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セブン工業のニュース
*12:32JST エヌ・シー・エヌ Research Memo(2):大型化・特殊化する非住宅での事業体制強化と事業領域拡大
■会社概要
エヌ・シー・エヌ<7057>は、木造建築の耐震性を確保するための高度な構造計算を事業化するとともに、構造計算された耐震性の高い木造建築を実現するため、鉄骨造やRC造において主流だったラーメン構法を木造住宅に取り入れた同社独自の建築システムであるSE構法を、工務店を中心としたSE構法登録施工店ネットワークを通じて提供する。構造設計や材料の安定供給だけではなく、木造住宅の断熱性能の確認や保証・保険の手配に至るまで、工務店や設計事務所の抱える課題をワンストップで解決できるサービスを提供する。同社グループは、同社を中心に、(株)木構造デザイン、(株)MAKE HOUSE、翠豊によるテクノロジー分野、SE住宅ローンサービス(株)によるアセット分野、そして、MUJI HOUSE、YADOKARI(株)、(株)一宮リアライズ、N&S 開発(株)によるライフスタイル分野が融合した企業グループである。
テクノロジー領域においては、合弁先企業からMAKE HOUSEの株式を取得して100%子会社化し、木造業界向けのBIM※事業をさらに強化した。国土交通省により、2023年4月にすべての公共工事(小規模工事を除く)にBIMの原則適用が始まったため、非住宅物件を扱う設計事務所・中小ゼネコン向けのBIMサポートを強化している。また、大断面集成材加工や木材の特殊加工、大規模木造の施工力に強みを持つ翠豊の連結子会社化により、大規模木造建築(非住宅)分野での事業領域が順調に拡大している。なお、2023年5月にはSE構法による木造5階建て対応について、(一財)日本建築センターの構造評定を取得した。同社の研究施設「木構造技術センター(Timber Structure Lab.)」を活用し、従来の仕様では困難であった木造5階建てに対応することで、大規模木造建築(非住宅)分野における事業の拡大を推進する。
※Building Information Modelingの略。コンピュータ上に建物の立体モデルを再現し、建物づくりに活用するソリューション。設計から施工、維持管理に至るまでの属性情報が追加されているため、各図面に必要な情報を活用できる。
ライフスタイル領域においては、世界中の新たな暮らしの調査研究・メディア運営、小屋・可動産活用による遊休地や暫定地の企画・開発、まちづくり支援を手掛けるYADOKARIと、2019年12月に資本業務提携契約を締結した。一宮リアライズは、地域再生を図るために、千葉県長生郡一宮町と同社など民間企業の出資により、まちづくり会社として2016年8月に設立された。また、2022年4月にはサブスクリプションサービス「SANU 2nd Home(サヌ セカンドホーム)」を展開する(株)Sanuと共同でN&S開発を設立した。Sanuが展開する「SANU 2nd Home」においてSE構法を活用した宿泊棟を提供することで、脱炭素社会の実現に向けた木造建築の普及促進を目指す。
同社は日本に安心・安全な木構造を普及させ、資産価値のある住宅を提供する仕組みをつくることを目的として1996年に設立された。社長の田鎖郁夫(たくさりいくお)氏が日商岩井(株)(現 双日<2768>)で商社マンとして活躍していた1995年に阪神・淡路大震災が発生し、壊滅的となった木造住宅を目の当たりにした田鎖氏がそこで知ったことは、住宅のほとんどを占める木造住宅においては、構造計算をしていないという事実だった。「木造だから弱い」のではなく、そもそも構造設計がされていなかったのである。
1996年にセブン工業<7896>と日商岩井による合弁で株式会社エヌ・シー・エヌを設立した。当時、長野オリンピック記念アリーナを手掛けていた構造家の播繁(ばんしげる)氏に協力を求め、大型建造物のノウハウを一般的な住宅に生かすSE構法を開発し、木造技術のイノベーションを図った。圧倒的な強度を持つ独自の木造建築用システムは、現在に至るまで同社の強みである。SE構法は、20年来の施工・建築経験の蓄積により、他社には追随できない知的財産となっており、規格住宅のOEM供給を依頼する大手ハウスメーカーも多い。また、2023年5月にはSE構法が木造5階建てに対応できるとして、日本建築センターの構造評定を取得するなど、国産材の利用促進の可能性を示す木造建築物の普及を促す。なお、「New Constructor’s Network=新しい建設会社のネットワーク」が同社社名の由来で、木造住宅を巡る既存の課題(構造計算をしない慣習、資産価値が急速に下がってしまうという弱点)に対して、同社が中核となって工務店、ビルダー、ハウスメーカー等とともに立ち向かっていくことを表している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<SI>
エヌ・シー・エヌ<7057>は、木造建築の耐震性を確保するための高度な構造計算を事業化するとともに、構造計算された耐震性の高い木造建築を実現するため、鉄骨造やRC造において主流だったラーメン構法を木造住宅に取り入れた同社独自の建築システムであるSE構法を、工務店を中心としたSE構法登録施工店ネットワークを通じて提供する。構造設計や材料の安定供給だけではなく、木造住宅の断熱性能の確認や保証・保険の手配に至るまで、工務店や設計事務所の抱える課題をワンストップで解決できるサービスを提供する。同社グループは、同社を中心に、(株)木構造デザイン、(株)MAKE HOUSE、翠豊によるテクノロジー分野、SE住宅ローンサービス(株)によるアセット分野、そして、MUJI HOUSE、YADOKARI(株)、(株)一宮リアライズ、N&S 開発(株)によるライフスタイル分野が融合した企業グループである。
テクノロジー領域においては、合弁先企業からMAKE HOUSEの株式を取得して100%子会社化し、木造業界向けのBIM※事業をさらに強化した。国土交通省により、2023年4月にすべての公共工事(小規模工事を除く)にBIMの原則適用が始まったため、非住宅物件を扱う設計事務所・中小ゼネコン向けのBIMサポートを強化している。また、大断面集成材加工や木材の特殊加工、大規模木造の施工力に強みを持つ翠豊の連結子会社化により、大規模木造建築(非住宅)分野での事業領域が順調に拡大している。なお、2023年5月にはSE構法による木造5階建て対応について、(一財)日本建築センターの構造評定を取得した。同社の研究施設「木構造技術センター(Timber Structure Lab.)」を活用し、従来の仕様では困難であった木造5階建てに対応することで、大規模木造建築(非住宅)分野における事業の拡大を推進する。
※Building Information Modelingの略。コンピュータ上に建物の立体モデルを再現し、建物づくりに活用するソリューション。設計から施工、維持管理に至るまでの属性情報が追加されているため、各図面に必要な情報を活用できる。
ライフスタイル領域においては、世界中の新たな暮らしの調査研究・メディア運営、小屋・可動産活用による遊休地や暫定地の企画・開発、まちづくり支援を手掛けるYADOKARIと、2019年12月に資本業務提携契約を締結した。一宮リアライズは、地域再生を図るために、千葉県長生郡一宮町と同社など民間企業の出資により、まちづくり会社として2016年8月に設立された。また、2022年4月にはサブスクリプションサービス「SANU 2nd Home(サヌ セカンドホーム)」を展開する(株)Sanuと共同でN&S開発を設立した。Sanuが展開する「SANU 2nd Home」においてSE構法を活用した宿泊棟を提供することで、脱炭素社会の実現に向けた木造建築の普及促進を目指す。
同社は日本に安心・安全な木構造を普及させ、資産価値のある住宅を提供する仕組みをつくることを目的として1996年に設立された。社長の田鎖郁夫(たくさりいくお)氏が日商岩井(株)(現 双日<2768>)で商社マンとして活躍していた1995年に阪神・淡路大震災が発生し、壊滅的となった木造住宅を目の当たりにした田鎖氏がそこで知ったことは、住宅のほとんどを占める木造住宅においては、構造計算をしていないという事実だった。「木造だから弱い」のではなく、そもそも構造設計がされていなかったのである。
1996年にセブン工業<7896>と日商岩井による合弁で株式会社エヌ・シー・エヌを設立した。当時、長野オリンピック記念アリーナを手掛けていた構造家の播繁(ばんしげる)氏に協力を求め、大型建造物のノウハウを一般的な住宅に生かすSE構法を開発し、木造技術のイノベーションを図った。圧倒的な強度を持つ独自の木造建築用システムは、現在に至るまで同社の強みである。SE構法は、20年来の施工・建築経験の蓄積により、他社には追随できない知的財産となっており、規格住宅のOEM供給を依頼する大手ハウスメーカーも多い。また、2023年5月にはSE構法が木造5階建てに対応できるとして、日本建築センターの構造評定を取得するなど、国産材の利用促進の可能性を示す木造建築物の普及を促す。なお、「New Constructor’s Network=新しい建設会社のネットワーク」が同社社名の由来で、木造住宅を巡る既存の課題(構造計算をしない慣習、資産価値が急速に下がってしまうという弱点)に対して、同社が中核となって工務店、ビルダー、ハウスメーカー等とともに立ち向かっていくことを表している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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