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*16:13JST 日本リビング保証 Research Memo(3):ストック型&フロー型ビジネスで健全な財務構造と安定的な収益基盤を確立
■会社概要
2. 事業概要
(1) 事業ドメインと事業ポートフォリオ
1) コア事業領域…HomeworthTech事業
日本リビング保証<7320>のHomeworthTech事業は、住宅会社が新築住宅を住宅オーナーへ引き渡してから、そのサービスが始まる。まず、長期保証サービスを付与、メンテナンス(点検・補修・管理)、ひいてはリフォーム、建替へとつなげる。すなわち、「おうちのケアなど“住宅の一生”を面倒みる」ことが顧客(住宅オーナー)に提供する価値である。BtoCビジネスでは「顧客生涯価値(ゆりかごから墓場まで)」というビジネス用語があるが、その住宅版“生涯価値”を提供していると言っていいだろう。
住宅はメガ市場で、付随するすそ野が広く、アフターメンテナンス市場もそのなかの1つである。現在、同社のHomeworthTech事業は業界トップクラスのポジションをキープし、高成長・高収益を確保している。メガ市場のなか、同社がまだカバーできていない保証サービスの新規開発を積極的に進めており、今後も同社のコア事業として一層の拡大強化を図る。
2) 成長事業領域…ExtendTech事業
長期的視点でみると、住宅だけでは、“一本足打法”となり、事業成長と事業リスク上、大きな壁に突き当ってしまう。同社の経営幹部は、常に住宅に次ぐ「次の柱」を視野に入れて事業推進や新規事業探索を行っている。ExtendTech事業は、再生可能エネルギー向け補助金(太陽光発電や蓄電池の普及政策)を絡めて、最近5〜6年の間で急激に伸びてきた。ExtendTech事業は、「住宅設備の保証」ノウハウをベースにした“蓄電システム機器やタブレットなどIT機器の保証・保険&ファイナンスのソリューション”と定義できる。言い換えると、「メーカー保証制度の立上げ代行」となる。具体的には、製造メーカーや販売会社と損害保険会社との間に立ち、保証業務代行を行う。現在、ExtendTech事業では損害保険会社からの顧客紹介が圧倒的に多く、蓄電システム機器保証サービスの受注は計画を大きく上回っている状況で、向こう数年間はこの状態が続くものと思われる。
3) 新領域への挑戦
●デジタルツール(アプリ)の提供
住宅会社と住宅オーナー間の接点・コミュニケーションツールとしてアプリを開発し、アプリから気軽にリフォームや修繕の相談ができ、工事の受注促進やポイント状況なども確認できる。これらのアプリは住宅会社のカスタマーサクセスの一貫として提供されており、同社の各種サービス(保証サービス、ポイントなど)による付加価値提供の役割として認識されている。
●“両利きの経営”を実践
“両利きの経営”が今注目されている。主力事業以外にも積極的に新規事業を考えようという経営論で、言い換えると、既存事業の「深掘り」と新規事業の「探索」の“二兎を追う”経営である。同社は主力事業である住宅領域の保証サービスを「深掘り」しつつ、ExtendTech事業やSaaS事業、Fintech事業といった新規補償領域の「探索」にも力を入れており、創業16期目の若い会社が“両利き経営”を実践している希有な存在である。
(2) ビジネスモデル
同社は創業と同時に、業界初の住宅設備の延長保証サービス「住設あんしんサポート」の提供を開始した。同サービスは会計処理上、設備保証の売上・原価は保証期間に応じて前受収益・前払費用として按分計上される。設備保証料は一括キャッシュインされ潤沢な手元資金として留保され、成長投資や資産運用の原資となる。従って、収入からキャッシュ循環で成長投資を賄うため借入金は不要、極めて財務健全性に優れたビジネスモデルと言える。売上については、期間按分され将来にわたって安定的な売上が確保される“ストック型ビジネス”である。
一方、2013年ごろからBPO事業の名称でスタートしたExtendTech事業(メーカー保証制度の立上げ代行)は、当初は国の補助金関連として、再生可能エネルギー関連(太陽光パネル、発電システム)が、最近では、蓄電システム機器やGIGAスクール構想実現に向け小中学校へ導入されたタブレットが対象となっている。直近の業績では、蓄電システム機器とタブレットが大きく収益に貢献している。これは、“フロー型ビジネス”で、最初に「メーカー保証制度の構築」の一括受注となり、会計処理上は大半が当期一括計上となる手数料ビジネスであるため、売上が増えた分だけ利益も増える仕組みである。同社はストック型ビジネス(HomeworthTech事業)とフロー型ビジネス(ExtendTech事業)を最適な組み合せとすることで、財務健全性と持続的、かつ安定的な収益基盤を確立している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2. 事業概要
(1) 事業ドメインと事業ポートフォリオ
1) コア事業領域…HomeworthTech事業
日本リビング保証<7320>のHomeworthTech事業は、住宅会社が新築住宅を住宅オーナーへ引き渡してから、そのサービスが始まる。まず、長期保証サービスを付与、メンテナンス(点検・補修・管理)、ひいてはリフォーム、建替へとつなげる。すなわち、「おうちのケアなど“住宅の一生”を面倒みる」ことが顧客(住宅オーナー)に提供する価値である。BtoCビジネスでは「顧客生涯価値(ゆりかごから墓場まで)」というビジネス用語があるが、その住宅版“生涯価値”を提供していると言っていいだろう。
住宅はメガ市場で、付随するすそ野が広く、アフターメンテナンス市場もそのなかの1つである。現在、同社のHomeworthTech事業は業界トップクラスのポジションをキープし、高成長・高収益を確保している。メガ市場のなか、同社がまだカバーできていない保証サービスの新規開発を積極的に進めており、今後も同社のコア事業として一層の拡大強化を図る。
2) 成長事業領域…ExtendTech事業
長期的視点でみると、住宅だけでは、“一本足打法”となり、事業成長と事業リスク上、大きな壁に突き当ってしまう。同社の経営幹部は、常に住宅に次ぐ「次の柱」を視野に入れて事業推進や新規事業探索を行っている。ExtendTech事業は、再生可能エネルギー向け補助金(太陽光発電や蓄電池の普及政策)を絡めて、最近5〜6年の間で急激に伸びてきた。ExtendTech事業は、「住宅設備の保証」ノウハウをベースにした“蓄電システム機器やタブレットなどIT機器の保証・保険&ファイナンスのソリューション”と定義できる。言い換えると、「メーカー保証制度の立上げ代行」となる。具体的には、製造メーカーや販売会社と損害保険会社との間に立ち、保証業務代行を行う。現在、ExtendTech事業では損害保険会社からの顧客紹介が圧倒的に多く、蓄電システム機器保証サービスの受注は計画を大きく上回っている状況で、向こう数年間はこの状態が続くものと思われる。
3) 新領域への挑戦
●デジタルツール(アプリ)の提供
住宅会社と住宅オーナー間の接点・コミュニケーションツールとしてアプリを開発し、アプリから気軽にリフォームや修繕の相談ができ、工事の受注促進やポイント状況なども確認できる。これらのアプリは住宅会社のカスタマーサクセスの一貫として提供されており、同社の各種サービス(保証サービス、ポイントなど)による付加価値提供の役割として認識されている。
●“両利きの経営”を実践
“両利きの経営”が今注目されている。主力事業以外にも積極的に新規事業を考えようという経営論で、言い換えると、既存事業の「深掘り」と新規事業の「探索」の“二兎を追う”経営である。同社は主力事業である住宅領域の保証サービスを「深掘り」しつつ、ExtendTech事業やSaaS事業、Fintech事業といった新規補償領域の「探索」にも力を入れており、創業16期目の若い会社が“両利き経営”を実践している希有な存在である。
(2) ビジネスモデル
同社は創業と同時に、業界初の住宅設備の延長保証サービス「住設あんしんサポート」の提供を開始した。同サービスは会計処理上、設備保証の売上・原価は保証期間に応じて前受収益・前払費用として按分計上される。設備保証料は一括キャッシュインされ潤沢な手元資金として留保され、成長投資や資産運用の原資となる。従って、収入からキャッシュ循環で成長投資を賄うため借入金は不要、極めて財務健全性に優れたビジネスモデルと言える。売上については、期間按分され将来にわたって安定的な売上が確保される“ストック型ビジネス”である。
一方、2013年ごろからBPO事業の名称でスタートしたExtendTech事業(メーカー保証制度の立上げ代行)は、当初は国の補助金関連として、再生可能エネルギー関連(太陽光パネル、発電システム)が、最近では、蓄電システム機器やGIGAスクール構想実現に向け小中学校へ導入されたタブレットが対象となっている。直近の業績では、蓄電システム機器とタブレットが大きく収益に貢献している。これは、“フロー型ビジネス”で、最初に「メーカー保証制度の構築」の一括受注となり、会計処理上は大半が当期一括計上となる手数料ビジネスであるため、売上が増えた分だけ利益も増える仕組みである。同社はストック型ビジネス(HomeworthTech事業)とフロー型ビジネス(ExtendTech事業)を最適な組み合せとすることで、財務健全性と持続的、かつ安定的な収益基盤を確立している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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