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―海外大手メーカーに好業績発表が相次ぐ、今後決算控える国内企業に関心高まる―
医療機器の需要回復が鮮明だ。海外では既に4-6月期決算が本格化しているが、そのなか医療機器メーカー各社の決算に目を向けると需要が戻っていることが見て取れる。コロナ禍は注射器など一部の製品には特需を発生させたが、医療機器全体にとっては通常医療の滞りを背景にマイナスの影響をもたらした。今年に入って経済活動再開の流れが急速に強まるなか、株式市場では旅行やインバウンド、外食など一連のリオープン関連株に関心が向かい続けており、医療機器関連株も“隠れたリオープン関連”として注目したい。
●J&J、フィリップスが通期上方修正、手術回復受け
一足早く発表を行った外国企業の決算を見ると、例えば米ヘルスケア大手ジョンソン・エンド・ジョンソン
同業の米アボット・ラボラトリーズ
日本の医療機器メーカー各社の4-6月期決算は今後続々と出てくる予定にあり、その内容には注目だ。医療機器関連株は前期に業績好調だったものが目立ち、今期も引き続き好調を見込む企業が多い。今期最終最高益の見通しを示している検体検査機器のシスメックス <6869> [東証P](決算予定日8月8日)、医療器具大手のテルモ <4543> [東証P](同9日)、内視鏡のオリンパス <7733> [東証P](同9日)からは目が離せない。また、子会社で医療機器を手掛ける島津製作所 <7701> [東証P](同4日)、富士フイルムホールディングス <4901> [東証P](同9日)、このほか既に4-6月期好決算を発表したオムロン <6645> [東証P]なども押さえておきたい。
●フクダ電は4-6月期好決算、朝日インテクやマニーなどに期待
これら時価総額1兆円を超える超大型銘柄とともに、時価総額の大きい銘柄群もマークしたいところ。まずは、7月31日取引終了後に決算を発表したフクダ電子 <6960> [東証S]だ。4-6月期業績は治療装置や消耗品などの部門が伸び、増収増益で着地した。24年3月期通期で減益を見込んでいるだけに、好調なスタートを切った格好となった。
医療器具メーカーの朝日インテック <7747> [東証P]は、心臓血管のカテーテル治療に使うガイドワイヤーで世界高シェアを握るグローバルニッチトップ企業。第3四半期までの業績は主力のガイドワイヤー・カテーテル製品が順調に推移し、純利益の対通期進捗率は9割超に達する。8月14日の6月期本決算発表に向け株価には上昇圧力がかかっている。
マニー <7730> [東証P]は手術用縫合針で国内首位を誇り、眼科用ナイフや歯科治療器でも高シェアを握る。8月期決算企業で、7月13日に第3四半期累計(22年9月-23年5月)決算を発表。新型コロナの影響を受けた前年同期と比べて需要が拡大し、純利益は前年同期比11%増の42億500万円となった。通期計画(50億円)に対して8割強の進捗と良好だ。
このほか、医療機器販売のシップヘルスケアホールディングス <3360> [東証P](決算予定日8月8日)や医療機器メーカーのニプロ <8086> [東証P](同9日)、各種ヘルスケア機器・サービスを開発するPHCホールディングス <6523> [東証P](同10日)などに期待したい。
●大研医器など関連中小型株も
中小型どころでは、フクダ電と同じく31日に決算を発表した大研医器 <7775> [東証P]に注目。同社は研究開発型の医療機器メーカーで、真空吸引器や医薬品注入器を主力とする。4-6月期業績は、営業利益が前年同期比18%増の3億3900万円と大幅増益で着地した。手術件数の堅調を追い風に吸引器関連の販売が好調だった。
今後の決算発表日程は、8月2日が医療機器輸入商社の日本ライフライン <7575> [東証P]、採血管準備装置を開発するテクノメディカ <6678> [東証P]、4日が使い捨て医療器具のクリエートメディック <5187> [東証S]。7日に医療機器メーカーのJMS <7702> [東証P]、8日に医療機器卸大手のメディアスホールディングス <3154> [東証P]と続く。10日には血管用カテーテルを製造するメディキット <7749> [東証S]が予定している。
株探ニュース
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