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CRGホールディングスのニュース
*12:41JST CRGHD Research Memo(1):2023年通期は減収減益、コールセンター向け新型コロナ特需剥落が影響
■要約
CRGホールディングス<7041>は総合人材サービス企業である。人材派遣紹介事業として、コールセンターや工場・倉庫業務など、クライアントのニーズに応じた人材を短期から長期、1名から多人数、派遣から請負委託まで柔軟に対応している。また、製造請負などのアウトソーシングサービスやRPA※やAI-OCRなどクライアントの業務効率化やデジタル化を支援するテクノロジーサービス、障がい者福祉サービス事業、オンライン通訳・翻訳事業、M&A・投資事業も展開している。
※Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略。主にパソコンで作業している定型化された業務をロボットにより自動化する取り組みのこと。
1. 2023年9月期の業績概要
2023年9月期の連結業績は、売上高で前期比2.6%減の20,815百万円、営業利益で同76.6%減の113百万円、経常利益で同76.8%減の107百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同84.6%減の44百万円となった。新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染症法上の位置付けが5類へ移行し、社会経済活動が正常化するのに伴い、人材需要は回復傾向を辿った。外部環境が好転するなか、主力の人材派遣紹介事業は、製造・物流向け人材派遣が堅調に推移したほか、イベント関連のスポット案件も順調に獲得した。一方で、コールセンター向け派遣におけるワクチン問い合わせ業務など、新型コロナ関連案件の特需が剥落するなか、新規案件の獲得にも苦戦したことなどが響き減収となった。利益面に関しては、コールセンター向け派遣の特需剥落による売上高の減少により、売上総利益が減少したことに加えて、2022年12月に子会社化した(株)オシエテののれん償却費の計上などを受け、大きく落ち込んだ。そのなかにあっても、短期人材マッチングサービスの提供開始、資本業務提携による事業機会の拡大、製造業への本格着手に向けた固定資産の取得など、派遣領域の拡充、派遣領域の請負化、サービスの拡充の基本戦略は確実に進捗した。
なお、同社が属する人材サービス業界においては、2023年9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.29倍、完全失業率(季節調整値)は2.6%となった。人材需要は新型コロナ拡大(以下、コロナ禍)前の水準までには回復してはいないが、回復傾向にある。
2. 2024年9月期の業績見通し
2024年9月期の業績に関して同社は、売上高で前期比6.8%減の19,400百万円、営業利益で同164.7%増の300百万円、経常利益で同160.4%増の280百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同35.0%増の60百万円を見込んでいる。売上高に関しては、2023年9月期に引き続き、新型コロナ関連のコールセンター特需剥落の影響により減収を見込んでいるものの、営業利益以下の各利益に関しては急伸する見通しを立てている。不採算部門の収益性を改善すること、オシエテの収益化によりのれん償却費をカバーすること、などにより利益を積み上げていく構えだ。加えて、人材派遣サービスの登録型人材派遣に関しては、単価交渉を行うことにより収益性を向上させていくほか、より高単価・高収益を見込める常用型人材派遣を強化する方針だ。新型コロナ関連のコールセンター特需が剥落するなかで、派遣領域の拡充及び派遣領域の請負化、サービスの拡充という基本戦略の下、常用型派遣の強化、ハイキャリア人材紹介サービスの強化、採用コンサルティングサービスの強化、製造請負業のさらなる強化、障がい者雇用サポートの安定成長、各種新規事業の創出と収益化などの事業戦略を遂行し、コールセンター減少分を補完する。
3. 中期成長戦略
企業にとって人材採用の重要性はますます高まっている。そして人材採用のニーズは加速度的に高度化・複雑化している。一方で、働き手のライフスタイルや価値観も多様化しており、それぞれの就業ニーズに応じた仕事を提供することは、決して容易ではない。中期成長戦略の基本方針は、派遣領域の拡充、派遣領域の請負化、サービスの拡充の3つであり、中長期的な人手不足を見据え、事業ポートフォリオの見直しを実行し、高い利益率の実現を目指していく。具体的には、人材派遣紹介事業と製造請負事業をベースに、同社の強みである「ユニット型派遣」、BPO、障がい者サポート、IT・HRTechといった事業を積み上げていくイメージである。これらの基本方針の下、2022年12月には同社上場後初となるM&Aを実施し、通訳・翻訳サービスのプラットフォーム事業を営むオシエテを完全子会社化した。OCiETe IRなどの新サービスの拡充も順調に進んでおり、将来の業績拡大への寄与が期待される。
■Key Points
・2023年9月期は減収減益、コールセンター向け特需の剥落が影響
・中長期の基本戦略である派遣領域の拡充、派遣領域の請負化、サービスの拡充は着実に進捗
・2024年9月期は減収も大幅な増益を見込む
・「人のチカラとIT」を生かした新規サービスの拡大により収益性を高める戦略
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<SI>
CRGホールディングス<7041>は総合人材サービス企業である。人材派遣紹介事業として、コールセンターや工場・倉庫業務など、クライアントのニーズに応じた人材を短期から長期、1名から多人数、派遣から請負委託まで柔軟に対応している。また、製造請負などのアウトソーシングサービスやRPA※やAI-OCRなどクライアントの業務効率化やデジタル化を支援するテクノロジーサービス、障がい者福祉サービス事業、オンライン通訳・翻訳事業、M&A・投資事業も展開している。
※Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略。主にパソコンで作業している定型化された業務をロボットにより自動化する取り組みのこと。
1. 2023年9月期の業績概要
2023年9月期の連結業績は、売上高で前期比2.6%減の20,815百万円、営業利益で同76.6%減の113百万円、経常利益で同76.8%減の107百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同84.6%減の44百万円となった。新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染症法上の位置付けが5類へ移行し、社会経済活動が正常化するのに伴い、人材需要は回復傾向を辿った。外部環境が好転するなか、主力の人材派遣紹介事業は、製造・物流向け人材派遣が堅調に推移したほか、イベント関連のスポット案件も順調に獲得した。一方で、コールセンター向け派遣におけるワクチン問い合わせ業務など、新型コロナ関連案件の特需が剥落するなか、新規案件の獲得にも苦戦したことなどが響き減収となった。利益面に関しては、コールセンター向け派遣の特需剥落による売上高の減少により、売上総利益が減少したことに加えて、2022年12月に子会社化した(株)オシエテののれん償却費の計上などを受け、大きく落ち込んだ。そのなかにあっても、短期人材マッチングサービスの提供開始、資本業務提携による事業機会の拡大、製造業への本格着手に向けた固定資産の取得など、派遣領域の拡充、派遣領域の請負化、サービスの拡充の基本戦略は確実に進捗した。
なお、同社が属する人材サービス業界においては、2023年9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.29倍、完全失業率(季節調整値)は2.6%となった。人材需要は新型コロナ拡大(以下、コロナ禍)前の水準までには回復してはいないが、回復傾向にある。
2. 2024年9月期の業績見通し
2024年9月期の業績に関して同社は、売上高で前期比6.8%減の19,400百万円、営業利益で同164.7%増の300百万円、経常利益で同160.4%増の280百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同35.0%増の60百万円を見込んでいる。売上高に関しては、2023年9月期に引き続き、新型コロナ関連のコールセンター特需剥落の影響により減収を見込んでいるものの、営業利益以下の各利益に関しては急伸する見通しを立てている。不採算部門の収益性を改善すること、オシエテの収益化によりのれん償却費をカバーすること、などにより利益を積み上げていく構えだ。加えて、人材派遣サービスの登録型人材派遣に関しては、単価交渉を行うことにより収益性を向上させていくほか、より高単価・高収益を見込める常用型人材派遣を強化する方針だ。新型コロナ関連のコールセンター特需が剥落するなかで、派遣領域の拡充及び派遣領域の請負化、サービスの拡充という基本戦略の下、常用型派遣の強化、ハイキャリア人材紹介サービスの強化、採用コンサルティングサービスの強化、製造請負業のさらなる強化、障がい者雇用サポートの安定成長、各種新規事業の創出と収益化などの事業戦略を遂行し、コールセンター減少分を補完する。
3. 中期成長戦略
企業にとって人材採用の重要性はますます高まっている。そして人材採用のニーズは加速度的に高度化・複雑化している。一方で、働き手のライフスタイルや価値観も多様化しており、それぞれの就業ニーズに応じた仕事を提供することは、決して容易ではない。中期成長戦略の基本方針は、派遣領域の拡充、派遣領域の請負化、サービスの拡充の3つであり、中長期的な人手不足を見据え、事業ポートフォリオの見直しを実行し、高い利益率の実現を目指していく。具体的には、人材派遣紹介事業と製造請負事業をベースに、同社の強みである「ユニット型派遣」、BPO、障がい者サポート、IT・HRTechといった事業を積み上げていくイメージである。これらの基本方針の下、2022年12月には同社上場後初となるM&Aを実施し、通訳・翻訳サービスのプラットフォーム事業を営むオシエテを完全子会社化した。OCiETe IRなどの新サービスの拡充も順調に進んでおり、将来の業績拡大への寄与が期待される。
■Key Points
・2023年9月期は減収減益、コールセンター向け特需の剥落が影響
・中長期の基本戦略である派遣領域の拡充、派遣領域の請負化、サービスの拡充は着実に進捗
・2024年9月期は減収も大幅な増益を見込む
・「人のチカラとIT」を生かした新規サービスの拡大により収益性を高める戦略
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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