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網屋 Research Memo(5):2024年12月期第2四半期は「ALog」販売が好調に推移し、営業利益は過去最高

配信元:フィスコ
投稿:2024/09/26 15:05
*15:05JST 網屋 Research Memo(5):2024年12月期第2四半期は「ALog」販売が好調に推移し、営業利益は過去最高 ■網屋<4258>の業績動向

1. 2024年12月期第2四半期の業績概要
2024年12月期第2四半期の業績は、売上高2,235百万円(前年同期比31.6%増)、営業利益259百万円(同23.2%増)、経常利益276百万円(同2.9%増)、親会社株主に帰属する中間純利益195百万円(同2.4%増)となった。大規模なセキュリティ事故の発生を背景に、防衛関連企業や自動車関連企業などから前期比2倍の引き合いを獲得し増収増益となった。販売費及び一般管理費でALogにかかる販促費17百万円、ALogにかかる大規模対応開発5百万円、人件費24百万円、外注費13百万円が発生し、前年同期比9.6%の微増となったが、売上高の好調な推移により吸収し、営業利益は過去最高を達成した。なお、同社は2023年12月期第3四半期より連結決算へ移行した。前年同期は弊社による単体と連結の単純比較によるものである。

主要KPIであるARRに関しては、データセキュリティ事業で960百万円(前年同期比28.0%増)、ネットワークセキュリティ事業で1,510百万円(同21.8%増)と右肩上がりで成長している。販路については、(株)日立システムズ、(株)日立エンジニアリング、キヤノンマーケティングジャパン<8060>、NSD<9759>の大手4社と新たに代理店契約を締結した。直近では、NTTコミュニケーションズ(株)との販売代理店契約締結を2024年8月20日公表した。主力製品である「ALogシリーズ」のオールサブスク販売の開始により、収益体質のより一層の安定とLTVの向上が期待できると弊社では見ている。

事業別では、データセキュリティ事業は売上高926百万円(前年同期比53.5%増)、セグメント利益375百万円(同33.5%増)であった。サイバー攻撃検知として「ALogシリーズ」の販売が好調に推移した。料金体系をクラウド版・オンプレ版ともにサブスク制へ移行したことで一時的な収益低下を見込んでいたが、大規模なセキュリティ事故などの世情背景もあり製品販売は好調に推移した。今後は契約単価の上昇やLTVの向上によるさらなる成長を見込んでいる。受注状況については、サブスク制移行後も例年どおりの受注件数を確保しており、大型案件に関しては前期比3倍の獲得となった。

ネットワークセキュリティ事業は売上高1,308百万円(同19.5%増)、セグメント利益303百万円(同5.0%増)となった。複数の中規模案件が第3四半期以降へ繰り越されたものの、従来の「信頼してから検証する」アプローチではなく、「信頼しないで常に検証する」アプローチである「ゼロトラスト」需要の高まりを背景に、SaaSモデルの「Verona SASE」が堅調に推移した。人を媒介させない仮想化クラウドの需要は不可逆的であり安定成長を維持している。一方、案件増に伴う外注費の増加により利益額は微増に留まったため、第3四半期以降の改善課題として効率採算性の向上に着手する。具体的には、人材確保による組織体制の拡充が挙げられる。足元では新卒採用が順調に進んでおり、2024年12月期は19名の採用を実施、2025年12月期も30名弱程度の採用を見込んでいる。一方、中途採用については人手不足による売手市場を背景として軟調である。今後も人材紹介サービスによる採用を基本として、M&Aによる人材確保も視野に入れつつ注力する方針である。

なお、同社はM&Aを検討しており、SIerなどの30名~50名程度のエンジニアを擁し、売上高は5億~10億、営業利益率は10%程度の企業を視野に入れている。また、為替相場の仕入れ価格に対する影響については、2022年6月に急激な円安などを要因として価格改定を実施しており適切に転嫁が行われている。足元の為替相場も価格改定当時における為替相場の範囲に収まっている。一括仕入れを行っているため、仮に為替相場の影響を受けたとしてもスポットかつ軽微である。一方、為替相場が円高となった場合、仕入れ価格が低減され利益率の上昇に寄与する。

2. 財務状況
(1) 貸借対照表
2024年12月期第2四半期末における資産合計は4,927百万円となり、前期末比1,150百万円増加した。現金及び預金が1,148百万円、投資その他の資産が5百万円増加したことなどによる。負債合計は2,970百万円となり、同980百万円増加した。短期借入金が600百万円、契約負債が213百万円、長期借入金が78百万円増加したことなどによる。純資産合計は1,956百万円となり、同170百万円増加した。これは主に、利益剰余金が195百万円増加したことなどによる。借入金の増加に伴い、自己資本比率は7.6pt減少の39.7%、有利子負債比率は36.2pt上昇の58.5%となったが、ネットキャッシュは前期比403百万円増の1,914百万円であり、事業投資による中長期的な成長を加味すれば、短期的な懸念事項はないものと弊社では見ている。

(2) キャッシュ・フロー計算書
2024年12月第2四半期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが467百万円の収入となった。これは主に、契約負債の増加額213百万円、減価償却費59百万円による資金の増加があったことによる。投資活動によるキャッシュ・フローは13百万円の支出となった。これは主に、有形固定資産の取得による支出12百万円、無形固定資産の取得による支出33百万円などによる資金の減少があったことによる。財務活動によるキャッシュ・フローは693百万円の収入となった。これは主に、長期借入金の返済による支出55百万円があった一方で、短期借入れによる収入600百万円による資金の増加などがあったことによる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

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配信元: フィスコ
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