623円
日産東京販売ホールディングスのニュース
■成長戦略
1. 企業理念とビジョン
日産東京販売ホールディングス<8291>の企業理念は、「日本一のマーケット“東京”でトップクラスのカーディーラーグループであり続けることを目指します」というものである。そのために、顧客には「笑顔」「誠実」「元気」を約束し、顧客視点、地域・社会貢献、プロ意識、ベストプラクティス、自己成長、ベストコンディションを重視した施策を展開してきた。今後も同様の方針だが、一方で、「CASE」に代表される技術の飛躍的進化に少子高齢化などによる需要減少の懸念が重なり、自動車業界は「100年に一度の大変革期」と言われるようになった。これまでも、同社は自動車関連事業を中心にストックビジネスを積み上げ、強みであるベストプラクティスやシナジーの追求によって高収益を維持してきた。今後も既存ビジネスの更なる強化と持続的な成長を続けるため、2020年3月期から2023年3月期までの4ヶ年中期経営計画を策定、「次の東京へ、お客さまと共に。」をスローガンに、3つの実現目標とそれぞれの課題に取り組むことで時代の変化に対応しつつ、引き続き「日本一のマーケット“東京”でトップクラスのカーディーラーであり続ける」ことを目指す。なお、国内の自動車販売が穏やかに減少することを前提に、最終年度2023年3月期の目標を売上高1,750億円、営業利益55億円と設定しているが、足元の新型コロナウイルス感染症の拡大の影響については大きく織り込んでおらず、これは後に考察する。
ベストプラクティス、新たな販売スタイル、M&Aが成長のカギ
2. 中期経営計画
3つの実現目標は、既存事業の持続的成長、時代の変化と顧客ニーズへの対応、未来に向けた成長戦略の育成と実践である。実現目標に対する課題はそれぞれ、ベストプラクティスの更なる徹底、新たな販売スタイルと新商品の開発、M&Aによる規模の拡大ということになる。新型コロナウイルス感染症の影響を考慮しても、こうした施策を実施する重要性に変わりはないため、施策の方向性を変える必要はなく、むしろコロナ禍を乗り越えるためにも確実に実行すべき施策と考える。
まず、ベストプラクティスの更なる徹底への取り組みとして、3販社のベストプラクティスのグループ内での水平展開を継続・進化させることで、顧客満足度(CS)の向上を図るとともに、業務の平準化を徹底して一層の生産性向上を進める。また、日産自動車が推進している取り組みである「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」を中核に据え、ベストプラクティスによって時代の流れと顧客のニーズを的確に捉えた最適な提案を行い、ニーズに即したカーライフ商品の拡販や、新しい時代の乗り方としての個人リース「P.O.P.」の訴求、EV時代に即したL2H※の拡販など付加価値販売を徹底し、シェアと収益の最大化を図る。
※ L2H(Leaf to Home):EVから電気を取り出して外部(家屋全体や家電製品など)へ給電するための装置。
新たな販売スタイルと新商品の開発への取り組みとして、ITを軸とした店舗投資と売り方改革を実行する。販売スタイルでは、中期経営計画期間中に自動車のプロモーションに最適なツールと期待されるVR(Virtual Reality)を導入して特に都心型店舗での接客に利用、また顧客ニーズに応じてWeb完結型の販売手法も導入していく考えである。新商品の開発では、顧客にとって安心、安全、便利なカーライフを提供するため、「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」対応型メンテプロパック※や試乗車活用モデルのカーシェアなど、新たなニーズに対応する新たなサービス商品を開発して収益の拡大を図る。
※ メンテプロパック:車検、点検などを割安に受けられるパッケージ商品。
M&Aによる規模の拡大への取り組みについては、これまでも独自性を追求するためGTNETなどの買収を進めてきた。今後も、M&Aのシナジーを発揮してグループとしての持続的成長を図っていく。M&Aのターゲットは自動車関連事業が中心で、エリアとしては東京及び東京周辺で地理的拡大も検討する。目標は1年に1件のM&A。都合の良いタイミングでM&Aができるかは不明だが、経営の強い意思を示すため、前述した中期経営計画の目標値に一定程度織り込んでいる。
3つの実現目標に向かって課題を着実に解消していくためには、組織風土の醸成と店舗への投資が必要と思われる。このため同社は、社員が個性を生かして活躍できるダイバーシティを重視した組織風土を醸成し、社員が連携・協業して能力を最大限に発揮できるようにする方針だ。そしてそれをテコに、顧客の期待を超える価値の提供と企業の持続的成長を実現していく考えである。一方、同社の店舗は歴史が長く、このため長年の間に道路事情が変化したり手狭になったりして、駐車場など顧客動線の悪化や新サービス商品導入のためのスペース不足といった面で課題のある店舗も存在する。このため、既存店の増床など顧客利便性を向上させるための増強投資も積極化することになると推測される(場合によってはスクラップ&ビルドが必要な場合もあるだろう)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<NB>
1. 企業理念とビジョン
日産東京販売ホールディングス<8291>の企業理念は、「日本一のマーケット“東京”でトップクラスのカーディーラーグループであり続けることを目指します」というものである。そのために、顧客には「笑顔」「誠実」「元気」を約束し、顧客視点、地域・社会貢献、プロ意識、ベストプラクティス、自己成長、ベストコンディションを重視した施策を展開してきた。今後も同様の方針だが、一方で、「CASE」に代表される技術の飛躍的進化に少子高齢化などによる需要減少の懸念が重なり、自動車業界は「100年に一度の大変革期」と言われるようになった。これまでも、同社は自動車関連事業を中心にストックビジネスを積み上げ、強みであるベストプラクティスやシナジーの追求によって高収益を維持してきた。今後も既存ビジネスの更なる強化と持続的な成長を続けるため、2020年3月期から2023年3月期までの4ヶ年中期経営計画を策定、「次の東京へ、お客さまと共に。」をスローガンに、3つの実現目標とそれぞれの課題に取り組むことで時代の変化に対応しつつ、引き続き「日本一のマーケット“東京”でトップクラスのカーディーラーであり続ける」ことを目指す。なお、国内の自動車販売が穏やかに減少することを前提に、最終年度2023年3月期の目標を売上高1,750億円、営業利益55億円と設定しているが、足元の新型コロナウイルス感染症の拡大の影響については大きく織り込んでおらず、これは後に考察する。
ベストプラクティス、新たな販売スタイル、M&Aが成長のカギ
2. 中期経営計画
3つの実現目標は、既存事業の持続的成長、時代の変化と顧客ニーズへの対応、未来に向けた成長戦略の育成と実践である。実現目標に対する課題はそれぞれ、ベストプラクティスの更なる徹底、新たな販売スタイルと新商品の開発、M&Aによる規模の拡大ということになる。新型コロナウイルス感染症の影響を考慮しても、こうした施策を実施する重要性に変わりはないため、施策の方向性を変える必要はなく、むしろコロナ禍を乗り越えるためにも確実に実行すべき施策と考える。
まず、ベストプラクティスの更なる徹底への取り組みとして、3販社のベストプラクティスのグループ内での水平展開を継続・進化させることで、顧客満足度(CS)の向上を図るとともに、業務の平準化を徹底して一層の生産性向上を進める。また、日産自動車が推進している取り組みである「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」を中核に据え、ベストプラクティスによって時代の流れと顧客のニーズを的確に捉えた最適な提案を行い、ニーズに即したカーライフ商品の拡販や、新しい時代の乗り方としての個人リース「P.O.P.」の訴求、EV時代に即したL2H※の拡販など付加価値販売を徹底し、シェアと収益の最大化を図る。
※ L2H(Leaf to Home):EVから電気を取り出して外部(家屋全体や家電製品など)へ給電するための装置。
新たな販売スタイルと新商品の開発への取り組みとして、ITを軸とした店舗投資と売り方改革を実行する。販売スタイルでは、中期経営計画期間中に自動車のプロモーションに最適なツールと期待されるVR(Virtual Reality)を導入して特に都心型店舗での接客に利用、また顧客ニーズに応じてWeb完結型の販売手法も導入していく考えである。新商品の開発では、顧客にとって安心、安全、便利なカーライフを提供するため、「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」対応型メンテプロパック※や試乗車活用モデルのカーシェアなど、新たなニーズに対応する新たなサービス商品を開発して収益の拡大を図る。
※ メンテプロパック:車検、点検などを割安に受けられるパッケージ商品。
M&Aによる規模の拡大への取り組みについては、これまでも独自性を追求するためGTNETなどの買収を進めてきた。今後も、M&Aのシナジーを発揮してグループとしての持続的成長を図っていく。M&Aのターゲットは自動車関連事業が中心で、エリアとしては東京及び東京周辺で地理的拡大も検討する。目標は1年に1件のM&A。都合の良いタイミングでM&Aができるかは不明だが、経営の強い意思を示すため、前述した中期経営計画の目標値に一定程度織り込んでいる。
3つの実現目標に向かって課題を着実に解消していくためには、組織風土の醸成と店舗への投資が必要と思われる。このため同社は、社員が個性を生かして活躍できるダイバーシティを重視した組織風土を醸成し、社員が連携・協業して能力を最大限に発揮できるようにする方針だ。そしてそれをテコに、顧客の期待を超える価値の提供と企業の持続的成長を実現していく考えである。一方、同社の店舗は歴史が長く、このため長年の間に道路事情が変化したり手狭になったりして、駐車場など顧客動線の悪化や新サービス商品導入のためのスペース不足といった面で課題のある店舗も存在する。このため、既存店の増床など顧客利便性を向上させるための増強投資も積極化することになると推測される(場合によってはスクラップ&ビルドが必要な場合もあるだろう)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<NB>
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