ウェーブロックホールディングス---3Q、成長ドライバーである自動車向け金属調加飾フィルム販売は好調

ウェーブロックホールディングス<7940>は31日、2023年3月期第3四半期（22年4月-12月）連結決算を発表した。売上高は前年同期比6.8%増の165.38億円、営業利益は同31.1%減の3.94億円、経常利益は同15.9%減の6.66億円、親会社株主に帰属する四半期純利益はクレアネイト（旧ウェーブロックインテリア）株式売却益等の計上により同288.8%増の23.22億円となった。

マテリアルソリューション事業の売上高は前年同期比8.8%増の130.89億円となった。また、原材料価格上昇分の販売価格への転嫁を進め、生産効率の向上による原価低減や継続的なコスト削減に努めたが、度重なる原材料価格の上昇やエネルギーコストの上昇等によりセグメント利益は同46.2%減の4.04億円となった。ビルディングソリューションおよびインダストリアルソリューション分野において、メッシュシートのOEM生産への切り替えが一部遅れたことにより販売が減少したが、建設向け防音シートや、大型物件受注による防煙垂壁用高透明不燃シートが好調に推移した。パッケージングソリューション分野においては、昨年開発した植物由来のバイオマスプラスチック配合のミルクポーション容器が、業務用だけではなく家庭用にも採用される等、一部製品の販売数量が増加した。アグリソリューション分野においては、エネルギーコストの上昇等により国内農業生産者の資材等への投資意欲が減退し、防虫ネットの販売が減少したものの、林業向けで国や地方自治体からの補助事業案件の受注が増加したこと等により好調に推移した。一方、リビングソリューション分野においては、販売先となるホームセンター業界において、一昨年の巣ごもり需要からの反動減による影響が続き、販売が落ち込んだ。

アドバンストテクノロジー事業の売上高は同0.0%減の34.69億円となった。また、品質の安定化と生産効率の向上やコスト削減に努め、セグメント利益は同53.6%増の4.70億円となった。デコレーション&ディスプレー分野において、北米で本格量産へと移行したEV車向けをはじめとする車両向けの販売が堅調に推移し、インドや東南アジアの二輪市場でエンブレムへの採用件数が増加した。また、将来的に先進運転支援システムとの連携ツールとして展開が期待されているVRヘッドセット用部材が本格量産になったことや、センターインフォメーションディスプレーおよびヘッドアップディスプレー用途で新規車種に採用され、量産が開始されたこと等により、車両内外装用加飾フィルム用途の需要が増加し、同分野における販売は好調に推移した。一方、ディスプレー用拡散板の販売が大幅に減少し事業全体の売上高は微減となった。

2023年3月期通期については、売上高が前期比16.2%増の244.00億円、営業利益が同9.2%減の5.90億円、経常利益が同21.4%減の7.10億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同252.6%増の23.10億円とする10月31日に上方修正した連結業績予想を据え置いている。


＜YI＞