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―自動車部品を一体成形する新技術、ダイカストメーカーなどに商機―
リョービ <5851> [東証P]は17日、自動車部品を一体成形する新技術「ギガキャスト」の試作を行う新工場棟が菊川工場(静岡県菊川市)の敷地内に完成したことを記念した式典を開いた。電動化が進む自動車業界では、部品の大型一体成形のニーズが今後更に高まるとみられており、同社は大型部品の試作サービス提供に向けて本格稼働を開始。新たな生産技術として注目度は高く、 ダイカスト(溶かした非鉄金属の合金を精密な金型に高速・高圧で注入し、瞬時に製品を成形する鋳造技術のこと)メーカーのビジネス機会が広がりそうだ。
●自動車生産改革のカギ
ギガキャストとは、高圧で型締めした大型の精密鋳型に高速・高圧で溶融したアルミニウムを注入し、これまで数十から数百点の個別部品を組み合わせて作っていたボディーなどの超大型部品を、ひとつの工程で一括成形する鋳造技術のこと。大量の個別部品を溶接などで組み合わせる工程が不要になれば、生産効率の向上や生産コストの削減につながり、収益性アップが期待できる。
米テスラ
自動車業界はCASE(Connected:コネクティッド、Autonomous/Automated:自動化、Shared:シェアリング、Electric:電動化)という4つのトレンドによって競争が激化し、車体の開発・生産での変革が求められている。ギガキャストは生産手法を根本的に変える可能性を秘めており、関連銘柄から目が離せない。
●企業の取り組み活発化
リョービは専業ダイカストメーカーとしては国内初となる型締力6500トンの大型ダイカストマシンの設置と試運転を完了。生産品は大型アルミダイカスト製品の試作品(車体部品やバッテリーケースなど)となる予定だ。導入されたダイカストマシンはUBE <4208> [東証P]グループのUBEマシナリー製で、同社は時代のニーズに合致したダイカストマシンの開発に取り組んでいる。
芝浦機械 <6104> [東証P]は射出成形機やダイカストマシンなどを手掛けており、ギガキャスト対応は開発中の低圧鋳造技術に加え、超大型ダイカストマシンに参入する構え。18日には独自の金型冷却装置を持つファンクショナル・フルイッド(大阪市西区)を子会社化すると発表しており、同社のダイカストマシンなどの製品群と組み合わせることで生産性の向上を狙う。
ソディック <6143> [東証P]は放電加工機の大手で、射出成形機や精密金属3Dプリンターなども扱っている。中長期的な成長戦略として、金属3Dプリンター事業では新エネルギー車関連でギガキャスト金型への対応力で差別化を図る方針。21日には金属3Dプリンター事業を展開するイタリアのプリマ・アディティブを子会社化することを明らかにしており、より充実した産業用向けの先進的なレーザーシステムの研究開発を推進していく考えだ。
JMC <5704> [東証G]は2月、コンセプトセンター(長野県飯田市、鋳造工場)第8期棟に、大型低圧鋳造炉及び大型ブラストルームを導入した。これにより鋳造サイクルの改善を図り、生産上のボトルネックを解消するほか、鋳造品製造において表面に付着した砂の除去や改質効果を得るブラストルームによって、ギガキャスト試作を含む大型製品の生産能力を強化するという。
ジーテクト <5970> [東証P]は、ギガキャストに代替可能な新技術・新製品の開発に注力しており、アーレスティ <5852> [東証P]との共同開発により、独自のコンセプトモデルを完成させている。これは同社の事業領域である鋼板のプレス部品を主体に、効果的にアルミダイカストを使用することで、部品数や生産工程の削減、軽量化、二酸化炭素(CO2)排出量の減少を狙ったもの。自動車メーカーの次世代EV開発に新たな選択肢を提供することで、受注につなげたいとしている。
●大同特鋼なども注目
これ以外の関連銘柄としては、グループ会社がアルミダイカスト部品を生産・販売している大紀アルミニウム工業所 <5702> [東証P]、電動サーボダイカストマシンなどを展開する東洋機械金属 <6210> [東証S]、ダイカスト部品を自動車業界向けに提供しているPEGASUS <6262> [東証P]、ギガキャストなど大型化・高額化する金型の寿命を向上させる表面評価技術を持つ新東工業 <6339> [東証P]、子会社がアルミダイカスト製品を扱う大同メタル工業 <7245> [東証P]、グループ会社がダイカスト製品を手掛けている長野計器 <7715> [東証P]など。
大同特殊鋼 <5471> [東証P]は24年9月から、ギガキャスト工法に対応した熱間金型用鋼「DHA-GIGA」を販売している。これは超大型のダイカスト金型に求められる焼き入れ性(焼き入れを行ったときに、いかに内部まで焼きが入るかを表す指標)を飛躍的に向上させることで、従来の金型用鋼に比べ使用中の割れを抑制。これにより超大型ダイカスト金型の寿命の安定化を実現し、大型ダイカスト部品のトータルコスト低減につながるという。同社は今後拡大する需要を捉え、30年には年間40億円の売り上げ規模を目指す構えだ。
株探ニュース
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