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シナネンホールディングスのニュース
■シナネンホールディングス<8132>の事業の特徴
1. 業界環境
地球の温暖化が進み、世界中で異常気象など異変が相次いでいる。世界の経済発展を支えてきた石油やガスなど化石燃料だが、こうした観点から使用の縮小が求められている。このため、風力やバイオマス、太陽光など環境負荷の小さい再生可能エネルギーへの代替や、自動車など機器・機械の省エネ化が進められているが、それ以上に世界のエネルギーニーズが強く、化石燃料への依存はなかなか少なくならない。しかし、世界的喫緊の課題であるため、化石燃料の使用は徐々にだが確実に再生可能エネルギーに変わっていくと予測されている。一方、国内的には、こうした地球温暖化防止に加え、少子高齢化や人口減少、オール電化の流れもあって、化石燃料の需要は中長期的に減少が見込まれている。
利益率改善と多角化が同社の課題
2. 業界他社との収益力比較
こうした状況のなか、これまで成長を支えてきた石油燃料やLPガスに今後も依存し続けていては、成長がおぼつかなくなる。したがって、エネルギー卸は各社、既存のエネルギー事業の効率化に加え、再生可能エネルギー事業や多角化事業で収益化を図っている。だが、各社ともまだその途上にあるようで、石油燃料やLPガスへの依存度は高い。同社について言えば、さらに2点課題がある。1つは、過去5年の平均ROE(自己資本当期純利益率)が5%台と低く、他社比較でも8%が目安と言われる投資家の観点からも低いということ。もう1つは、ROEと表裏で、各社のセグメント分類が一律でないので正確とは言いづらいが、売上高利益率の低い石油事業への依存が他社より高いことである。同社のROEは6.3%(下記表中数値は注記前提にて算出)だが、総資産回転率は2.6回転と突出して良好で、財務レバレッジは1.9倍とまったく許容範囲である。したがってターゲットは1.2%しかない親会社株主に帰属する当期純利益率となる。効率化による石油事業の収益改善と、多角化により石油事業依存の低下を進める必要があると考える。
ネットワークを背景とする信頼に強み
3. 強みとチャンス
収益力の向上と収益源の多角化という同社の課題は、いずれも改善余地・期待は大きいものの、業界の置かれた状況を考えると簡単に解消するとは言いづらい。しかし、同社が自社の強みを生かし正しい戦略を展開すれば、課題を解消することは可能と考える。その同社の強みは、LPガス充填基地や灯油センター、販売店のネットワークにある。同社のLPガス充填基地や灯油センターは全国にあるため販売店からのリーチが短く、さらにサービスの厚さもあって販売店との結びつきが強い。このため販売店から同社への信頼が厚くなり、万全の販売体制となっている。また、強みと言うよりチャンスというべきだが、LPガスの販売店は全国に2万社と数多いが、近年、経営者の高齢化などにより集約化が進み始めている(同社も営業権買収を戦略の1つとしている)。現在同社は、石油事業もLPガス事業も利益額が大きく、エネルギー事業で安定的な利益を出すことができる。こうした信頼という強みと安定した収益を背景にシェア拡大を進めれば、効率化による石油事業の収益改善と、多角化による石油事業依存の低下を進めることができると考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<NB>
1. 業界環境
地球の温暖化が進み、世界中で異常気象など異変が相次いでいる。世界の経済発展を支えてきた石油やガスなど化石燃料だが、こうした観点から使用の縮小が求められている。このため、風力やバイオマス、太陽光など環境負荷の小さい再生可能エネルギーへの代替や、自動車など機器・機械の省エネ化が進められているが、それ以上に世界のエネルギーニーズが強く、化石燃料への依存はなかなか少なくならない。しかし、世界的喫緊の課題であるため、化石燃料の使用は徐々にだが確実に再生可能エネルギーに変わっていくと予測されている。一方、国内的には、こうした地球温暖化防止に加え、少子高齢化や人口減少、オール電化の流れもあって、化石燃料の需要は中長期的に減少が見込まれている。
利益率改善と多角化が同社の課題
2. 業界他社との収益力比較
こうした状況のなか、これまで成長を支えてきた石油燃料やLPガスに今後も依存し続けていては、成長がおぼつかなくなる。したがって、エネルギー卸は各社、既存のエネルギー事業の効率化に加え、再生可能エネルギー事業や多角化事業で収益化を図っている。だが、各社ともまだその途上にあるようで、石油燃料やLPガスへの依存度は高い。同社について言えば、さらに2点課題がある。1つは、過去5年の平均ROE(自己資本当期純利益率)が5%台と低く、他社比較でも8%が目安と言われる投資家の観点からも低いということ。もう1つは、ROEと表裏で、各社のセグメント分類が一律でないので正確とは言いづらいが、売上高利益率の低い石油事業への依存が他社より高いことである。同社のROEは6.3%(下記表中数値は注記前提にて算出)だが、総資産回転率は2.6回転と突出して良好で、財務レバレッジは1.9倍とまったく許容範囲である。したがってターゲットは1.2%しかない親会社株主に帰属する当期純利益率となる。効率化による石油事業の収益改善と、多角化により石油事業依存の低下を進める必要があると考える。
ネットワークを背景とする信頼に強み
3. 強みとチャンス
収益力の向上と収益源の多角化という同社の課題は、いずれも改善余地・期待は大きいものの、業界の置かれた状況を考えると簡単に解消するとは言いづらい。しかし、同社が自社の強みを生かし正しい戦略を展開すれば、課題を解消することは可能と考える。その同社の強みは、LPガス充填基地や灯油センター、販売店のネットワークにある。同社のLPガス充填基地や灯油センターは全国にあるため販売店からのリーチが短く、さらにサービスの厚さもあって販売店との結びつきが強い。このため販売店から同社への信頼が厚くなり、万全の販売体制となっている。また、強みと言うよりチャンスというべきだが、LPガスの販売店は全国に2万社と数多いが、近年、経営者の高齢化などにより集約化が進み始めている(同社も営業権買収を戦略の1つとしている)。現在同社は、石油事業もLPガス事業も利益額が大きく、エネルギー事業で安定的な利益を出すことができる。こうした信頼という強みと安定した収益を背景にシェア拡大を進めれば、効率化による石油事業の収益改善と、多角化による石油事業依存の低下を進めることができると考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<NB>
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