3月3日の終値ベースでのファンダメンタルを見ていくとトヨタ自動車のPERは10.84倍で同業他社の日産自動車の8.21倍、本田技研工業の9.49倍など単純にPERだけを見るとだいぶ低いが、日経平均そのものが大幅に下落しており全体のPERもかなり低くなっており、さらに他社と比較してやや割高といえるので判断材料としては弱い。ROEはトヨタ自動車14.68％、日産自動車は13.89％、本田技研工業は13.76％となっている。自己資本比率を見るとトヨタ自動車36.3％、日産自動車は28.6％　本田技研工業は37.2％であり、PBRはそれぞれ1.43倍、1.02倍、1.15倍となっており、他社と比較して買い要因と見られる要素はあるものの、ファンダメンタル全体を見れば買い要因にはかける。
チャートで見ていくと短期的な動きを見ると今は下降トレンドの中の短期的な会シグナルにあるものの、MACDを見ても完全に下降トレンドになっており、移動平均も五日移動平均は二十五日移動平均を割り込んでおり下降トレンドとなっている。
アメリカの景気後退懸念からドル安円高が急激に進んでいるために輸出関連銘柄はその影響を受けて売られる傾向にあり、トヨタ自動車もその例外ではなく業績そのものは好調であるにもかかわらず株は売られる傾向になっている。国内市場が低迷する中で、最大の市場であるアメリカの景気後退も販売台数に大きく影響するため業績悪化の懸念もあると考えられる。ただアメリカの景気後退が実際に起これば販売台数が減少して業績が悪化することも考えられるが、成長している新興国への販売強化を進めているため減少分を補完できる可能性も大きい。しかしアメリカの景気後退が世界的な景気減速につながれば業績の悪化は避けられず、株価の低下も避けられない。長期的なトレンドはアメリカの景気に大きく影響されるため、見通しを立てにくいが、短期的に見ると株価は下降トレンドにあり、且つ円高が非常に進んでいるため、株価は下落すると思われる。