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チノーのニュース
■チノー<6850>の業績動向
1. 2022年3月期業績の概要
2022年3月期の受注高は主に自動車や電子部品分野等での生産活動回復による設備投資の増加により前期比24.3%増の25,557百万円と増収となり、売上高で同3.9%増の21,908百万円となった。利益面については、営業利益が同32.0%増の1,499百万円となった。増益の要因は、計測制御機器及びセンサの需要回復による売上高の増加及び原価率改善などが挙げられる。親会社株主に帰属する当期純利益は、同18.5%減の1,050百万円となった。これは前期に明陽電機の連結子会社化に伴う特別利益として負ののれん発生益557百万円を計上した反動減によるものであるため、同社業績については堅調に推移していると考えられる。2021年11月発表の業績予想に対しては、売上高が計画比マイナス1.8%となったものの、原価率の改善や経費の削減などによって親会社に帰属する当期純利益は同プラス23.6%と大幅過達だった。売上高に関しては、コロナ禍から社会・経済活動が急速に回復するなかで発生したサプライチェーン混乱による部材不足の影響を受け、前期比プラスを確保したものの計画には届かなかった。
2. 主なセグメント別業績
(1) 計測制御機器
計測制御機器の売上高は7,965百万円(前期比15.1%増)、セグメント利益(営業利益)は1,168百万円(同31.6%増)となった。2021年3月期はコロナ禍による顧客の生産活動の停滞、設備投資の先送り、自社工場の稼働停止の影響を大きく受けた。一方で、2022年3月期は記録計を中心に海外向け、特に中国を中心としたアジア地域において需要が伸長し、調節計とサイリスタレギュレータは大口顧客の生産設備向け需要の回復が順調に推移した。
(2) 計装システム
計装システムの売上高は6,302百万円(前期比6.7%減)、セグメント利益(営業利益)は481百万円(同18.7%減)となった。需要が回復した電子部品関連の製造装置向け製品、脱炭素分野における自動車関連向け燃料電池評価試験装置、水素のエネルギー利用への研究・開発用途で使用される水電解評価装置が好調だった一方で、エアコンなどに使用されるコンプレッサの性能試験装置への需要が低迷したことを受け、前期比で減収減益を強いられた。コンプレッサ性能試験装置への需要低迷は、顧客企業の設備投資の端境期にあたったことが大きな要因となっている。同セグメントは今後の需要増加が見込まれる脱炭素関連の製品をラインナップしていることから、2023年3月期以降の回復が予見される。
(3) センサ
センサの売上高は6,804百万円(前期比3.7%増)、セグメント利益(営業利益)は1,304百万円(同14.6%増)となった。センサ事業では放射温度計、温度センサともに半導体・電子部品関連の製造装置向け海外需要が好調であり、国内においても輸出向け需要が堅調に推移した。また、放射温度計に関しては鉄鋼関連の設備更新、温度センサはAMS2750(航空宇宙材料に関わる高度な規格)、IATF16949(自動車産業における品質マネジメントに対する要求事項を規定した国際規格)、バイオマス関連の需要も堅調に推移した。
財務状況は引き続き良好
3. 財務状況と財務指標
2022年3月期末の資産合計は前期末に比べて1,146百万円増加し、31,545百万円となった。流動資産は前期末と比べ1,382百万円増加し、21,681百万円となった。この主な増減は現金及び預金の増加340百万円、売掛金の増加5,210百万円、受取手形及び売掛金の減少5,563百万円である。固定資産は、前期末に比べ235百万円減少し、9,864百万円となった。
負債合計は前期末と比べて497百万円増加し、11,394百万円となった。流動負債は前期末と比べて941百万円増加し8,216百万円となった。この主な要因は支払手形及び買掛金の増加557百万円である。固定負債は、前期末に比べ443百万円減少し3,177百万円となった。純資産合計は前期末と比べて648百万円増加し20,150百万円となった。
また主な経営指標に関して、流動比率は前期末比マイナス15.2ポイントとなったものの、依然263.9%と高い水準を維持しており、短期的な財務懸念はないと弊社では分析している。また自己資本比率は前期末比で1.0ポイント上昇した。これらのことにより同社の財務体質は特段問題ないものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<ST>
1. 2022年3月期業績の概要
2022年3月期の受注高は主に自動車や電子部品分野等での生産活動回復による設備投資の増加により前期比24.3%増の25,557百万円と増収となり、売上高で同3.9%増の21,908百万円となった。利益面については、営業利益が同32.0%増の1,499百万円となった。増益の要因は、計測制御機器及びセンサの需要回復による売上高の増加及び原価率改善などが挙げられる。親会社株主に帰属する当期純利益は、同18.5%減の1,050百万円となった。これは前期に明陽電機の連結子会社化に伴う特別利益として負ののれん発生益557百万円を計上した反動減によるものであるため、同社業績については堅調に推移していると考えられる。2021年11月発表の業績予想に対しては、売上高が計画比マイナス1.8%となったものの、原価率の改善や経費の削減などによって親会社に帰属する当期純利益は同プラス23.6%と大幅過達だった。売上高に関しては、コロナ禍から社会・経済活動が急速に回復するなかで発生したサプライチェーン混乱による部材不足の影響を受け、前期比プラスを確保したものの計画には届かなかった。
2. 主なセグメント別業績
(1) 計測制御機器
計測制御機器の売上高は7,965百万円(前期比15.1%増)、セグメント利益(営業利益)は1,168百万円(同31.6%増)となった。2021年3月期はコロナ禍による顧客の生産活動の停滞、設備投資の先送り、自社工場の稼働停止の影響を大きく受けた。一方で、2022年3月期は記録計を中心に海外向け、特に中国を中心としたアジア地域において需要が伸長し、調節計とサイリスタレギュレータは大口顧客の生産設備向け需要の回復が順調に推移した。
(2) 計装システム
計装システムの売上高は6,302百万円(前期比6.7%減)、セグメント利益(営業利益)は481百万円(同18.7%減)となった。需要が回復した電子部品関連の製造装置向け製品、脱炭素分野における自動車関連向け燃料電池評価試験装置、水素のエネルギー利用への研究・開発用途で使用される水電解評価装置が好調だった一方で、エアコンなどに使用されるコンプレッサの性能試験装置への需要が低迷したことを受け、前期比で減収減益を強いられた。コンプレッサ性能試験装置への需要低迷は、顧客企業の設備投資の端境期にあたったことが大きな要因となっている。同セグメントは今後の需要増加が見込まれる脱炭素関連の製品をラインナップしていることから、2023年3月期以降の回復が予見される。
(3) センサ
センサの売上高は6,804百万円(前期比3.7%増)、セグメント利益(営業利益)は1,304百万円(同14.6%増)となった。センサ事業では放射温度計、温度センサともに半導体・電子部品関連の製造装置向け海外需要が好調であり、国内においても輸出向け需要が堅調に推移した。また、放射温度計に関しては鉄鋼関連の設備更新、温度センサはAMS2750(航空宇宙材料に関わる高度な規格)、IATF16949(自動車産業における品質マネジメントに対する要求事項を規定した国際規格)、バイオマス関連の需要も堅調に推移した。
財務状況は引き続き良好
3. 財務状況と財務指標
2022年3月期末の資産合計は前期末に比べて1,146百万円増加し、31,545百万円となった。流動資産は前期末と比べ1,382百万円増加し、21,681百万円となった。この主な増減は現金及び預金の増加340百万円、売掛金の増加5,210百万円、受取手形及び売掛金の減少5,563百万円である。固定資産は、前期末に比べ235百万円減少し、9,864百万円となった。
負債合計は前期末と比べて497百万円増加し、11,394百万円となった。流動負債は前期末と比べて941百万円増加し8,216百万円となった。この主な要因は支払手形及び買掛金の増加557百万円である。固定負債は、前期末に比べ443百万円減少し3,177百万円となった。純資産合計は前期末と比べて648百万円増加し20,150百万円となった。
また主な経営指標に関して、流動比率は前期末比マイナス15.2ポイントとなったものの、依然263.9%と高い水準を維持しており、短期的な財務懸念はないと弊社では分析している。また自己資本比率は前期末比で1.0ポイント上昇した。これらのことにより同社の財務体質は特段問題ないものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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