガソーラー)に留まったことで大幅な減収となった。損益面でも売却益の減少に加え、評価損・引当金の前倒し計上※により損失幅が拡大した。
※中華圏のファンドの清算にあたり回収見込額の低下した銘柄に対する評価損や引当金の前倒し計上。
一方、財政状態(従来連結基準)については、投資回収や評価損・引当金の計上により、主にフィナンシャル投資資産(戦略投資以外のPE投資)が減少し、総資産は前期末比22.2%減の10,438百万円に縮小した。一方、自己資本についても損失計上及び上場株式の含み益の減少※に伴い前期末比25.1%減の5,633百万円に減少したものの、有利子負債の返済も着実に進んでおり、自己資本比率は54.0%を確保している。有利子負債は前期末比16.1%減の4,314百万円に減少した。
※その他有価証券評価差額金の減少。
投資種類別の業績は以下のとおりである。
(1) PE投資
営業収益は624百万円(前期は2,076百万円)、営業総利益は224百万円の損失(前期は572百万円の利益)となった。上場株式の売却は進捗したものの、予定していた投資金額の比較的多額の未上場株式の売却が未達となったことで大幅な減収となった。また、損益面でも売却益の減少及び中華圏のファンドの清算に伴う評価損や引当金の前倒し計上が収益を圧迫した。
(2) プロジェクト投資
営業収益は340百万円(前期は941百万円)、売上総利益は203百万円の損失(前期は389百万円の利益)となった。プロジェクトの売却が1件に留まったことで大幅な減収となった(前期は5件のプロジェクトを売却)。また、損益面でも売却益の減少及び進行中のプロジェクトへの先行費用により損失を計上したものの、黒字化が遅れていた植物工場では着実に収益改善が進んでいるようだ。
2. 2024年3月期の総括
2024年3月期を総括すると、業績面での下振れは予定していた株式売却の未達に尽き、あらためてPE投資の見通しの難しさを感じる結果となった。また、投資回収の遅れは、新たな投資実行にも影響し、良質な資産の積み上げ(入れ替え)でも十分な成果を上げることはできなかった。一方、障がい者グループホームへのプロジェクト投資では、地域金融機関との新規取引開拓や建設会社との連携等により大きく拡大することができており、今後に向けてもプラスの材料となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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