海外工場拡大で収益力改善!その裏には、過酷な宇宙空間で日本の技術力を実証した経験が!
■注目銘柄
エルナー(東2・6972)
プリント回路事業とコンデンサー事業を2本柱に手掛ける電子部品企業である同社。
近年、エコロジー技術が求められる自動車業界では電子化率が高まっていますが、アイドリングストップ等のエネルギー回生用蓄エネデバイスとして「コンデンサーやプリント回路」は必要不可欠な存在となっています。
同社は海外売上高比率は4割程度となっており、車載関連で米国の好調維持や欧州車載関連への売上が拡大しましたが、海外工場の賃金上昇などにより苦戦。その解決策としてコンデンサーの収益力改善が課題となっていましたが、先月9月4日のIRにて「電解コンデンサの主力であるタイ工場に総額3億円を投じ増設を行い、月間生産能力を従来比25%増加する」と発表。エルナーでは特に車載電装機器を中心に売上げを伸ばしており、その売上げ比率は今年度75%以上の伸びが見込まれているにも関わらずやや出遅れ気味と考えます。
また、2010年6月13日に無事帰還した小惑星探査機「はやぶさ」で表面地形の情報や温度計測を目的とする小型移動ロボット『MINERVA(ミネルバ)』に「充放電を繰り返しても劣化しない」・「-40℃以下から100℃以上といった保存温度範囲」・「低温でも低抵抗であり、瞬間的に大きい出力」・「微小な太陽電池の電力からでも効率よく充電」等の検証試験を経て、同社のDYNACAP(電気二重層コンデンサ)が搭載されましたが、地球を出発して2年半後でも誤作動も無くミネルバからは信号がきっちり送られ、過酷な宇宙空間での使用実績を十分積んで動作した事を実証する等、「日本科学技術の誇り」とも言える同社の技術力には今後、更なる発展と躍進があるといえるでしょう。 小野山 功