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【QAあり】 アップガレージ、2Qは増収増益、リユース・流通卸売とも好調 創業25周年で記念配当・認知向上施策も推進

投稿:2024/11/26 11:00

2025年3月期 第2四半期 業績サマリー

河野映彦氏(以下、河野):アップガレージグループ代表取締役社長の河野です。2025年3月期第2四半期決算について、上期のハイライトからご説明します。

まずは業績サマリーです。当社事業は、お店を運営しているリユース業態と、新品の商品を卸している流通卸売業態の2つが主軸になっています。

リユース業態に関しては、物価が上昇したこともありますが、コロナ禍以降は非常に好調で、それを引き継ぐようなかたちで今期も順調に推移しています。販売、特に買取の調子が良く、お客さまの意向としても、これまでは新品で値段が高いものが選ばれましたが、現在は「中古でも良い」という方が増えてきた実感を持っています。

流通卸売業態に関しては、新規の取引先が増えたことによって積み増しができています。ただし、冬タイヤは9月ぐらいから卸が始まるのですが、今年の9月はまだ暑かったこともあり、想定よりも少し遅れています。

2025年3月期 第2四半期 業績サマリー

業績に関しては、売上高は前期比15.4パーセント増の63億9,500万円、営業利益は前期比21.6パーセント増の3億1,900万円、純利益は前期比36.7パーセント増の2億4,100万円で着地しました。

15.4パーセントの増収、21.6パーセントの営業増益と、好調に推移していますが、計画予算に比べると営業利益が少し足りていません。調子は良かったものの、当初は9月に新品のスタッドレスタイヤを卸すことによって利益を積み増す予定が、下期にずれてしまった分、マイナスになっています。

一方、出店も好調に推移しています。海外においては、4月、アメリカのロサンゼルスにアップガレージUSAの1号店「UP GARAGE Garden Grove」をオープンしました。

2025年3月期 第2四半期 連結業績

連結業績の詳細です。ここで見ていただきたいのは、営業利益率が上がっているところです。

「ネクスリンク」の流通卸がかなり増えてきており、売上が伸びて利益率も上がっているというのが、今期ご注目いただきたいことです。

売上高・営業利益 四半期推移

我々にとって上期は準備の期間であり、下期の第3四半期・第4四半期が繁忙期になります。スタッドレスタイヤの販売もありますし、お客さまの動向としても冬商戦、いろいろなものを買いたいという意欲が12月に増えますので、12月、特に第3四半期がボリュームゾーンになっています。

第1四半期・第2四半期に関しては、前期よりも非常に好調に推移しています。

2025年3月期 通期業績予想進捗(上期進捗率)

通期では、前期と比べて非常に良いかたちで進捗しています。各店舗で注力してきた「お客さまにしっかりとプラスワン販売をしよう」という取り組みが売上増につながったこと、流通企画の部分で新規のお客さまを獲得できていること、さらに、既存の取引先さまからの売上を多くいただけるようになってきていることで伸びています。

2025年3月期 第2四半期 連結主要販管費

販管費です。今年度は25周年イベントのための費用もかかっています。そのようなものをこなしながらも、販管費率はしっかりと下がっており、うまくコントロールできていると思っています。

業態別売上分類一覧

売上構成です。リユース業態である「アップガレージ」の店舗が売上の約60パーセントです。流通卸売業態が約40パーセントとなっています。

売上総利益率では、リユース業態が約60パーセント、流通卸売業態が約10パーセントとなっています。

リユース業態 売上高

リユース業態についての詳細です。フランチャイズ(FC)関連の売上が少し落ちています。前期はFC出店に伴う大型の什器の販売や設備関連工事がありましたが、今期はそれがなかったためマイナスになっています。

しかし、業績の体制にはあまり影響がないと思っています。

リユース業態 チェーン合計(直営・FC)四半期推移

チェーン合計の売上についてです。リユース業態については、世の中に「中古でも良い」「中古が良い」という状況が広がっており、我々もその流れに乗って、年々しっかりと伸ばすことができています。

リユース業態 売上分類 - 店舗売上

既存店売上高、直営店客単価をスライドに示しています。既存店も業績を上げており、前期比104パーセントとしっかりと成長させることができています。

客単価に関しても、インフレという状況に加え、プラスワン販売の実施、タイヤ安心保証などのサービス付帯によって単価を上げることができています。

リユース業態 売上分類 - 店舗KPI

客単価を継続的に上げることで、直営店の売上総利益率を上げていこうと考えています。

リユース業態 売上分類 - フランチャイズ関連

FC店に関しても、既存店は前期比106.3パーセントと非常に好調に推移しています。FCの新規出店は3店舗にとどまりましたが、通期では計画どおりの出店予定です。

流通卸売業態 売上高

流通卸売業態については、「タイヤ流通センター」は前期は暖冬とメーカーの値上げにより苦戦しましたが、今期は順調に回復しています。

「ネクスリンク」は新規開拓を進めつつ、既存のお客さまとの関係を深掘りすることで、業績をしっかりと伸ばすことができています。今後も継続して伸ばしていけると考えています。

流通卸売業態 売上分類

「タイヤ流通センター」の新規出店は6店舗となっています。

流通卸売業態 売上分類

流通卸売業態も、第3四半期・第4四半期がボリュームゾーンになりますので、ここからしっかりと伸ばしていきます。

新規出店(直営店)

直近の取り組みとしては、「アップガレージ」の出店、そして自転車業態「アップガレージサイクルズ」の出店を継続して行っています。スライドは直営店のご紹介です。

新規出店(FC店) 24

FC店はこのようになっています。

公式アップガレージアプリ

当社で作っている公式アプリを活用し、One to Oneマーケティングを強化しています。

アプリは、特に買取につながっています。現物のやり取りがなくても、お客さまがお持ちの商品をアプリに登録いただくと、それを査定することができるので、これまで以上に買取に持ってきていただきやすい仕組みをお客さまに提供できるようになりました。

順次アップデートしていきながら、お客さまにとってより利便性の高いアプリにしていきたいと思っています。

創業25周年記念イベント

25周年記念としては、中古釣具販売のチェーン店・タックルベリーさまとのコラボイベントを開催しており、店頭で使えるクーポン配布を行いました。また、未来のお客さまに向けた体験イベントとして、アップガレージの現場で着ているつなぎを子ども用に作り、我々の本社でそれを着てもらい、リユースを実際に体験していただくような取り組みも実施しました。

キャッシュレス化の推進

キャッシュレス化の推進です。今までもいろいろなかたちでキャッシュレス化を行ってきました。お客さまによってはローンを組みたいという方もいらっしゃいますので、6回まで手数料なしで分割でお支払いいただける「アトカラ」という決済サービスも提供しています。

FCオーナー様向け北米研修

スライドは、アメリカ1号店をオープンしたという内容です。現在、2号店のオープンに向けて準備しています。

サスティナビリティ基本方針に基づく取り組み~ 環境保全

今年1月1日に起きた震災、令和6年能登半島地震を受けて、我々にもなにか被災者の方々のお役に立てることはないかと考え、毎週、能登に社員を4名ほど派遣してボランティア活動を行っています。

また、10月には、当社の直営店メンバーの大半が金沢に研修というかたちで赴き、実際どのようなことが起こっているかを視察しました。

サスティナビリティ基本方針に基づく取り組み~ 地域貢献活動

こちらは社内イベントの1つですが、「子どもアドベンチャーカレッジ2024」に参加しました。

サスティナビリティ基本方針に基づく取り組み~女性活躍推進

当社のスタッフは約95パーセントが男性ですが、少しずつ女性のスタッフも増えており、女性の管理職も出てきています。女性の活躍をさらに促進していきたいということで「全国ウーマンミーティング」を開催しました。

全国の「アップガレージ」で働いている女性の方々に集まっていただき、意見交換、そして我々経営チームにも提言していただく会議を設けました。これは今年が初めての取り組みです。

個人投資家様向けIR説明会の実施

個人投資家さま向けのIR説明会を継続して行っています。今月もありますし、12月、2月も準備しています。

メディア活動

各種メディアにも取り上げていただいています。

株価推移(上場〜2024年11月8日)

株価の推移です。中期経営計画発表以降順調に上昇していましたが、近時はやや下がってきています。

1. 中長期に目指す姿=企業像

今年発表した中期経営計画について少し触れます。

我々は中古カー用品・バイク用品、そして自転車本体を扱っている会社です。サステナビリティなどいろいろな言葉が使われている中で、中古が当たり前の世の中になっていくのではないかとは思っています。

マンションや車はすでに中古が当たり前になっていますが、残念ながら、我々が扱っているタイヤやホイール、それ以外のカー用品・バイク用品は、まだまだ当たり前にはなっていません。

しかしそれが「あたりまえ」の世の中になれば、本当に良い世界になると思っており、我々はそれを実現していきたいと考えています。

そして「UP GARAGE」という看板を、日本国内だけではなくて、世界に出していけるような会社になっていくことを目指しています。

祖業は車から始まって、バイク、自転車と、車輪の分野にはどんどん広げていけるチャンスがあるのではないかと思っています。そこで「自動車・バイクのパーツからMobility Partsへ」という企業像を新たに掲げました。

そして、循環型社会におけるMobility Partsの中核的サービスプロバイダーになっていこうと考えています。

2. 中期経営計画の位置づけ

前期は売上125億円、営業利益10億円弱の規模ですが、2035年から2040年には、営業利益100億円、時価総額1,000億円の会社になっていこうと考えています。

その際には、国内・海外比率を5対5まで変えていきます。今は国内が98パーセント、海外は2パーセントほどという状況ですが、それを5対5まで持っていきます。

また、今は商品販売が非常に多いのですが、商品販売とサービス比率も5対5まで変えていこうと思っています。そのための成長の礎作りを、5年で行います。2029年までにしっかりと基盤を築いて、そこから一気に飛躍していこうと考えています。

3. 新企業理念

そのような中で、25周年を迎えたということもあり、企業理念も変更しています。ブランドスローガンとして「Good Mobility, Happy Life」を掲げ、お客さまに対しても、社会に対しても、従業員に対しても、ブランドスローガンの考え方を提供していく会社でありたいと考えて発表しました。

4. マテリアリティ

いろいろな社会課題がありますが、事業を通じてそれらを1つずつ改善していくことで、目標を実現していきたいと思っています。

5. 当社の競争優位性

当社の競争優位性です。国内の店舗展開をさらに加速させながら、海外にも展開していきます。我々の「直営店運営のノウハウ、そしてFC店に提供したサービス」をカスタマイズするかたちで、他の車業界やバイク業界の会社に販売し、使っていただいています。

また、我々の特徴として、システムエンジニアが社内に40名ほどいるのが大きな強みになっています。そこをさらに強化していきながら、今持っているシステム、開発力、蓄積してきたデータを活用して、いろいろなチャンスをうかがっていきたいと考えています。

7. 将来の企業像と実現手法

2035年から2040年に、時価総額1,000億円、営業利益100億円を達成するために、3つの施策を重要な柱として考えています。すなわちマーケットの拡大、循環モデルの拡張・効率化、人的資本の強化を行うことで、目標を実現していきます。

8. 実現のための3本柱 ①マーケットの拡大(1)

そのために、アメリカの出店と自転車業態の拡大に取り組みます。こちらもお客さまに非常に喜ばれており、業績は非常に伸びてきていますので、さらに出店を拡大していきたいと思っています。

8. 実現のための3本柱 ①マーケットの拡大(2)

取扱サービスの拡充です。車・バイクに始まり、車輪のあるものに関しては我々のビジネスチャンスだと思っていますので、そこに対する中古・リユースで考えていきたいと思っています。

また、昨年の暖冬の中でも、我々の利益を支えてくれたスタッドレスタイヤのレンタルサービスを含め、いろいろなサービスをお客さまに提供していきたいと考えています。

9.経営目標数値・中長期成長イメージ(2)

中期成長のイメージとしては、連続性のある成長を続けつつ、M&Aの活用も行いながら、次の10年間の礎を作っていきます。

9.経営目標数値・中長期成長イメージ(3)

早期に営業利益率10パーセントを達成していきたいと考えています。1期目は順調に推移しています。

10.キャッシュ・フローと成長投資、株主還元の配分

株主還元としては、従来から配当性向30パーセントを目途にしてきましたが、今後は40パーセントまで引き上げていきたいと思っています。

中期経営計画の進捗状況 -マーケットの拡大①-

次に、中期経営計画の進捗状況についてご説明します。

重点施策としてのアメリカの出店については、1店舗目が非常に好調に推移しています。特にお客さまからの買取が非常に好調です。

出店以来、アメリカでの販売価格に関していろいろなトライアンドエラーをしながら、適正な価格を見極めている状況です。

それとともに、2店舗目の出店に向けて物件を探しています。早期に物件を見つけて、来期初めにはオープンできるように動いていきたいと思っています。

また、直営店のドミナント出店を相模原市で行っています。非常に好調に推移することがわかったため、ここから一定の人口があるエリアにおいては、ドミナントで出店していこうと考えています。

自転車に関しても出店は非常に好調ですので、どんどん加速していきます。

中期経営計画の進捗状況 -マーケットの拡大②-

チャイルドシート、ベビーカーの取り扱いを開始しており、レンタルもスタートしています。

足元では、法人買取が非常に好調に推移しています。ある法人さまからは、不正防止の観点から「一括して中古パーツを引き受けてくれないか」という話も出ています。このような買取がスタートすると、効率的でまとまった仕入れができると思っています。

中期経営計画の進捗状況 -循環モデル拡張・効率化①-

OMO戦略も進めています。我々のWebサイトなど、ECで購入したものを店頭で受け取れるようなサービス、もしくは他の店で購入された商品の取付サービスを積極的に提供することによって、来店誘導を行っています。こちらはお客さまに非常に喜んでいただき、伸びているところです。

中期経営計画の進捗状況 -循環モデル拡張・効率化②-

データを活用した販促も強化しています。デジタルサイネージを使いながらクーポンを提供したり、売れ筋データをもとに、中古と新品のものを組み合わせて提案し、注文をいただくかたちをとったりしています。

2025年3月期 第2四半期 重点施策 振り返り

今期の出店は、直営5店舗、FC10店舗、サイクルズ5店舗を計画しています。新規出店に関しては上期は、少し遅れているように見えるのですが、下期に出店がずれ込んでいるためです。直営5店舗、FC10店舗で着地できるように動いています。

利益率の向上はしっかりとできました。また、海外への出店もできてきており、こちらは今後、加速できればと思っています。

2025年3月期 業績予想

出店と業績予想です。

2025年3月期 業績予想

いずれも好調に推移していると考えています。

2025年3月期 配当予想

すでに発表したとおり、創業25周年を迎えたため、記念配当として2.5円を配当します。期初の予想は27円で、記念配当を合わせた修正予想は29.5円です。段階的に配当性向を40パーセントまで上げていこうと考えています。

また、同じく創業25周年記念として、創業者である石田の資産管理会社が所有しているアップガレージグループの株を、従業員に贈与します。長年当社に貢献してくれた社員への感謝として提供し、従業員とともに株価を上げていこうという取り組みです。同時に、株式流動性比率の上昇にも寄与します。

質疑応答:上期の業績について

司会者:「上期業績予想に対して売上高は達成、利益は未達です。一方、通期業績予想に対する進捗率としては、前期よりも進捗しています。この結果を踏まえて、社長の上期の業績評価をもう少し詳しくお聞かせください」というご質問です。

河野:上期は毎年苦労しており、進捗としてはそこまで大きくありませんが、ほぼ計画どおりです。

今期は第1四半期から非常に良かったところもあり、第2四半期も一気に伸ばせると思ったのですが、本来は9月ぐらいから動くはずのスタッドレスタイヤの卸が、夏が暑かったこともあってまったく動きませんでした。さらに10月も暑かったため、11月になってようやく動き始めているところです。

したがって、その部分では遅れていますが、それは暖冬でなくともスタッドレスタイヤを使う地域への出荷が遅れているだけです。そのような部分の数字はこれから戻ってくると思いますし、上期はかなり前向きに前進できたと考えます。

質疑応答:業態別の売上構成比について

司会者:「第2四半期は流通卸売業態の売上の割合が上昇し、売上総利益率が低下しています。リユース業態と流通卸売業態の構成の変化は想定の範囲内でしょうか? また、今後の売上構成はどのように想定していますか?」というご質問です。

河野:想定の範囲内です。ただし、流通卸売業態に関しては、1件取引先が増えると数億円単位で業績が上がる可能性があります。そのような部分では数字はまだ読めていないのですが、取引先になっていただける可能性のあるところには常にノックをしており、一気に業績を伸ばせる可能性があると考えています。

一方、リユース業態はしっかりと安定成長するような業態です。

また、11月から「ネクスリンク(=受発注プラットフォーム)」の手数料をいただくモデルもスタートしています。今までは卸して売上と利益をいただいていたものが、システムを使っていただくことで利益をいただけるかたちも提供できるようになりました。この手数料収入を増やすことで、流通卸売部分の利益率の上昇を図ってまいります。

質疑応答:リユース需要の拡大について

司会者:「リユース需要の拡大について、客数、客単価を踏まえて、現状と今後の事業環境認識について教えてください」というご質問です。

河野:リユース業態はまだ伸びると思っています。特に我々のようなカー用品、バイク用品の業態においては、良い悪いは別にして競合がいないため、我々が成長しないと業態、業界が伸びないと考えています。より成長させていかなければいけないと責任を感じています。

中古品アパレル業界では、セカンドストリートさまやハードオフコーポレーションさま、トレジャー・ファクトリーさまが切磋琢磨されることで、業態全体が伸びています。自動車中古部品業界では、大手は当社1社しかないため、業態として大きく伸ばすことがまだできていないと思っています。それをどのようにして可能にするかは、考えていかなければいけません。

しかし、間違いなく中古品への心理的なハードルは下がっており、お客さまが中古品を売買される意欲は上がってきていると考えます。したがって、ますます伸びていくと考えています。

質疑応答:今後の出店計画について

司会者:「直営店の売上が好調です。今後の出店計画について教えてください」というご質問です。

河野:出店に関しては、今期は直営5店舗、FC10店舗で着地できるように動いています。すでに案件は見えている部分もあるため、あとは着実に進めていきたいと考えています。

質疑応答:取引先にとってのメリットについて

司会者:「流通卸に関して、取引先にとって新たに貴社と取引するインセンティブは何でしょうか?」というご質問です。

河野:大手の会社さまにとっては、請求が1本にまとまること、及び当社がコールセンター機能も持っており、適合パーツの問い合わせをあたかも自社の本部の部署に問い合わせているかのごとくできるという、アフターサービスです。加えて、一定期間、我々のほうで返品を受け付けできる点も喜んでいただいています。

また、中小規模の会社さまにとっては、我々との取引を通じて、価格メリットを享受していただけると思っています。

質疑応答:配当性向の引き上げについて

司会者:「記念配当の発表がありました。今後の配当性向の引き上げペースについて教えてください」というご質問です。

河野:40パーセントに向けて段階的に上げていこうと考えています。中期経営計画で出しているとおり、しっかりと階段を上がるように上げていきたいです。

質疑応答:法人取引とデータ活用の業績貢献について

司会者:「中計の取り組みの中で、法人取引とデータ化、データ活用部分について具体的にはどのような取り組み、業績貢献になるかを教えてください」というご質問です。

河野:まず法人との取引数、買取金額とも確実に増えています。

データ活用に関しては、どのような商品が売れるか、どのような商品をお客さまが求めているか、どのような商品からどのような商品に乗り換えるかというデータを我々が持っていることが大きな強みだと思っています。

蓄積したデータをもとにAIなどを活用しながらお客さまへご提案できるようにしていくことで、お客さまの販促につながってくるのではないかと思います。

これらを我々が提供するシステムの付加価値として提供していきたいです。

質疑応答:「ネクスリンク」について

司会者:「『ネクスリンク』について、収益構造も含めて教えてください」というご質問です。

河野:今までの収益構造は、当社が提供するシステムを利用していただき、商品は我々がすべて仕入れ・販売を行うことで、売上と利益をいただくモデルでした。

そのようなかたちで継続していただくお取引先さまもありますが、会社さまによっては商品の品ぞろえは自ら行うが、システムのみ自分たちの取引先との間で使いたいという場合もあります。我々の受発注プラットフォームをこのようなかたちで使いたいという企業も出てきているため、そのような場合には手数料をいただいていくモデルを考えています。

質疑応答:アメリカでの事業展開について

司会者:「アメリカでの事業展開について、中計期間内での具体的な事業展開と、業績貢献イメージを教えてください」というご質問です。

河野:日本の店舗と同じ売り場面積で、1.5倍から1.7倍ぐらいの売上を上げる店舗を出店していこうと思っています。今期はまず1店舗を出し、ノウハウを蓄積しながら、来期は1店舗もしくは2店舗、その後は継続的に毎年2店舗ぐらいを出店し、ノウハウが蓄積できた時点で一気に加速させていきたいと考えています。

一方、店舗出店において重要なのが在庫と人材です。今、アメリカの店舗には日本からエース級のスタッフを2人派遣しています。加えて現地で採用した社員2人と、アルバイトで運営しています。

現地で採用した方が非常に能力が高く、吸収も早いため、今の店舗で店長を任せられるぐらいだと思っています。同様に毎年、現地で採用した人を教育しながら、店舗と在庫と人のマネジメントができるようにしていきます。

現地での育成に加えて、日本からも人材を送るという方法も取りながら、2年から3年ぐらいは年間2店舗ぐらいの出店を目指します。現時点では、買取が非常に調子が良いため、出店していかないと在庫を置く場所がないという状況になりつつあります。

質疑応答:オートバックスセブンの影響について

司会者:「オートバックスセブンが中古品の買取、自社ECでの販売を全店で開始することの影響はどのようにお考えですか?」というご質問です。

河野:これは私自身が「このようなことが起こったらいいな」と考えていたことです。

というのも、当社しかマーケットを広げることができない状況から、オートバックスセブンさまのリソースで「中古のカー用品は買い取れる・売れる」ということを世の中に認知してもらえるようになります。すると、カー用品を捨てていた、もしくは処分していた方々に「持っているものが売れる」または「中古カー用品を買える」と思っていただけるようになり、マーケットの拡大につながります。

そのようになると我々は、中古の買取に関する販売価格・買取価格のこれまでのデータや販売への知見を持っていますので、マーケットの拡大はかなりプラスになると思います。

質疑応答:今後の直営店とFC店の割合について

司会者:「将来的に、直営店とFC店の割合をどのように変化させていくのか教えてください」というご質問です。

河野:最近の動きとしては、事業承継等の関係から、FC店の直営化の話が増えてきていますので、少しずつ直営店の割合が増えていくのではないかと考えています。

質疑応答:米国パーツ市場での競合状況、日本との違いについて

司会者:「米国のパーツ市場ではリユースの利用状況が日本よりずっと進んでいて、競合も多いのでしょうか? 今後の展開について教えてください。また、日本と同じモデルで出店するとのことですが、売れ筋・客単価など日本との違いはあるのでしょうか?」というご質問です。

河野:アメリカでは我々のようにパーツを買取販売するお店はありませんので、そのような部分での競合はないと思います。

一方で、ガレージセールなどを通じた個人間売買はありますので、そのようなところで商品のバッティングはあると思っています。

店舗を出してわかったことは、急にお金が必要になった方や、「他人と価格交渉して売りたくない」という理由で商品を持ち込む方が非常に多く、まだまだ拡大余地があると考えています。

売れ筋に関しては、日本で売れるものがアメリカでも売れるということはあります。日本仕様に改造した車をJDM、アメリカ仕様に改造した車をUSDMといいますが、USDMのパーツは日本では欲しい方も一部いらっしゃるものの、あまり売れません。しかし、アメリカでは流通しやすいです。

JDMのパーツは、日本にはほとんど在庫がありませんが、アメリカでは在庫があると非常に高く売れます。お客さま単価は、1.5倍から2倍ぐらいの差があると感じています。

アメリカと日本の違いとしては、日本では我々が取付までを行うことが多いのですが、アメリカはDIYの文化が強く、みなさまご自身で取付をされることが多いです。また、日本では中古品は一定数(1パーセント未満)返品がありますが、アメリカはほとんど返品がない状況です。

質疑応答:気候・気温が業績に与える影響について

司会者:「暖冬の場合と平均的な気候・気温だった場合において、通期業績の差異がどの程度生じるのかを教えてください」というご質問です。

河野:今期の業績予想は暖冬をもとに予算を立てていますので、暖冬であればこの数字は達成できると思っています。通常どおり寒くなるのであれば、上乗せできるのではと考えています。

質疑応答:ドミナント出店について

司会者:「年間20店舗の出店加速にはドミナント戦略が重要だと思いますが、ドミナント出店の状況・成果・今後の見込みについて教えてください」というご質問です。

河野:我々はドミナント出店に向けて、相模原市に3店舗、町田市の総本店も入れて4店舗出店していますが、カニバリを起こすことなく業績は非常に上がっています。車好きの方々はその4店舗を回り、車にあまり興味がない方は自宅近くの店舗を使うかたちになっており、良い効果があります。戦略としては、一定の人口が集まっている埼玉や東京・八王子エリアに出店していきたいと考えています。

今期10月にオープンした昭島店も、国立府中インター店や東村山店から近いところにありますが、オープン後は非常に調子が良く、「まだ我々を使っていただけていないお客さまが非常に多かったのだな」と感じています。今後もこのような出店を増やしていきたいと考えています。

質疑応答:中期経営計画の達成に向けたポイントについて

司会者:「中期経営計画のROE20パーセント・ROIC17パーセントの目標は、同業他社の平均と比べても高い水準だと思いますが、達成するためのポイントを教えてください」というご質問です。

河野:中古が強みのアップガレージにおいては、しっかりと価格設定し、中古の価値を見出すことだと思います。またご説明したとおり、流通企画において、システム利用料をいただくモデルにすることで達成できると考えています。

質疑応答:各業態の競合他社について

司会者:「リユース業態・流通卸売業態の競合他社を教えてください」というご質問です。

河野:リユース業態の競合は、店舗数としては今のところないのですが、商品面では「メルカリ」や「Yahoo!オークション」になると思います。

過去、「メルカリ」がカー用品のCMを放映した1ヶ月後くらいに、我々の店舗の買取が非常に増えるということがありました。中古カー用品におけるCtoCは難しいところもあるため、当社は、保証を付けたり、取付サービスを拡充させたりして伸ばしていきたいと考えています。

流通卸売業態の競合は、卸では問屋やメーカー、部品商があります。我々はシステム化することで業務効率を改善し、すぐに質問に答えられるようなサービス運営を行うことによって利便性を高め、競合との差別化を図っていきたいと考えています。

質疑応答:自転車業態について

司会者:「『アップガレージサイクルズ』ではどのようなものが販売されており、何がメイン商品となっていますか? また、今後の店舗展開についても教えてください」というご質問です。

河野:自転車業態においては、高額なロードバイクから電動自転車、ママチャリといわれるシティバイクなど、オールジャンルを扱っています。ロードバイクは買取も販売もできるのですが、あまり売上総利益率の高い商売にはならないと思っています。

売上総利益率、回転率が非常に良いのはシティバイク、子ども用自転車ですので、道路が平らなエリアや、子どもが多いエリアに出店していきたいと考えています。

質疑応答:リユース市場拡大のための消費者行動変容について

司会者:「リユース市場に対する競合は、基本的に新品のパーツになるのでしょうか? 一般的なドライバーが自分でパーツを選ぶという消費者の行動変化は、ハードルが高いような気がしますが、リユース市場が拡大するためには誰のマインドが変わる必要があるのでしょうか?」というご質問です。

河野:リユース市場の競合は新品パーツではないと思っています。例えば、タイヤを買う時に「新品じゃないと嫌だ」という方に、我々が中古のものをいくら訴求してもなかなか売れないと思います。ただ、タイヤは一度走るとすべて中古になってしまうため「中古でもいい」と考える方は増えてきていると感じます。

例えば、有名メーカーのスタッドレスタイヤは4本で20万円します。「今年は1回しか降雪エリアには行かないので、20万円を使うのはもったいないなあ」と思う方は、同じ商品で2年落ちぐらいのものでもいいと考えていただければ、10万円以下で買えることになります。このように、賢く買い物をしたい方が増えてきていると思っています。

また、インフレになって新品の価格が高騰しているため、やむを得ず中古に流れている方がいらっしゃるのも事実です。そのため、新品パーツが競合だとはあまり考えていません。

質疑応答:リユース市場に競合がいない理由と、今後の優位性維持について

司会者:「リユース市場は拡大が期待できると思いますが、なぜ日本に大手の競合がいないのでしょうか? また、今後の競合状況の見通しと、貴社の優位性維持施策も教えてください」というご質問です。

河野:競合がいない理由は、複数店舗を管理・運営するのが難しく、参入障壁が高いためだと思います。我々はシステムをブラッシュアップしながら、FCさまにアップガレージグループに入っていただいた際は利便性の高いものを提供していくことで、国内350店舗までは達成できると思っています。早期に店舗展開することで競争優位性を保っていきたいと考えています。

また、よく個人投資家の方々にも言われるのですが、我々の課題の1つは知名度の低さだと思っています。「アップガレージ」と聞いて、何のお店か想像できる方は多いとは言えません。「アップガレージは中古のカー用品のお店だ」と思ってもらえるようにすることが急務だと思っています。それはユーザーにとっても良いことですし、株価にも影響してくると考えています。

質疑応答:競合他社のカテゴリについて

司会者:「部品商が競合だとすると、SPKやエンパイヤ自動車などが競合でしょうか? 独自データベースを整備するということであれば、ブロードリーフが競合になるのでしょうか?」というご質問です。

河野:部品商の扱っているアフターパーツの部分は競合となりますが、純正部品は我々は卸していません。

我々の販売している商品は、タイヤや後付けするホイール、ドライブレコーダー、ナビなどで、SPKさまやエンパイヤ自動車さまが扱っている商品と一部重複しますが、メイン商品とのバッティングはあまりないと思います。

ブロードリーフさまは純正部品・整備部品をメインに扱っており、我々は後付けする用品を扱っていますので、競合にはならないと思っています。

配信元: ログミーファイナンス

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