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キョウデンのニュース
―半導体・EVに絡み人気化素地、株価上昇トレンド加速へ―
プリント基板関連株に関心が集まっている。大手の日本CMK <6958> を筆頭にスポットライトが当たっており、マーケットでのテーマ人気も高まりをみせている。ここ全体相場はFRBをはじめとする各国中央銀行の金融政策の行方や新型コロナウイルス変異株の感染動向をにらみながらの神経質な展開を余儀なくされている一方、個別では 半導体や電気自動車(EV)関連を中心に依然として物色意欲は強い。このなか、プリント基板関連は半導体やEVに絡み人気化素地が高く、加えて好業績で相対的に割安な銘柄が多いセクターとして要注目となる。
●関連主力株の昨年パフォーマンスは良好
プリント基板とは電子部品を固定して配線するための電子基板のことで、基板上に導体の配線のみが施されたものをプリント配線板、そこに電子部品を取り付けて電子回路として動作する状態になったものをプリント回路板と呼ぶ。プリント基板はスマートフォンやパソコンなど電子機器向けのほか、車載用途での需要が増加しており、好業績を背景に関連銘柄の株価は上昇基調を続けている。関連主力株の一つであるプリント基板大手の日本CMKは昨年11月に通期業績予想の上方修正と中期経営計画を発表、これを手掛かり材料に同社株は上昇局面を迎えた。年末にかけて急速に上げ足を速め、昨年の株価上昇率は7割強に達している。
関連銘柄の中では、同じくプリント基板大手のメイコー <6787> 、キョウデン <6881> [東証2]の株価上昇に目を見張るものがあり、昨年のパフォーマンスは両銘柄とも約2.5倍。また、プリント基板用めっき薬品を手掛ける上村工業 <4966> [東証2]が約67%高と高パフォーマンスなほか、薄くて柔軟性があるフレキシブルプリント基板(FPC)で世界高シェアを誇るフジクラ <5803> が約19%高、プリント配線板用レジストインキで世界首位の太陽ホールディングス <4626> が約14%高となっている。
●シライ電子など中小型株に物色の流れ
関連主力株への物色が強まるなか、この流れは既に中小型株にも波及し始めている。なかでもプリント配線板中堅メーカーのシライ電子工業 <6658> [JQ]には、昨年11月の通期見通し上方修正を受けた株価急騰をきっかけに投資家の熱い視線が向かっている。同社はトヨタ系部品大手のデンソー <6902> を販売先に持つことから、トヨタ自動車 <7203> が打ち出したEV向け巨額投資の恩恵が及ぶとの見方も強まっており、人気に拍車がかかっている状況だ。
シライ電子は株価の居所を大きく変えたが、株式市場にはこうした大きな可能性を秘めた関連中小型株がまだ数多く存在する。今回は、その中から今後の活躍が期待される7銘柄をピックアップした。
●好業績が光る7銘柄選抜
京写 <6837> [JQ]はプリント配線板メーカーで、片面プリント配線板では世界首位。4-9月期は主力の自動車関連や家電製品分野向けの受注が回復し、2ケタ増収・営業黒字転換で着地。通期見通しも18.3%増収、営業4.6倍増益と業績急拡大見通しにある。昨年にメイコーと資本・業務提携を結んでおり、それぞれが得意とする製品の生産や販売、海外展開において相互協力を行っている。
有沢製作所 <5208> はプリント配線板材料を主力に手掛けており、直近4-9月期の営業利益は前年同期比5割近い増益と好調。同社はモバイル分野向けをはじめ、半導体・車載用途での同材料の競争力強化に取り組んでおり、25年3月期を最終年度とする中期経営計画では営業利益52億円(今期予想比58%増)を掲げている。足もと株価は上昇基調を強めつつあるものの、配当利回り5%台でPBR1倍割れの現在水準は依然として割安感が強い。
石井表記 <6336> [東証2]はプリント基板製造装置の大手。昨年12月10日に2-10月期決算を発表、営業利益は前年同期比2倍の14億5200万円で着地した。高速通信規格5Gや半導体向けパッケージ基板の需要増加が追い風となったほか、自動車向け印刷製品の好調などが全体業績に貢献した。営業利益ベースでみると、通期計画(15億5600万円)に対する進捗率は93%となっており、業績上振れへの期待が高まる。
ユニオンツール <6278> は、プリント配線板に微細な穴をあける超硬ドリルの世界最大手メーカー。半導体パッケージや高速通信インフラ関連の旺盛な需要を捉え、1-9月期は23.9%増収、営業96.8%増益と業績拡大基調が鮮明。株価は高値圏でのもみ合いが続いているものの、直近の信用倍率が0.2倍台と株式需給面からも浮揚力が働いており、押し目があれば買いを入れるスタンスでよさそうだ。
図研 <6947> はプリント基板用のコンピューター支援設計・製造システムで世界首位級を誇る。経済活動正常化やIT投資の拡大を追い風に、4-9月期営業利益は前年同期比91.7%増を達成、コロナ禍の影響を受けた前年同期からの急回復を果たした。株価はアベノミクス相場初期の2013年から約9年にわたって長期上昇トレンドを描き、昨年11月には1999年以来の高値となる4850円をつけた。
ピーバンドットコム <3559> はプリント基板の製造受託を手掛け、大手メーカーや中堅企業を中心に幅広い顧客基盤を持つ。この事業で培った製造ネットワークを生かし、電子機器の受託製造サービスにも展開しており、今後の成長ドライバーとして期待がかかる。今3月期は売上高・営業利益ともに微減の見通しにあるものの、直近7-9月期まで3四半期連続で増収増益となっており、足もと回復傾向が強まっている。
インスペック <6656> [東証2]は半導体やIT関連デバイスの外観検査装置メーカーで、プリント基板向け装置も手掛ける。新事業としてFPC向け検査装置に注力している点がポイントで、自動車軽量化に向けて車載電線をFPCへ置き換える需要が今後増加すると予想されるなか、このニーズを取り込む狙いがある。今4月期は増収・営業黒字転換の見通しで、2期ぶりの復配を見込む。
株探ニュース
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