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コンドーテック Research Memo(6):基本方針は売上高1,000億円の達成

配信元:フィスコ
投稿:2018/12/21 16:16
■中長期成長戦略

1. 事業認識と基本方針
当面の間、インバウンド向け施設や東京オリンピック・パラリンピック関連施設、企業収益改善による民間設備投資、リニア中央新幹線や整備新幹線関連工事など旺盛な建設投資需要が見込まれる。社会インフラの老朽化に伴う維持修繕工事の増加、自然災害に対する防災・減災・耐震へのニーズ、人手不足や働き方改革への対応もある。ASEAN各国の経済成長も少なからず好影響があると考えられる。しかし2020年以降は、人口減少による国内市場の縮小や財政的制約による公共投資の抑制など、既存コア事業の背景となる国内の建設投資需要が減少すると予想されている。一方、維持修繕や省力化投資における需要増加やASEAN各国の成長本格化など、事業環境が変化していくことも想定しなければならない。

コンドーテック<7438>は、良好な環境が見込まれている間に、今後の成長が期待できる海外や維持修繕、省力化といった分野への投資を行うことで、予見される事業環境の変化に対応し持続的な成長と長期的な企業価値の向上を目指す。そのため、経営基盤の強化や適切な資金配分による成長戦略によって、近年成長軌道に乗っている同社の業績を今後も維持し拡大する考えである。その結果として、2020年代中に売上高1,000億円を達成することを基本方針とした。その基本方針に沿って、同社は現在、既存コア事業の一層の収益力強化を目指すオーガニック成長戦略と、今後成長が見込まれる分野への進出を図るノンコア成長戦略を展開している。


オーガニック成長戦略とノンコア成長戦略
2. 成長戦略
(1) オーガニック成長戦略
オーガニック成長戦略は、4つの成長戦略、拠点展開、自然災害への対応という3つで構成される。4つの成長戦略とは、新規販売先の開拓、新商材の提供、売り方の工夫、販売ルートの開拓である。新規販売先の開拓では、営業担当者が毎月平均1社の新規販売先を開拓するとともに年平均10社の休眠顧客の掘り起こしを行い、単体売上高の10%を積み上げていく方針である。新商材の提供では、営業部門と製造部門が合同で開催する、販売先からの要望や改善策について議論する新商材委員会において、より付加価値の高い商材を開発する。既に角フックボルトやコンベース・エコ、イエローポイントシリーズ、コンドー胴縁ボルトなどヒットの実績は多い。売り方の工夫では、例えば、アンカーボルト納入時の施工を請け負うことでその後の必要資材の情報を早期に把握したり、吊り具アドバイザー制を導入して専門性を高めたりすることでサービスの差別化を図る。販売ルートの開拓では、ホームセンターや鉄道会社など新業種との取引やeコマースなど新たな販売形態の取り込みを進めるとともに、大手商社やゼネコンの本部による集中購買や一括購買に対応して首都圏専任担当者を設置した。

拠点展開では、特に東日本大震災以降、年に1拠点以上のペースで販売拠点を新設しており、地域の顧客により近づくことでクイック・デリバリーの能力を向上させる考えである。とはいえ、省力化も視野に入れねばならず、2017年にeコマースグループを設置し、ネット通販の可能性を検証していく方針である。また、自然災害への対応では、異常気象の常態化を想定することで、ブルーシート・土のう袋類や防災シート、コンテナバッグ、ネット・シート類など、災害の現場で使用される資材を各販売拠点に在庫として十分備蓄している。被災地の早期復興のためインフラ整備にも注力し、緊急時のクイック・デリバリーの体制をさらに充実させる方針である。

(2)ノンコア成長戦略
ノンコア成長戦略では、海外展開によるエリアの拡大とM&Aなどによるカテゴリーの拡大を目指す。海外展開では、経済発展が著しいタイ、インドネシア、ベトナムといったASEAN諸国との取引を強化すべく、2012年にタイに現地法人を設立した。ASEANにおいては中長期的に建設資材などの需要拡大が期待されていることから、現在、事業拡大に向けて営業力など販売基盤の強化を図っているタイを拠点に、ASEANでの事業展開を進める考えである。2019年3月期第2四半期のタイ現地法人売上高は140百万円(前年同期比70.7%増)、海外営業部を合算した海外売上高は157百万円(前年同期比35.3%増)と好調に推移している。

M&Aでは、1)船舶造船、運送、陸海荷役、製造生産設備、漁業、養殖、農業などの隣接する業界、2)建築物・構造を支える部材の強化など事業の深掘り、3)ASEAN事業を本格展開するためタイ・インドネシア地域、4)販路の拡大や店舗・カタログ通販・ネット通販の取り込みによる販売形態の拡充という4つの視点を重視している。1)においては三和電材、2)においては中央技研という実績がある。2018年に入って、同社はエヌパット(株)と業務資本提携契約を締結、同社がエヌパットの株を5%取得することになった。エヌパットは、「あと施工アンカーボルト」や「インサート」を中心に、「N-PAT」のブランド名で建築用金物の開発や製造販売を行っており、2)と4)の視点での業務資本提携ということになるだろう。今後も、首都高速や上下水道など、将来的に増加が見込まれるインフラ補修関連の企業に対するM&Aを増やしたい意向である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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配信元: フィスコ
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